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インフィコード〜無敗のプロゲーマー休止したので超絶難易度ゲーを制覇する〜  作者: あいうえオカキ
不損の平和を目指して

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58/60

平和の王は世界に仇なす

「武器もレベルも十分!今日中に全部片付けてやるよ!」

「スキル──クイックステップ!」


回避力に補正をかけるスキルを使い強引に懐まで侵入する。

ダンジョンコボルトの前ももに斬撃を加え流れる動作で自身の体を手で地面から押し出し、ダンジョンコボルトの顎を蹴り上げた。


「なかなかのスキルだが、元々回避率無限の俺にとっちゃ気休めでしかねーな」


顎を蹴り上げられたダンジョンコボルトだが多少のスタンの後ガンマの身体を横薙ぎに両断する勢いで斧を振るった。

ガンマは隙だらけの体制のなかそれを盾で完璧に流しきった。流したことによって無防備になったダンジョンコボルトの右脇腹にメイスを裏拳の要領で攻撃した。

こういった攻撃でも武器の性能のおかげでかなりの威力が出ている。ガンマの横薙ぎの攻撃は自身よりも大きい身体を弾き飛ばした。

一方的な試合展開ではあるがここで状況が動いた。


「チッ、効果切れか」


ジュマンジュの効果が切れヘイトが分散されていたものがガンマに集まり始めた。


「だけどまぁ、()()()()()()


言うなればザコボルトは壊滅状態、九割程度のコボルトが消滅し残るは残党のみとなった。


「この先にも大物が控えてんだろ?だったら尚更時間はかけらんねーな!」


コボルトはアバターコントロールのみで回避しあくまでも狙いはダンジョンコボルト、こいつが居なくなった戦場に負け筋は万に一つもなくなる。


「試したいスキルも使わせてもらうぜ?!最高の相性ってのを見せてやるよ!」


振りかかる斧を最小限の動きで避けダンジョンコボルトの懐にもう一度踏み込んだ。

ダンジョンコボルトも同じ轍を踏むまいと盾による攻撃【シールドバッシュ】でガンマへの攻撃の手を緩めない、が。


「完璧なタイミングで使えば手も足も出ないよな!全て見切れる前提の動きだけどな!」


さっきまで居たはずのガンマはそこにはおらず、ダンジョンコボルトの後方高めの位置まで()()?していた。


「スキル――影者(えいじゃ)瞬脚(しゅんきゃく)!多少の障害物であれば問題なく貫通しできる!更に、スキル――デュアルストライク!」


──デュアルストライク

攻撃した方向と逆側に同様の攻撃を加えるスキル。

右から攻撃すれば左からも同じ攻撃が繰り出される、がその攻撃力は元の0.3倍。


「悪かったなダンジョンコボルト、試験運用は大成功だ」


ダンジョンコボルトは粒子状に消え地面には牙と皮がドロップしていた。


「さてと······」


自分達のリーダーがやられて慌てふためいているコボルトの処理なんぞ手間取るはずもなく数打加えるだけで全員粒子状になった。


影者(えいじゃ)瞬脚(しゅんきゃく)もデュアルストライクも実戦投決定だな、メイスのスタントの相性が最高にマッチしている。右の攻撃が防がれても左のメイスが当たればスタン値を稼げる、CTは当然長いけどそれでも運用方法によっちゃ確定ヒットも夢じゃない」


ガンマは自身のスキル一覧とステータスを眺めながらそんな事を考える。


「このゲームってスキル熟練度をあげなきゃスキルが強くならないんだけど······クイックステップを強化したいんだけど使う機会が無いのどうにかしなきゃな·······」


実際埃を被っているスキルはまだまだ存在している。使えば強くなる、進化するスキルだってある。可能性は無限大でもしかすればこの中に※OPスキルがあるかもしれない。どこかしらで全スキルを強化する必要も出てくるだろう。

OPオーバーパワー


「さてと、行くか」


赤黒い石で作られた巨大な扉、目の前に立つとより大きさが際立つ。


創世生物(アーティア)が出てきてくれたっていいんだよ〜?」


足腰を駆使し両手で扉を押し開ける。


ゴリゴリと石が擦れる音が洞窟に響き渡る。


「おっっっっも!!!」


ゴリゴリというか···ジリジリ?ほんの少しづつ扉開かれる扉。明らかにパーティー専用って感じの重さをしているが····生憎あいつらは各々の趣味に現在没頭中、()()()()()()()()()()一人で対処しなければならない。その覚悟と未知への興味を抱いた扉の先には····


「······っ、ノーダメ勝利は現実的じゃ無さそうだな」


玉座に腰掛ける巨大コボルト、


─────戦狂の斧(コボルトキング)


周囲には配下と見受けられるコボルトが無数に待機していた。しかもさっき倒したやつと同等レベルのコボルトも追加で3匹、側近として待機していた。


「仰々しいお出迎えだな、そんなに俺が強そうに見えたか?」


こちらを見下ろす様な視線を向けてくる戦狂の斧(コボルトキング)。右手を前に出し兵士(コボルト)達に指示をする。


『そいつを殺せ』


そう指示を出したのだろう、コボルト達は目の色を変えてガンマに襲いかかった。


「とっととお前も引きずり下ろしてやるよ、誰の前で王を名乗ってんだ」


ガンマのボルテージが段階的に上昇を始めた。

────────────────


「お、おい、おいってば!」


「んだよ、さっきっから····なんかあったのか?」


「あ、あれ!あれみろよ!!!」


「あ〜?あれって?なんだ···よ、」


南の大陸近海、そこはクロスコードから4エリア先に位置する小規模な海辺エリア。


「ど、動画!動画撮らなきゃ!」


「あぁ、なんだよあれ·····」


()


