「私は陛下の色のみに染まり、陛下の命のままに動きます」
玉座に座り俺達を待ち受けていたのは、一人の大柄な老人だった。
半端な魔力量ではない。俺でもわかる。
ミリィは魔力を解放して、放つ。
それは、青色の透明な壁に弾かれた。
ミリィは口惜しげに口を曲げる。
「ガエリオか……」
「王家の魔導書でも読み漁ったか」
「いや、それは違うな」
相手は、重々しく口を開いた。
「ガエリオ、それは私の名じゃよ」
俺達一同は目を見開く。
「私はそなたが産まれるのを待っていた。不完全な不老不死。極めるためには新たな体がいる。ハイラルに私を受け入れるだけの器が現れるのを、育つのを、じっと待っておった。王を人質に取れば、そなたが修練して帰ってくるのは目に見えていたからな。大臣がヴーンを配置したのには参ったが、時間はかかったが傀儡に出来た」
そう言って老人は手を伸ばし、小指から順番に指を開いていき、ミリィに示す。
「さあ、私の魂を受け入れろ」
ミリィが硬直した。
なにか見えない手で縛られているのがわかる。
そして、老人は口を開けた。
危ない、と直感で理解し、老人に斬りかかるべきか迷う。
しかし、次の瞬間ミリィは魔力を解放し、拘束を解いた。
不敵に微笑んで、老人を指す。
「侮っては困ります。魔力制御の鍛錬ならスカーレット様に散々習いました。貴方、スカーレット様ほどではないですね」
老人は表情を歪める。
「私は陛下の色のみに染まり、陛下の命のままに動きます。貴方等の嗄れた魂などお断りだ」
「……なら、無理やり意識を奪うまでよ」
「ヤンデレが治っていないではないか」
俺は苦笑交じりに言う。
「私は陛下の主であり従です。それは以前も今も変わりませぬ」
飄々というミリィ。
「まったく」
「見せつけられましたな」
ハラドは苦笑交じりに言う。
「決戦だ」
俺は覚悟を込めていった。
老人から巻き起こった炎のオーラが、城を破壊しつつあった。
つづく




