「王には王の責務があります」
作戦会議が必要だった。
アイリンにも同席して欲しいところだったが、ミリィが起きると姿を隠した。
「私は避けられているのでしょうか?」
戸惑うように言うミリィ。
「我々に一番献身的なのはあの子だ。苦手がられる道理がないと思うが」
「うーん……」
顎に手を当てて考え込むミリィ。
「わかりました。陛下は国へお帰りください」
「できるか、そんなこと。部下達がどうにか……」
「なりませんよ」
ミリィは確信を持ったように言う。
「貴方のギフト、策謀が必要だ。兄君が屈したんですよ? どう考えても尋常じゃない事態だ。尤も……」
ミリィは苦笑する。
「肝心の情報を知っているアイリンが隠れているのでは状況も把握し辛いですが。やれはれ、苦手がられたものだ」
「……しかし、そなたには時間が」
「私は、一人で大丈夫」
苦笑顔でミリィは言う。
「陛下は国にお帰りください。王には王の責務があります。私のハイラルを守ってくださいまし」
どっかと座り込んで顎に手を当てる。
そして、考え込む。
ギフト策謀が正しい方向に冴えわたる。
それ以外に手がないのは、自分自身が良くわかっていた。
「一度、道を分かつか」
「ええ。けど私は陛下の主にして従」
ミリィの手が、俺の頭を撫でる。
「いずれ、道は繋がるでしょう」
「……死ぬなよ」
「互いに」
ミリィの手を掴み、抱きしめる。
今はその温もりを、忘れぬように。
???国編 完




