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大学生は頭が悪い ~アットホームなサークルです。笑顔が絶えないバイト先です。懇切丁寧に指導する大学です~  作者: ノーパクリ・ノーオマージュ
1限目  やどかり祭実行委員会 ~ やりがいのある仕事です! 未経験者大歓迎m9(^Д^) ~
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35 擬人化


「そーなると、どういうやどかりにするかだねー」


 珍しく可愛い子ちゃんが切り出して、話題を次に進めた。

 可愛い子ちゃんは可愛い子ちゃん。それで至高。


「リアル志向。可愛くデフォルメ。擬人化キャラ。ぱっと思いつくのはそんなとこかなー」


 可愛い子ちゃんが指折りアイディアを上げる。

 擬人化か。思いつかなかったが、言われてみればそんなのもあるか。最近はなんでも擬人化するしな。ダサメンが隣でやたら真面目な顔で擬人化とか呟いてるがシカトしておこう。


「祭りだし、リアルってのはちょっとイメージ違う気がするな」


 俺則第一条。とりあえず可愛い子ちゃんとの会話には乗るべし。


「あー、そうだよねー。芸術祭とかとは違うしね」


 可愛い子ちゃん イズ スマイリング。

 おお、なんという無邪気な笑み。裏表無さそうなその笑みに俺のハートは激しくジャンピン♪


「擬人化ってのはどうなんだろうな?」


 新入生Hが口元に手をやって疑問を呈する。確かに改めて疑問を呈されると、擬人化ってのもどっちかっていうとオタクイベントなイメージはあるかもしれない。


「やどかり祭はそもそもが寮に入る新入生をヤドカリと模して、やどかり祭と言っているわけだったな」


 するりと人見知りダサメンが珍しく、滑らかに会話に参加してくる。

 まあ、そうだなと新入生Hが応じれば、


「そもそもが新入生をヤドカリと模しているというならば、神輿のヤドカリを擬人化するのは至極正しい結論なのではないか?」


 ズギャーンとダサメンは決め顔で結論付けた。


 い、一理ある。確かにそもそも寮に入る新入生をヤドカリに模しているのだから、神輿のモチーフのヤドカリの元は人であるわけだ。であれば、それを擬人化するのが正当とするのは一理どころか、万理ある。新入生Hも思わず確かにと頷こうというものだ。


 それは間違いない。ないのだが、どうしてこうも腑に落ちないのか?

 いや、わかってるんだ。それはきっと、ダサメンの顔に張り付いているうさん臭い笑顔がこの上なくキモさに満ち満ちているからだと。


「で、その心は?」


 なので真意確認。


「こ、心も何も言ったとおりだ。元々が寮の新入生をやどかりに模しているのだから、その逆を行う擬人化がおかしいはずがない!」


 最初こそ怪しげに噛んだものの、ダサメンは言い切る。

 いや、さっきの顔と今のどもりようを見て他意がないと思えという方が無理というものだろう。


「まあ、一理あるけど、他団体とか過去の作品との兼ね合いもあるんじゃないか?」


 と、俺に加勢してくれたのは、神輿の目標決めの時に挙手をして一時静止をかけたモブなんとか。


 出た! 猿とは別ベクトルで空気ブレイカーのモブなんとかさん! 基本正論だけど、それを場を顧みず言えるメンタルが強いぞ、なんとかさん!


「そうだな。あまりに場違いとか浮く感じなのは避けたいな」


 そこに新入生Aの追撃。ぐ、ぐぬ、だの何だの呻いて反論できないメンタルウィークのダサメンには効果抜群だ。


「んー、でも目立つのって、優勝目指すうえで悪くないんじゃない?」


 そしてそんなダサメンのフォローは、お馴染み元祖空気ブレイカーおバカ猿。軸がぶれな過ぎて逆に安心感がある。

 逆張りの達人。賭けに勝ちたければ、こいつの反対に賭ければいいまである。


「いや、目立ち方によるだろ」


 そんなお猿を優しく窘めるのはやはり新入生A。入学したばかりでまだ付き合いも浅いだろうに、おそらく同じ本部企画局で既に猿の面倒見役感がある。

 心が広いぞ、新入生A。苦労人だぞ、新入生A。


「そこんとこがわからないな。過去の作品でも見れればいいんだけど」


 至極冷静な新入生H。

 確かにこの擬人化問題に限らず参考にする上で過去の作品は見たいところだ。


「そう思って開いたよー。先輩からCD‐Rもらってたから」


 タイミングばっちり可愛い子ちゃん。

 可愛いだけじゃなくて、気まで回るなんて……可愛い子、恐ろしい子!


「ナイス、夏海ちゃん」


 可愛い子ちゃんは夏海という名前らしい。覚えたぞ。

 しかし、やどかり祭実行委員会で会ったばかりだろうに下の名前呼びだと? 新入生A、許すまじ。



 さてありながらも、皆が夏海ちゃんが持ち込んでたらしいノートパソコンの周囲に集まり、画面を覗き込む。


 そこには色とりどり、種々様々な神輿の数々が順番に映し出される。やどかり祭実行委員会以外は別にやどかりをモチーフにしているわけじゃないらしく、竜虎や子丑寅卯辰巳馬羊猿鳥戌亥なそれぞれの年の干支、果てはどっかのジ〇リ映画で見覚えのある犬神様やらの様々な動物が形作られていた。しかし、変わり種でクジラとかはあったが、基本は動物が多いんだな。


 へー、すっごーい、マジか、やばそー、見る側も種々様々な反応をしながらも、やがて落ち着く。


「まあ、そういうことだ」


 ポン、と俺はダサメンの肩に手を置く。


「どういうことだ!?」


 醜く叫ぶダサメン。

 まったく、言わなければわからないというのか?


「擬人化はない」


 端的に指摘してやれば、なぜだー! と天を仰ぎダサメンは地に膝をつく。


「まあ、確かに目立ちはしそうだけどな」


 猿以外にも優しくオブラートな新入生Aは皆まで語らず髪を掻く。


「完璧に悪目立ちの方よね」


 だというのに、特攻隊長七瀬が止めを刺す。

 あ、ダサメンが死んだ。うるさいからそのまま成仏しろよ。


「自分で言っておいてなんだけど、人型ってどう考えてもバランス悪いしねー。神輿って性質上、重心は低くないと」


 エグザクトリィ、可愛い子、夏海ちゃん。

 まあ、寝かせるとか方法もあるだろうけど、言っても仕方ないので、さっさと話を進めるとしよう。




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