「これが、無効化の光……」
火山の精霊。
筋骨隆々としていて体から炎が巻き上がり、周囲の墓を煌々と照らしている。
遠目に見ただけでもはっきりと分かる。
ミリィクラスの魔力だ。
「私の炎の術では相手を強化するだけですね」
淡々とした口調でミリィは言う。
「難しいものよな」
顎を撫でる。
「あのクラスの敵を倒せば大臣派も気づくだろう。しかし上空からの侵入というのも対策は打たれているだろう。さてはて」
考え込む。
「私が足止めします」
ヒョウンがそう言って一歩前に出る。
「国王陛下はその隙に地下通路に!」
「待て!」
鋭く言うがその時には遅かった。
ヒョウンは一足飛びで火山の精霊に近づいていた。
槍の穂先が光る。
「いっせ……!」
技名を唱えようとしたところに業火球が襲いかかってくる。
危機一髪でヒョウンを押し飛ばしたのは素早く接近していたリーシェだった。
二人はそばの墓に着地する。
ミリィが前線を押し上げた。
駆けていき、唱える。
「ガエリオ!」
青白い壁がドーム状に広がる。
とんでもない規模。
「これが、無効化の光……」
ハラドが感動したように言う。
ハイラル王家にしか伝わらない秘術、ガエリオ。
それは、魔法を殺す式だ。
「もうやるしかないな」
俺は苦笑交じりに言って、レイヴンを見る。
「行けるか? レイヴン」
レイヴンは楽しげに肩をすくめる。
「ミルド倉庫で眠っていたこの武器が日の目をみることになるでしょうね」
そう言って、彼も一足飛びに火山の精霊との距離を詰めた。
俺も前進する。
火山の精霊と、目があった。
つづく




