14 サバトのち白魔術
「お疲れさまー」
オーマイマザー。
言いがかり地方ルールに混乱する俺の元へ、救いの聖母が降臨してくださる。
「喧嘩はダメだよー。どうしたの?」
ダサメンの胸倉を掴んでいる俺を見て、聖母は困ったような苦笑を浮かべる。
俺は慌てて手を放し、弁解しようとするが、
「細谷が粗相したのに酒を飲もうとしないんだ」
それよりも早く、筋肉先輩が当たり前のように言った。
「そうなんだ」
聖母は困ったように苦笑する。おお、マイマザーにこんな顔をさせてしまうとは。
「でも、ダメだよ。新入生に無理に飲ませちゃ」
おお! やはり聖母は聖母であった……。
ようやく噴出した常識的な意見。輝き見える後光に、思わず両の瞳から温かいものが流れ落ちる。
「むう」「仕方あるまい」
先輩方も聖母の言葉に矛を収める。
これですべて解決だ。我が聖母よ、マジ・マイマザー☆彡
「女に庇われるとは情けない奴め」
「アアン!?」
しかし一人、ダサメンだけがしつこく食い下がってきた。
「誰に呼ばれたわけでもなく勝手に自分の背丈の合わない場に来て、女に庇われ、挙句どの面下げて居座るつもりなんだお前は?」
心底の憐憫の瞳に俺は言葉を失う。
「まあ、お前がそれでいいならいいがな。俺は」
興味を失ったように、蔑んだままダサメンは俺から視線を外した。
――この屈辱、晴らさでおくべきかっ!
「上等だ! 飲めばいいんだろ、飲めば!」
「おお、わかってくれたか!」「素晴らしい一年が入ってきたな!」
俺が吠えると、静まっていた巨漢先輩タッグがやんややんやと手の酒を二人一緒に俺のコップに注いでくる。
「え? え?」
聖母は困惑のままにあわあわしている。可愛い。
「ちょ、ちょっと」
止めようとか、聖母が巨漢先輩タッグに声掛けするも、
「それじゃあ俺達は飲みやすいようにコールしてやるとしよう! なあ、穂乃果!」
「そうだな! それがいい!」
「え、あ、うん」
筋肉タッグの勢いに飲み込まれる。
クッ……いいんだマイマザー。
もう二度と……もう二度と! あなたに!! あんな顔をさせはしない!!!
「それじゃあ、俺達の声掛けに合わせて乾杯するんだぞ」
決意の俺に、筋肉先輩はあっさりにこやかに説明してくる。
「じゃあ行くぞ。エス オー エスオー」
奇妙な掛け声とともに、筋肉タッグは熱い胸板の前でデカい両手でSとOを交互に形作る。
おお、なんだこのサバトは。これから黒魔術でも発動するというのか。
「「「SOSO粗相」」」
そこに女神の御声が加わるとなんと清らかな聖歌か。
しかも、その御声をも上回る衝撃。
豊かな聖母の象徴の前、両手でSOSOを繰り返し作る姿のなんと偉大なことか。発動するのは白魔術だったか。
「「「「SOSO粗相♪ SOSO粗相♬」」」」
豊かな実りへの感激とともに、俺は盃のお神酒を飲み干す。
オーマイマザー! その笑顔よ、永遠なれ!!
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