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放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第十一章・成人期道中編

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「何か目的があるのか……?」

 随分と走った。

 その間、国の様子を聞いた。

 ハイラルまで戦火が飛んでいないことは聞いていた。


「国境は臨戦体制ではありますが」


 沈んだ表情でアイリンは言う。


「他の周辺国も無事なのか?」


「どうも、異形達はミルド首都を目指して集結していたようなのです」


「兄上が生きていると言うことは知性があると言うことだ。何か目的があるのか……?」


 戸惑うしかない。


「陛下の知略と策謀でもわかりませぬか」


「まず異形の者が湧いて出たと言うことが大隔絶の後からないのだ、仕方あるまい」


 まるで見当がつかなかった。


「目的は魔法技術か? 土地か? 思い浮かぶことはあるが、交渉はできぬのか」


「できていたら今頃兄君は解放されていましたよ」


「ううん、本当難しくなって来たな」


 そして、ふと、横を走るホムンクルスの少女に聞く。


「そなた、何か、思い当たる節はないか?」


 無視される。


「陛下が話しかけているのですよ」


 アイリンが嗜めるように言う。

 こいつはこいつで俺の盲目な信者だから困る。

 それを、俺は嗜め返した。


「ここはハイラルの外。俺もただの男だ」


「……私に聞いてる?」


 ホムンクルスの少女が首をかしげる。


「ああ、そうだ」


「判りづらいから、フレアと呼んで」


「じゃあフレア、フレアに思い当たる節はあるか? 魔法全盛期から生き残る仙人に作られたのだろう?」


 フレアはしばし黙り込む。

 そして、小さな口を開いた。


「情報に一致する物があった」


「それはなんだ?」


「帰巣本能」


「帰巣本能。鳥とかにある、というあれか」


 その発想はなかった。

 俺は思考を広げ始めた。



つづく

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