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(仮)ゲーム制作日記  作者: 少々
③ 魔法?なにそれおいしいの?
18/24

SS

昨日一話更新しています。


今回は視点が異なるかなり短いサイドストーリーになります。

読み飛ばし可。


SS 〜とある砂のなかで。〜

質量のある闇というのはこの場のようなことを言うのであろうか。

限られた中で知り得た言葉が、そのような疑問を生み出した。


のっぺりとした闇。

そして、この空間における唯一の白く光る、パネルのようなもの。

そこにはこの計画の要となるデータが映し出されていた。

その文字達は、絶えず舞い飛ぶ黒い粒子に飲み込まれており、ぼんやりとしか見ることができぬ。

なんとかおおまかな数字が読み取れる程度であろうか。

さきほどまではこのデータすら見れなかったことを考えると、計画の進行を喜ぶべきだろう。

計画はゆっくりと、着実に進行している。

それは確かなことだろう。


だが……まだ足りぬ。

示す数値はまだ小さく、目標の値には遠く及ばぬ。

そもそもパネルの数字が読み取りづらいこと自体が、この計画の未完を如実に示しているだろう。

無論、焦る必要などはどこにもないことはわかっている。

しかしながら終点の見えぬ数字に焦りが出てしまうのは、我が未だ未熟ということなのだろう。


もう一度、はじめから今までまでの数値の推移を見てみる。

データの傾向を見ると、やはり我が自ら断つことが一番事が進行するようだ。

できることなら兄弟達などに託さず、我自らその身を断ちたい。

だが、それは不可能だ。

我にも越えられぬ理がある。

それは絶対の理であり、我の力をもってしても変える事のできぬ理。

幾度試みたかはわからぬが、結果はまったく変わらなかった。

それに、この計画において我の代わりをできる者はおらぬ。

ここで我が倒されてしまったら、計画の全てが霧散してしまうであろう。

いくら無茶が効いたとしても、倒されてしまっては元も子もない。

そのようなことは我には許されぬのだ。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……」

遥か遠くから聞こえてくる慟哭。

彼にも酷なことをしているとは思っている。

だが、それだけだ。

ここで罪悪感をもったとしても何も変わらない。

彼に与える苦痛を減らすことなどできないし、するつもりもない。

苦痛を与える我が彼の為にできることなどなにひとつない。

罪悪感を持ちつつなんの罪もない彼に鞭打つなど、なんと烏滸がましいことか。

ならば、我は己の行いを肯定する。

いくら非道な行いであったとしても、これは我が始めたこと、我のすべきことなのだ。


また一人、砂のなかから兄弟が誕生した。

しばらくその場でうごめいたかと思うと、闇の中へと消えていく。

生まれたばかりの兄弟達を死地に向かわせるのは心苦しいが、彼らの犠牲はこの世界の礎となるだろう。

この世界のため、全ての罪は我が背負おう。

我ら兄弟のため、我らの平和のため。

兄弟たちよ、死地に向かえ。

その身を我に、世界に捧げよ。

全ては我らの、兄弟達の未来のために。


読んでくださりありがとうございます。


次回は主人公視点に戻ります。

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