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放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第四章・青年期ハイラル国編

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「私が貴方に組みしたのは他の理由もあります」

「私が貴方に組みしたのは他の理由もあります」


 アイリンの偵察中、ハラドがポツリと言った。


「と言うと?」


「近年どうやら、失踪者が多い……昔は気にしない程度でしたが、今は顕著に目立ってきた」


 一同、眉間にシワを寄せる。


「考えられる原因は?」


 リーシェに問う。


「表向きは落ち着いた統治がなされているようです。失踪する理由がわからない」


 困惑したように言うリーシェ。


「考えられる理由としては……」


 ミリィが口を開く。


「魔術的儀式」


 気温が下がった気がした。


「私もそのような気がしてならないのですよ」


 ハラドが溜息を吐く。


「大臣派は何かを企んでいる。旅の者も何人も迎え入れたと聞きます。このような少人数で良かったので?」


 疑うように問う。


「一定以上の戦力を持った者のみを集めた。ここにいる人材なら生還してくれると信じている」


 俺の言葉に、一同頬を緩める。


「王はどうやらお優しい方のようだ」


 ハラドは苦笑交じりに言う。


「しかし、時には冷酷になるべきなのも王です。過ぎた言葉ですが年寄りの戯言と思って受け流してください」


「うむ。そなたの言葉、心に閉まっておこう」


 アイリンが戻ってきた。

 真っ青だった。


「王墓の方から物凄い魔力を感じます」


「魔力? ミリィ」


 ミリィは頷いて、魔力を一部解放する。

 魔力探知。

 ミリィのその範囲と精度に比肩するものはいない。


 ミリィは目を見開いた。


「これは……」


 ミリィは絶句する。


「なにを見た?」


 嫌な予感を感じつつ言う。

 ミリィは俯いて、低い声で言った。


「火山の、精霊。莫大な魔力だ」


 沈黙がその場に漂った。


「敵は事前に手を打っていたようですね」


 リーシェが苦悩の表情で言う。


「私が以前来た時にはおりませんでした」


 アイリンが戸惑うように言う。


「行くしかあるまい。我々には最早進む道しか残されていないのだ」


 そう言って、俺は歩みを進め始めた。

 一同、無言でそれに続いた。

 各々、覚悟を決めながら。



つづく

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