71 祭り当日・朝
AM6:20 やどかり祭案内所テント前
さあ、いよいよやどかり祭当日だ!
祭り当日……?
あれ? ということは昨日、もしかしなくても前夜祭?
……おかしい。酒を飲んでいないのに、前夜祭の記憶が全くないぞ。あるのは仕事仕事仕事、もひとつ飛んでおまけに仕事。
だからオンリロンリ切なくて仕事しかない夜だから。忘れたいね、仕事だけの夜。
ハハ、祭りって何? 食えるんですか?
絶望に咽び泣く俺の前。現実を思い出させる頼もしくも永久のカナシな仲間の姿。
「「おはようございまーす」」
あくびを噛み殺しながらダサメン&アーイ。
「「おう」」
「「おはよー」」
「おはー」
「おはようございます!」
既に勢揃いな総計メンツに迎え入れられる。
そこから脚を外して畳んであるテントを総務局の皆さんと組み立て、机椅子設置。
昨日と同じ定位置に、 オン ユア マークス。セット!
筋肉先輩の仕切りの元、各担当昨日の報連相スタート。それが済んだところで、良いお時間。
「さあ、いよいよ祭り当日! 楽しんでいこう!」
オウイエー! 今日も長い一日になりそうだっぜ!
AM8:30 やどかり祭案内所テント
今日も今日とて机椅子貸し出しな修羅場を乗り越え、燃え尽きたぜ、真っ白にな。
「さて、お前らの午前の仕事だが」
そんな中、例によって例の如く局長である筋肉先輩が口火を切られる。
覚悟完了。よっしゃかかってこいや!
次は机か!? 椅子か!?
「神輿だ」
「「……はい?」」
あまりに予定外・予想外・想定外。
そんなバナナな意外三段活用にダサメンと俺は間抜けに首傾げる。
「だから神輿だぞ」
「神輿ね」
「お神輿だよ」
未だ腑に落ちない俺達に肉だるま先輩、マーサ先輩、お姉ちゃん先輩も神輿神輿神輿と呪文の如く繰り返す。
「いや、でもそんなことしている暇は」
昨日の企画の荒ぶり、大炎上を経験しているからこそはっきりわかる。そんなことをしている余裕はない。
「あーうるさいな。お前達は先輩の言うことを聞いていればいいんだ」
肉だるま先輩はそう言いながら、狼狽する俺の肩を押し出す。
「うむ。まったくもってその通りだ」
「その通りね」
「その通りだよ」
他三人の先輩方もにっこり笑顔で肉だるま先輩を支持。
「でも何か問題が起きれば」
男子校製造・年功序列至上主義ダサメンまでもが流石に口を挟むも、
「俺達に任せておけ」
筋肉先輩は一言で言い切り、親指を立てた。
「それとも、俺達には任せられんか?」
肉だるま先輩は邪悪笑顔で首傾げ、
「一年は余計な心配しないで、一年のやるべきことをすればいいの」
マーサ先輩は不敵に笑い、
「初めてのやどかり祭、楽しんできてね」
お姉ちゃん先輩は優しく俺達を送り出す。
込み上げるものに言葉も出ない。腕を引かれ、俺はようやく我に戻る。
「行くわよ」
立ち上がった七瀬が、言葉少なに俺を先導する。
ああ、そうだ。こんな風に送り出されたら行くしかない。
行って、俺達は、
「絶対に優勝してきます」
気付けば、似合いもしない大口を叩いていた。
先輩達はキョトンと目を丸くし、
「それでこそ俺達の後輩だ」
「期待してるぞ」
「何はともあれ楽しんで」
「頑張って♬」
笑いながら俺達を送り出してくれた。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価をよろしくお願いします!
していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!
ぜひよろしくお願いします!




