45 担当決定
俺が目を向けた先。
そこには、何よと見返してくる七瀬と、……しゅんと項垂れるゆずちゃんがいた。
な、なんだ。ゆずちゃん、どうして君はいつも言いたいことがあっても自分からは何も言わないんだ…。
「「づ」」
グギュリと、俺は痛いほどに手を握りしめる。
「「づぐえいずだんどうが、いいでず」」
流れる血涙も止めえず、俺達は無条件降伏した。
「おお、そうか!」
「それなら万事解決だな!」
先輩巨漢タッグがハッハッハと嬉し気に笑う。ヂ、ヂグショウ。
「よくできました、男の子」「うん、偉い偉い」
エンジェルは楽しそうに、嬉しそうに笑って、マザーはいつもより一層優しく微笑んで、俺達を褒めてくれた。
……ま、いっか。悔しさは残るけど、それでも、こうしてよかった。そんな風に思えた。
「あ、あの」
横合いから、控えめな声。
「すみません」
振り向けば、ゆずちゃんが申し訳なさげに膝上に乗せた手を握り締めて、俯いていた。
「あー、いや」
困ったな。俺の希望理由なんて不純なものだったわけだし、こんな風に引け目を感じられる謂れなんてない。ゆずちゃんに限っては、俺達や七瀬みたいな不純な理由とは違う動機なんだろうし。
「ゆずちゃん、違うよ」
どうしたもんかと頭を掻く俺とダサメンの代わりに、正面のエンジェルが口を開いた。
「こういう時は、謝罪じゃなくて、お礼の言葉を言わないとね」
ニコリと笑うエンジェルはどこか強かで、エンジェルというより姉御っぽいけど、思わず見惚れてしまった。
「……一応、お礼言っとく。ありがと」
それを受けて真っ先に口を開いたのは七瀬だ。
意外過ぎる言葉に驚きの顔を向ければ、七瀬はどこか気恥ずかしそうに、ふんとそっぽを向いている。
「あ、そのありがとうございましゅ!」
慌ててそれを追いかけたゆずちゃんは、思わず噛んで赤ちゃんみたいな言葉遣いになっていた。
「「「「「「「プッ」」」」」」」
思わず、その場の全員が口元を押さえた。
「あ、ああー、酷いですー!」
目をバッテンにするゆずちゃんに、場が穏やかな笑いに包まれる。なんだこのホームコメディ感。
「ううー」
悲しげに顔を下向けるゆずちゃんの頭を撫でる。
「悪い悪い」
余計に恥ずかしそうに頭を上げたゆずちゃんに、
「あと、どういたしまして」
ホントに譲ってよかったと心から思えて、その小さな頭に手を載せた。。
「なにゆずに触ってんのよ」「ダサメガネ、貴様ァ!」
俺の手を払いのける七瀬に、頭を掴んでくるダサメン。
たまには綺麗に終わらせてくれてもいいんじゃないですかね!?
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価をよろしくお願いします!
していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!
ぜひよろしくお願いします!




