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放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第五章・成人期イリス国編

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(どうやら相当の猛者のようだ)

 空を飛ぶミリィの杖にまたがって移動する。

 国内北部の森林地帯だ。

 ミリィは降り立つと、無言で森の中を歩き始めた。

 口数が少ないのは魔力探知に集中しているのだろう。


 俺も、無言でその後をつづく。

 そのうち、ミリィは立ち止まった。


「ここ」


 そう言って何もない点を見つめる。


「空間のほころびが感じられます」


「俺にはとんとわからんな」


「陛下は剣士ですゆえ」


 苦笑交じりに言うミリィ。


「今から空間を広げます」


「お前だけで行ってこい」


「陛下は?」


「デートだ」


「まあ!」


 凄い勢いで振り返るミリィ。


「誰とですか何処でですか何処まで行くんですか」


「命を懸けた殺し合いだよ」


 淡々とした口調で言う。

 それで察したらしい。

 ミリィもじっと探知を始める。


「確かに、いる……」


「俺が請け負うよ。お前は行ってこい。どうやら、俺にもどうにかなる手合いだ。お前の魔力を消耗する必要はないし、二人で裂け目から出てきたところを襲われてはかなわん」


 ミリィは俺を抱きしめた。


「ご武運を」


「ああ」


 ミリィが空間の裂け目の中に入っていく。

 俺は剣を抜いて、振り向いた。

 殺意は四方八方から感じられる。


 しかし、どうやら、一人。


(どうやら相当の猛者のようだ)


 俺はワクワクしていた。

 元を正せば俺は武官なのだ。


つづく

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