島と称された()()には前足と後ろ足が生えている。一目見ればわかる、あれは島なんかじゃない。あの鰭の四肢は、


「巨大な····亀?」


観測期8月31日───小さな海辺町【モノリス】にて巨大な空を飛ぶ亀を小規模クランnayutaが観測。名を


「天庭樹 メガイストス........?」


創世生物(アーティア) 天庭樹 メガイストスとの遭遇を告げた。


SNSは大騒ぎ、瞬く間に拡散されるセレスティアルモードプレイヤー達は創世生物(アーティア)を一目見ようとモノリスに集まった。


「うわ!すっげ!ほんとにいんじゃねーか!デケ〜!」


「あの高さとなると近接職じゃどうしようもねーな」


「なあ!ちょっかいかけてみようぜ!」


「はぁ〜?お前正気か?俺達皆殺しにされたらどうすんだよ」


「これだけの人数がいんだぜ?一斉砲火で撃ち落とせるだろ!それに、ここには防御力極振りのトップタンクのウェルダンもいるんだぜ?何があっても守ってくれんだろ!集まってる奴ら!どうだ?!俺達と一緒にあいつを倒してみねーか!?」


こいつはこの時のプレイ映像を配信に載せていた。それは重要な情報となり、己の愚かさと創世生物(アーティア)の力を世間に知らしめることになった。


「おう!俺は乗るぜ?!俺も名を馳せてやるよ!」


「私も、トップクランに取られる前に!」


そんな馬鹿の妄言を取り入れたプレイヤー達


「待て、それはあまり得策とは思えないな」


「あぁ?なんだよトップクラン様よ、あんたは既に一体倒してんだろ?黙って仮を見てろよ」


この場に居合わせていたトップクランの団長シグマ·レイブンの尤もな言葉は妄言として捉えられたようだ。


「そうか、では我々は離れたところから観察するとしよう」


もし仮にメメント·モリのような超広範囲即死技が来てしまえば回避もクソもない。地形ごと消し飛ばされてただ死んだという事実しか残らない。結果として配信上に乗っていたが、シグマは自身の情報欲求を満たすために録画を開始した。


「詠唱を始めろ!バッファーは魔法使い(メイジ)にバフをかけてくれ!」


「団長〜どうなると思います?」


シグマの隣に居たベータが問いかけた。


「メガイストスが敵対か友好か、または中立か、それらを知るにはいい機会だ。愚か者共の死を有効に使うのも情報収集において大切な事だと私は思うさ」


「こっちまで攻撃が飛んできたらどうしますか?我としてはデスペナを受けたくないところだが、」


もう1人、トゥーシューガァンも来ていた。三人しかいない職業(ジョブ)先駆者のプレイヤーだ。こういうことも仕事のうちだ。


知恵の探求者(ファストディメント)は使うな。こちらのリソースを使う必要はない。場合によっては結晶で家までTPする」


「了解」


「は〜い」


一般の弓使いの射程外程度まで離れ、録画·安全の確認を済ませ、戦況を見守る。


メガイストスが月明かりを遮り影の世界となった。


「くらえ!雷神の輪舞(ヘクトール)!」


「·······は?」


十数名のプレイヤーによる魔法の一斉発射、誰一人としてその魔法を放つことができなかった、と言うよりか消えたように感じた。


メガイストスもこちらに気づいた様子。何が起きたかは分からない、が攻撃をしかけたのは事実。メガイストスの能力なのかは分からないが、敵は敵。メガイストスは明らかな敵意を持ちそのマヌケ共の頭上を飛んだ。


「さて、お手並み拝見と行こうか」


遠くから見守っているシグマが見た光景は凄まじいものだった。


「お前ら!撃ちまくr」


黒色の柱が降り注いだ。


地形が変わるどころではない。南の大陸の地図が変わるほどの威力だ。攻撃を終え消えた柱の形がくっきりわかる、そんな穴の開き方だった。海水が滝のように流れその穴の大きさを鮮明に表す。


「ハハッ、凄まじい威力だ!ここまで地形破壊がされたのは初めて見たよ。普段であればかなりの速度で修復される地形だが、今回ばかりは丸一日はかかりそうかな?」


「メメント・モリと同等レベルの攻撃、離れていて正解だったね」


「我はそれを知らないからな。凄まじいな、面白いものが見れた」


「攻撃していない我々が狙われないということは、中立だね」


シグマ達もメガイストスの影に隠れる。


「······なるほど、2人ともステータスを見てくれ」


「ステータス?」


言われるがままステータスを開く2人、ステータス、というか特殊効果が付与されていた。


「平和の加護?」


「あいつらの攻撃が消されたのはこれが原因か、これがバフかデバフか、対処はこれの解除になりそうか?」


「いいや、どうやら消せないらしい」


祓魔剣を握ったシグマがそういう。


「厄介な効果だ、普通に倒せるとは思えないな」


───平和の加護

メガイストスの影に包まれし者は一切の攻撃手段が封じられる。


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