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(仮)ゲーム制作日記  作者: 少々
③ 魔法?なにそれおいしいの?
14/24

ゲーム探索日記 その5

『モンスターが現れた!

MHP:120 MSP:7 MPP:12 MOP:15 MEP: 225

ステータス 体力269 スタミナ 157 素早さ2 防御力19 攻撃力17 です』


先手必勝。

目視で確認後、すぐさまゆがみに駆け寄って殴ろうとするが、ゆがみから触手のようなものが出てきて攻撃してきた。

振り下ろされた触手をとっさに腕を顔の前で交差して防ぐ。


『モンスターの攻撃。

しかし、勇者は攻撃を防ぎきった。』


ゆがみとの距離は5mくらい。

あとちょっとなのに近づこうとすると触手に牽制される。

全くダメージは受けていないが、迫りくる触手は案外恐く、反射的に防御をしてしまう。

大丈夫だ。

別に触手なんてどうってことない。

拒絶する本能を理性で押さえつけ、ゆがみに向かって特攻する。

一歩、二歩、三歩と足を大きく踏み出して近づいていく。

四歩目を踏み込んだとき、右の方から聞こえたヒュッと風を切る音。

脇を狙う触手をとっさに腕でガードする。


『モンスターの攻撃。

しかし、勇者は攻撃を防ぎきった。』



衝撃を逃がしながら元の距離まで押し返されたところでどっと体が重くなる。

クソッ、スタミナ切れか。

膝を着き、ゆがみを睨みつけると、触手で頭を思いっきり殴られる。


『勇者に 120 のダメージ』


何度も何度も振り下ろされる触手。

あ、こいつ、俺を持ち上げるほどの力はないんだな。

いまさらそんなことがわかってもどうしようもないのだけど。


『勇者に 120 のダメージ』


最後にこめかみを強打され、俺は意識を手放した。


『モンスターの攻撃

勇者に 120 のダメージ

勇者は力つきた。

勇者は敗北した。』



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




Q :ファンタジーに必要な要素とはなんですか?



A :(解答例) 

その1 それはハーレムです。

その2 それは美少女です。

その3 それは魔法です。



残念ながら、それらはすべてはファンタジーであった。

ハーレムどころか人っ子一人いない。

いい加減人恋しいんだけど。

妖精さんはもはや蛍の一種のような感じ。

(からかって反応を見るのは楽しいが)

殺風景の中でとぼとぼと歩き続けるのは寂しすぎる。

早く村人Aと遭遇したい。

そして、魔法はそもそもMP(マジックポイント)という要素がないから使えないだろうとは思う。

でも、ファンタジーの王道といったら魔法だしなぁ。

攻撃方法が物理のみっていうのもつまらない。

……道中暇だし、ちょっと魔法の鍛錬でもしてみようか。


地面に大の字になりながらそんなことを考えてみる。

地面は硬く、そして冷たい。

気がつくと、妖精さんが俺の上を旋回していた。


よいしょっと立ち上がってケツのほこりを手で払う。

ちょっと移動しながら魔法について考えていこう。

最近のライトノベルの傾向をみると、いわゆる魔法には大まかに3種類に分けられると思う。

まずは、イメージ先行型。

イメージありきの魔法で、詠唱、無詠唱を問わない。

元の世界の知識を使うことにより明確なイメージが作れて最強という異世界チートの定番ですな。

次は契約魔法型。

魔法陣や呪文を唱えることにより、自然にある力だったり精霊と呼ばれるものだったりの力を借りる方法。

召喚魔法やティム、現代陰陽師系ファンタジーの祝詞などもこれにあたるだろう。

THE 中二病の呪文が恥じらいなく行き交う方法でもあるな。

最後は超能力やスキルなどの世界観システム型。

全て"そういう世界だから"で説明される方法。

最近のゲームトリップ型小説に多い。

システマチックでわかりやすいけど、制約も多い、というかその制約をどう利用していくかが焦点となるんだろうな。

他にもいろいろあるだろうが、俺にはこのくらいしか思い浮かばない。


さて、ここはどのパターンだろうか。

とりあえず、確実に魔法は存在する。

魔王が『運命デリュージ の審判オブライマ』を使っていたから間違いない。

ゲームトリップだからシステム型も考えられるが、そもそも俺はスキル制などを導入していない。

するつもりではあったが。

全てはこれからだったから、攻撃としか定義していない。

だから、必ずしも物理オンリーとは限らないではないか!

現実ではあり得ないモンスター、幻想的で美しいフィールド、飛び交う魔法。

少しくらい夢見たっていいじゃないか。

せっかくの異世界トリップなんだ。

殺風景のなかただ歩くだけなんて退屈すぎる。


とにかく、スキル制は導入していない、かつ魔王が俺のイメージした『運命デリュージ の審判オブライマ』を使ったことから、多分イメージ先行型だろう。

まずはイメージのみの無詠唱にチャレンジだ。

イメージする魔法は、派手でイメージしやすいファイアーボール。

ぼんやりとしている自分の手を前に出し、手の平の上に小さな火の玉を思い浮かべる。

赤々と燃える火の玉。

自分の中から熱を帯びた魔力を取り出し、手のひらに集めるイメージだ。

手の平より小さなそれは内側から輝き、表面ではごうごうと渦を巻いている。

表面に波打つ火は、ちろちろと外に漏れ出ていて、まるで太陽のプロミネンスのようだ。

高エネルギーの塊は手の上でじんわりと熱を発していて、ピリピリとした刺激が指先を温め、じんわりとしてくる。


いつまでそうしていただろうか。

鼻がムズムズするのに気をとられて集中が切れた。

何かと思ったら妖精さん(リオ)が俺の鼻の頭に止まって鼻の穴を覗いていた。

どうやら俺が集中しすぎたせいで無反応だったから、退屈で仕方がなかったようだ。

俺が気がついていることに気づいていないらしい。

興味深そうにじーっと覗き込んでいる。

……そんなに面白いかなぁ?

ムズムズして我慢できなくなった俺は、手で鼻のあたりを払い、なんの変化もなかった手を見下ろす。

なにをしているんだか。

自分でわざとらしくついたため息が思ったよりも空しく感じられた。


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