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放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第四章・青年期ハイラル国編

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「私は陛下の色のみに染まり、陛下の命のままに動きます」

 玉座に座り俺達を待ち受けていたのは、一人の大柄な老人だった。

 半端な魔力量ではない。俺でもわかる。


 ミリィは魔力を解放して、放つ。

 それは、青色の透明な壁に弾かれた。


 ミリィは口惜しげに口を曲げる。


「ガエリオか……」


「王家の魔導書でも読み漁ったか」


「いや、それは違うな」


 相手は、重々しく口を開いた。


「ガエリオ、それは私の名じゃよ」


 俺達一同は目を見開く。


「私はそなたが産まれるのを待っていた。不完全な不老不死。極めるためには新たな体がいる。ハイラルに私を受け入れるだけの器が現れるのを、育つのを、じっと待っておった。王を人質に取れば、そなたが修練して帰ってくるのは目に見えていたからな。大臣がヴーンを配置したのには参ったが、時間はかかったが傀儡に出来た」


 そう言って老人は手を伸ばし、小指から順番に指を開いていき、ミリィに示す。


「さあ、私の魂を受け入れろ」


 ミリィが硬直した。

 なにか見えない手で縛られているのがわかる。

 そして、老人は口を開けた。


 危ない、と直感で理解し、老人に斬りかかるべきか迷う。


 しかし、次の瞬間ミリィは魔力を解放し、拘束を解いた。

 不敵に微笑んで、老人を指す。


「侮っては困ります。魔力制御の鍛錬ならスカーレット様に散々習いました。貴方、スカーレット様ほどではないですね」


 老人は表情を歪める。


「私は陛下の色のみに染まり、陛下の命のままに動きます。貴方等の嗄れた魂などお断りだ」


「……なら、無理やり意識を奪うまでよ」


「ヤンデレが治っていないではないか」


 俺は苦笑交じりに言う。


「私は陛下の主であり従です。それは以前も今も変わりませぬ」


 飄々というミリィ。


「まったく」


「見せつけられましたな」


 ハラドは苦笑交じりに言う。


「決戦だ」


 俺は覚悟を込めていった。

 老人から巻き起こった炎のオーラが、城を破壊しつつあった。



つづく

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