↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第十二章・父親期ミルド国奪還編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
111/128

「取引としては悪くはないのでは?」

 ミルドにたどり着いて絶句した。

 空が赤い。

 夕焼けなんてものではない。

 真っ赤なのだ。


「……ずっとこうなのか、ミルドの空は」


 アイリンは頷く。


「私が通過した時もこの空でした」


 変わり果てた故郷。

 こんな途方もない天変地異に対処できるのか、と言う思いが湧く。

 色々な意味でミリィが恋しい。


 しかし、俺は旦那だ。

 一人で立たねばなるまい。

 いや、一人ではない。

 ハイラルまで行けば心強い仲間もいる。


「一先ず、リーシェ様達と合流しましょう。斥候してまいります」


 そう言ってアイリンは一足飛びに前方へ向かって行った。

 しばし、待つ。

 背後に、気配があった。


「誰だ?」


 尋ねる。


「なに、幹部ですよ。現状この国を支配する勢力の、ね」


「刺せば良かっただろう。問答無用で」


 今、俺達に医療術士はいない。

 怪我をすれば少々厄介なことになる。


「私は理知的な性質だ」


 意外な言葉だ。

 しかし、異形にも知性があるのだった。


「で、その理知的な御仁が何の用だ?」


「ハイラル国のクラフト王とお見受けする」


「……なぜ、そう思う?」


「武力、ですかね。貴方から発せられる武は他に該当する者がいない」


「買い被ってくれるぜ。俺はただの旅芸人だ」


 フレアはぼんやりとした表情で前を見ている。

 緊迫感のないやつ。


「どうでしょう。不可侵条約を結びませんか。我々はハイラルに侵攻しない。貴方はミルドを見逃す。取引として悪くはないのでは?」


 答えは簡単。

 俺は指輪を外すと、後方に向けて抜刀していた。

 手応えはない。


 消えた?

 次の瞬間側面からの刃。

 瞬間移動能力者か。


 俺は剣を振る。

 また相手は消えた。


「ぐんと武力が上がった。貴方は危険だ。ここで終わらせてもらいましょう」


「その俺の攻撃をひょいひょい避けるお前も脅威だぜ。何者だ、お前?」


 その時、俺は初めてその男の姿を見ていた。

 ベースは普通の人間だ。

 しかし、蜘蛛の手のようなものが背後から生えている。


「魔界七公爵。ヒュリエル」


 そう言って、相手は花を口元に持っていき、匂いを嗅いだ。

 なんだ、調子の狂うやつ。



つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。