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(仮)ゲーム制作日記  作者: 少々
④ 勇者はせいけんをてにいれた!
21/24

ゲーム遭遇日記 その1

ちょくちょく誤字脱字や文章の間隔の訂正をしておりますが、内容の変更はありません。

大きな変更をする時には活動報告で報告させていただきたいと思います。


あら、も ジジッ。 バ ジジジッ わ。


全くも ジッ、面倒ねぇ。ジジッ


でも、早く修復しな ジッ、せっかくの計 ジジッ が台無しになっちゃう。


ジジジッ う様も私一人なんかにこ ジジッ 大変なものを押し ジッ けて。


ちゃん ジジジッ が出来上がったら、休暇を ジジッ わなきゃ。


えっと、ここをこ ジッ して……。


ジジッ あ、つい ジジジジジジジッ……。



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



耳元で何かが聞こえた気がした。


ゆっくりと目を開けると、細く白い葉がこれまた白い空に向かってまっすぐに伸びている。

何となく気になったため、じっくりと見てみると、ここの植物にも微妙に濃淡がある。

土が最も不透明な感じで、葉の先端にいくにつれ淡く透明に近づいていく感じと言えばいいか。

こういうとき、語彙が足りないというのはもどかしいな。

本は読んでいた方だとは思うが、まったく自分の身に付いていない。

ここ最近はずっとマンガやラノベ、ウェブ小説ばかり読んでいて、同じような話にちょっと飽きていた。

表紙や挿絵がきれいな本もいいが、芥川竜之介の皮肉が入ったコメディーも読み直したい。

……おかしなもんだよな。

いつでも読める時には読まないのに、手の届かない場所にあるときには読みたくなるなんて。

もっと夏目漱石とか、森鴎外だとかの文学と呼ばれる本も読んでおくべきだった。


いや、元の世界に帰ったらいろんな本を読もう。

それでいいじゃないか。


なにとはなしに左手を頭の方へ持っていったら、妖精さんリオが左耳の辺りから飛び立った。

どうやらさっきのは妖精さんの羽音だったらしい。


腹筋を使って上半身を起き上げると、そこは一面の白い原っぱだった。

風も吹いていないはずなのに、なぜか葉っぱが波打っているのは不思議補正か、それとも、俺が感じないくらいの弱い風なのか。



よっこいせと立ち上がろうとしたら、ふと、右手に違和感を感じた。

手元を見てみると、そこの辺りだけ不自然に盛り上がったようになっている。


長さ40cm〜50cmほどだろうか、カクカクともりあがったそれは土とは言えない触感と硬さで、太さは手でつかんで指が少し足りないくらい。


持ち上げてみると思っていたよりかは軽いが、適度の重さはある。


若干ザラザラしていて、油断してたらささくれだったそいつで怪我をしそうで、殴りつけるにはリーチが足りなそうな、若干強度が気になるそいつはまさしく、



角材



であった。


………………はぁぁ〜〜?!



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



武器は欲しいとは確かに思っていた。

でも、欲しかったのは刀やロングソードなどの剣や、ハンマー、槍などの攻撃力が高く、なおかつかっこいい武器だ。

銃とかの遠距離攻撃武器もロマンがあっていい。

必要なのは、強さ、見た目、ロマンだ。


なのに、

「どうして、角材なんだよ!」


どう考えたっておかしいだろ!

せめてちょっと削って小型ナイフくらいのにしてくれよ!

それがどうしてこう、素材まんまなんだ!

カクカクしていて持ちにくいったらありゃしない。



……落ち着け、落ち着け、俺。

若干妖精さんリオが距離を置いているじゃないか。

冷静になれ、深呼吸するんだ。


すぅー、はぁー。


うん、よし。

そもそも、どうしてここにこんなものがあるかについては考えたって無駄だろう。

もちろん、こんなものをイベントに入れた覚えはさらさらない。

……はい、考えてはいましたが。


当初の予定は、宝箱の中のアイテムのひとつとして装備品を入れようと思ったんだ。

武器レベルを設定して、武器を手に入れた順に装備が強い武器に変更していく仕様にしようと企んでいた。

やはり、実装する前にこのザマだが。


とりあえず、これは持っていくと邪魔になりそうだな。

暴力沙汰に慣れていない俺がこんな役に立ちそうも無い余計なものを持っていったら、ますますスタミナを無駄にしそうだ。

せっかく……でもないが、これはここに放置していこう。


俺はこの角材を置いてそのまま放浪の旅を続けようとした。

が、それは叶わなかった。


地面において手を離そうとするが、いっこうに手が開かない。

放り投げてしまおうともしたが、接着剤でもついたかのように手が離せない。

だが、右手から左手に持ち替えることは可能で、持ち替えた後捨てようとしたが、できない。

持ち手の位置は変えられるが、手から抜き出すことはできない。

足で角材を踏みつけて上半身を持ち上げる形で離そうとするも腰が痛くなり、妖精さんリオに慰められた。


手放せない、はがれない、捨てられない。


脳内にちらつく有名なあのフレーズが笑えなくなってきた。



〜勇者はのろわれてしまった!〜



なんでこんなとこだけRPG風なんだよ!


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


改めて全身を確認してみる。

自分の腕を見てみると、少し濃くなったというか、はっきりとしてきた。

今までが墨汁を薄めたようなものだとすると、今はHBの黒鉛筆だ。

ふと、服のようなものを身にまとっていることに気がついた。

これもぼんやりとしていて、上下の区切りがないつなぎのようなものになっている。

俺も服もモノトーンで形成されている。

……待てよ?

つまりはだ、今までの俺は無意識マッパだったってことか?!

いやいやいや、輪郭ぼやけていたからノーカンだよな。

服までぼやけていたんだ、うん。

よし、もうこの件については考えないぞ。

そして、右手には(呪われた)角材。



……どんどんRPGからほど遠い装備になっていく。

これ、ほんとに俺の作ったプログラムの中なんだろうか。

だんだん心配になってきた。



そんなことを考えながら草をかき分け進んでいくと、白に埋もれながらもはっきり目立つ紅葉が現れる。

ぴんっと背筋を伸ばした、キリっという効果音が似合いそうな薬草だ。


『勇者は名もなき原っぱを1100M移動した。

薬草をひろった。』


はぁ。

いくら変なことになったとしても、ここは平常運転だな。


読んでくださりありがとうございます。

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