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(仮)ゲーム制作日記  作者: 少々
④ 勇者はせいけんをてにいれた!
22/24

ゲーム遭遇日記 その2

サブタイトルを変更しました。×2 (10/15)

内容自体はまったく変わっておりません。

いきなりの変更すみませんでした。

『MHP:140 MSP:9 MPP:11 MOP:10 MEP: 425

ステータス 体力297 スタミナ 607 素早さ2 防御力22 攻撃力20 です』


さて、不本意ながら武器を手に入れたのだが、どう攻撃したらいいのかさっぱりわからない。

と、いうわけで、今回は不快覚悟で操り人形マリオネット攻撃を試してみようと思う。

これが攻撃方法の見本になれば後は自分で創意工夫ができるだろう。

もしかしたら隠された能力があって、独りよがりな方法で攻撃していたら気づけなかったなんてこともあるかもしれないじゃないか。

そうだよ、これはただの角材なんかじゃない、”幻影ファンタジーの角材ウッドバー”なんだ!


そういえば、この方法で攻撃するの久しぶりだな。

始めはずっとログ任せだったのに、それがずいぶん昔のように思える。

深呼吸をして覚悟を決め、身構えた。


『どのくらいの力をこめますか?:』

という表示の後ろに90という数字を思い浮かべる。


途端、何かに引きずられるように自分の体がモンスターへと駆けていく。

今回は人型ではなく大きめのスライムのようななにかだ。

まるっきり操られているのは不快なので、せめてもと走る動きだけは自分でも意識するようにして不快感を軽減させる。

とは言ってもほんの数歩だけなんだけどな。

さて、いよいよ攻撃だ。

ここからは完全操り人形マリオネットだ。

えっと、まずは腰を低くし、角材を持った右手を腰に据えて左手の平をモンスターに向ける。

そして、手を開いたまま親指の付け根あたりで思いっきり突く!


って、武器使わないのかよ!


『勇者の攻撃

モンスターに 1679 のダメージ

勇者は勝利した。』


モンスターが打突部位からゆがみ、霧散していく。

完全に消えた頃を見計らい、腰を上げて構えを解いた。

これじゃまったく武器の使い方がわからないじゃないか。


その後も三回ほど操り人形マリオネット攻撃……なんかネーミング的にビミョーなので、無難にマニュアル攻撃と呼び方を変えるが、そのマニュアル攻撃では角材の秘められし力は発現しなかった。

それどころか、この角材、攻撃の邪魔になっている節さえある。

一度、角材を持っている右手でモンスターに殴り掛かったことがあった。

モンスターの腹に向かって拳を作り、ストレートパンチ。

つまり、モンスターの腹と硬い角材の間に俺の指があるというわけで。

戦闘終了後にステータスを確認してまったくHPが減っていなかったのが不思議なくらいだった。


そして、これでわかったことは、いくら激痛に襲われたとしても、モンスターの攻撃によって与えられたダメージでのみでしかHPは減らないらしいということ。

ログで処理できないダメージなんだから当たり前のことかもしれないが。


仮に今、俺が高層ビルの屋上から飛び降りてもHPは変わらないということになるかもしれない。

まぁ、その場合、最悪地面に体をしたたかに打ち付け、その衝撃と激痛に苛まれながらも気絶することができない生き地獄を味わうだろう。

そんな恐ろしいことをしたいとは思わないし、する可能性はほぼないだろうとは思う。


この世界が球体であるとは限らないから地平線というのはふさわしくないかもしれないが、周りを見渡すと視力の及ぶ範囲すべてが白、白、白だ。

今まで斜面に出くわさず、ずっと平地を歩いてきたし、おそらくこれからもおそらくそうだろう。

というか、俺の設定したステージ名に傾斜があるフィールドを設定した覚えはまったくないしな。


『名もなき原っぱ』『湿った沼地』『乾いた大地』『古びた町中』『怪獣の胃袋』

この五つとチュートリアル的な意味合いを込めた『始まりの地』という六つが俺の設定したステージの名前だ。

沼地なんだから湿っているのは当たり前だとか、なんでいきなり怪獣の胃袋なんだそこはモンスターだろ、という俺の頭の悪さが際立つネーミングセンスだが、それはいい。


今、列挙していて気がついたんだが、『怪獣の胃袋』に行くはめになった場合、胃酸に溶かされながら行軍するというリアル生き地獄体験をするはめになるよな?

胃酸のpHは1.0〜1.5くらいと聞いたことがある。

そんな酸の中で焼かれながら歩くとは考えただけでも恐ろしいが、考えたところで対策があるわけでもない。

せいぜい怪獣の口に入らないことを祈るだけだ。


っと、どこからこんな思考回路になったんだか。

そうそう、角材と秘められた力についての考察からだな。

マニュアル攻撃で成果が得られない上に不快だということで今は通常攻撃に戻したんだよな。

さっき角材でぶん殴ってみたが、威力的には上がった気がそんなにしない。

それも不可解な気がするが、ログの数字の上でも確かめてみるか。

視界左に常に表示されているログ(活動記録)を指でスクロールし、マニュアル攻撃と通常攻撃(自らの意思のみでの攻撃)でたまたま消費スタミナが90の戦闘があったので、数字の上でも比べてみる。


まずは、マニュアル攻撃一回目、角材を持っての初めての攻撃のログ。


『MHP:140 MSP:9 MPP:11 MOP:10 MEP: 425

ステータス 体力297 スタミナ 607 素早さ2 防御力22 攻撃力20 です

勇者の攻撃

モンスターに 1679 のダメージ

勇者は勝利した。』



それから、さっきの通常攻撃のログ


『MHP:140 MSP:8 MPP:6 MOP:6 MEP: 475

ステータス 体力297 スタミナ 317 素早さ2 防御力22 攻撃力20 です

勇者の攻撃

モンスターに 1740 のダメージ

勇者は勝利した。』


……やはり威力はそんなに変わらないみたいだな。

だいたい60のダメージの差は防御力(MPP)の差もあるだろうし。


では、この角材を使うのか、使わないのか。


俺なら使う方を選ぶ。


俺は運動音痴でチキンハートオタクなびびりへたれだ。

さっき角材で殴った時、モンスターの皮膚を直接打ち付ける感触がないことにどこかほっとした自分がいたことに気づいた。

現実世界では人どころか動物すら殴った記憶がない。

そんな俺がここまでやって来れたのは、ゲーム世界補正がかかっているのか、敵の姿がはっきりとしていないからかで、おそらく後者の理由が大きいだろう。

だが、この変わりゆく世界の中で自分に有利な状況がいつまでも続く訳が無い。


自分でいうのもなんだが、ここまでよくやってこられたとも思う。


だからこそ、直接殴らなくてすむこの武器は、俺にとってとても心強いものとなる……かもしれない。



読んでくださりありがとうございます。

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