51 ブサイクと謝罪
ああ、今日も講義室の外の空は青いな。
口笛はなぜー 遠くまで聞こえるの? お仕事はなぜー 私を待っているの?
おしーえてーおじいーさんー♪ おしーえて偉い人―♬
「二日酔いじゃなくなったと思ったら今度は何事だ?」
「これが世に言うレイプ目」
ソフモヒゴリラとモヤシ。
ああ、こいつらの声をこんなにも愛おしく感じるなんて。どうも俺は今、相当やばい状態にあるようだ。
「ようやくやどかり祭実行委員会の正体を知ったようだな」
そこに現れるは、ニゴニゴとこの上なく濁り切った笑顔を浮かべるブサイク金髪。それは人としてしちゃダメな顔だろ。
「……って、それはどういう意味だ、ブサメン?」
「おい待て、お前こそどういう意味だ?」
ヤベ、つい。だってブサイク金髪の名前知らんし。
しかし、そんなことよりも問題はさっきのこいつの発言だ。
「ああん? 質問を質問で返すなって小学校で習わなかったのか?」
「お前こそ人の容姿の悪口を言ってはいけませんと小学校で習わなかったのか?」
ああ、普段からブサイクだが、こうして凄むとより一層ブサイクだなあ。気をつけろよと注意してやりたい気もするが、今それを言っても火に油だろう。
仕方ない。ここは冷静に、
「なんだ、誰に向けたどういう意味の言葉かちゃんとわかっているじゃないか。お前の疑問は解決されたな。じゃあ、次は俺の疑問の解決といこうじゃないか」
「なに、何事も無かったことにしようとしてんだ、コラ。謝罪と訂正が先だろうが」
チッ。意外にうるさい奴だ。
しかし、言っていることはもっとも。ここは一つ、こちらが大人になっておくとしよう。
「すまなかったな。人の容姿をあげつらっての悪口など、人として恥ずべき行為だ。心から反省し、二度とそのような行いをしないことをここに誓おう」
きっちり頭を下げ、俺は自分に非のある点を真摯に謝罪した。
「おお、なんだ。やればできるじゃないか。人として最低限の礼節は弁えていたようだな」
ダサメンも俺の紳士な対応に実に満足げだ。
「しかし、訂正はできん。俺は事実を捻じ曲げる行為も恥ずべき行為と思っている。すまんな」
「何が事実だ!」
だというのに、ダサメンはこちらの言い分に間違いのない点に噛み付いてくる。まったく平等でない。
「いや、お前がブサイクなことだろ」
ダサメン。
「そうだな。それは紛うことなき事実だ」
ソフモヒゴリラ。
「こればかりはこのバカの言うことが正しい」
モヤシ。
おいコラ、モヤシ。さり気に俺の悪口も言ってないか?
しかし、今はそれはさておき、
「四人の共通認識ということで、統計的にも客観的事実と認められたな。これで謝罪は行い、訂正は事実誤認と認められるため却下。俺の疑問に話を戻そうか」
俺のまとめに、三人ももっともだとコクコク頷いている。
「お前ら全員謝罪しろやあ!」
だというのに、ブサイク金髪は謝罪を求める始末。
まったく困ったもんだ。謝罪なんて求めるものでなく、謝罪する側がしたいと思うからするものだろうに。
「「「すいませんでした。でも、訂正はできん。すまんな」」」
だというのにダサメン、ゴリラ、モヤシは要求されるがままに素直に謝った。
皆、大人だなあ。
「畜生共がぁー!」
それに比べてなんて幼稚なことか。
天に叫ぶブサイク金髪の醜さに、俺はやれやれと肩を竦めた。
陰口はよくないよね。キチンと目の前で言おう。
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