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放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第十一章・成人期道中編

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「新しい約束なのですよ」

 リンドと歩き始める。

 目的地は決まった。

 まずは、リンドの妹の様態を見に行く。

 そんなに遠くはないらしい。


「ミリィちゃん、そんな指輪してたっけ」


 リンドが目ざとく左手薬指の指輪に気がつく。

 ミリィは微笑んだ。


「新しい約束なのですよ」



+++


「これが力を制御する指輪だ」


 そう言って、仙人は二個の指輪をミリィとクラフトに渡した。


「これがあれば敵を欺くことも、模倣能力者への対応も可能になるだろう」


「では」


 そう言ってミリィは指に指輪をはめようとする。


「まあまて、ミリィ」


 クラフトはそっぽを向いて言う。


「西方の国にだ。こういう習わしがあるらしい。指輪を交換し、永遠の愛を誓うと」


 フレアはぼんやりとした目で二人を見ている。

 ミリィは、くすりと笑った。


「それでは私が仲人を勤めよう」


 仙人が言う。

 クラフトはミリィを見た。


「これから我らが進むは修羅が道。道半ばで倒れるなよ、ミリィ」


「クラフト様こそ。母国の民に安寧を齎しください」


「では、誓いの言葉を。健やかなる時も病める時も、汝クラフトはミリィを妻とし愛することを誓うか」


「誓います」


「汝ミリィはクラフトを旦那とし愛することを誓うか」


「誓います」


「では、指輪の交換を」


 クラフトが、ミリィの手を取る。


「左手の薬指に嵌めるのが風習らしい」


 そう言って、指輪をミリィの指に通す。

 電流が走ったように、しびれた。


 ミリィは微笑んでクラフトを見上げると、クラフトの指に指輪を嵌める。


「お前となら、永遠も生きれるかも知れない」


「何度目の結婚式ですか、感極まりすぎですよ」


 苦笑交じりに言うミリィだった。

 二人の道は分かたれた。

 しかし、その先に、繋がると信じている。



道中編、完

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