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放浪王子と引きこもり姫の追放社不結婚  作者: 熊出
第十一章・成人期道中編

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「嫌でございます」

「それは、ある晩のことでした」


 歩きながらアイリンが言う。


「異空間から次々に異形の者が現れるようになり、あっという間にミルドを征服したのでございます」


「数で来たか」


 それなら兄に土がついたというのも理解できる。


「しかし、兄上なら対応ができたように思うが……そんなに強いのか、異形の者は」


「一騎一騎がヴーンクラス。それも大量に」


「ヴーンの対処は簡単」


 ホムンクルスの少女が呟くように言う。


「蓋を開いたところに魔法を叩き込むだけ」


「ほう」


 護衛にとつけてもらったのだが、戦力になりそうだ。


「しかし、これは急がねばならぬな」


 そう言って俺は立ち止まる。


「そちら、私の背に乗れ。高速で移動する」


「嫌でございます」


 即答だった。


「陛下は好色でございますね……」


 呆れたように言うアイリン。

 どこか引いているように見える。


「いや、俺、オッサンだから! 今更女の子と触れたってときめかないから! 状況、状況、わかるかな!?」


「移動速度なら私も陛下にひけを取りません。速度を上げましょう」


 そう言って、アイリンは再度駆け始める。

 確かに、速い。前より速くなった。

 俺はホムンクルスの少女をひっつかむと、高速移動を始めた。


 異形の者に支配された故郷。

 一体、どんな様相になっているのだろうか。

 不安が沸き立った。


つづく


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