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インフィコード〜無敗のプロゲーマー休止したので超絶難易度ゲーを制覇する〜  作者: あいうえオカキ
蒼を晴らした先の青を求めて

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友の心に刃を向けて其の五

「ベータ、君になら出来る、信じている。」


「っ!もちろん!私が倒してみせる!」

「行くぞ!」


先陣を切った3人、後ろから魔法使い(メイジ)の攻撃魔法が彗星のように流れていく。ゆぃつの指示だろうか、後衛を守っていたプレイヤーの生き残りも雄叫びを上げながら着いていく。


完全な総力戦、死力を尽くして戦うラストラウンド。もう出し惜しみはしていられない、全滅で負け、押し切れば勝ち、そう割り切りこの戦いに挑まなければならない。


『アイリス戦を続けてて、分かったことがある。恐らくこいつの本体はアイリス(アヤメ)じゃなくてアマリリス()の方だ。時折アイリスの力や体力関係なく剣がブレる時がある。これは仮説に過ぎないが、多分()()()()()()()()だ。アイリスに対して強い抵抗感がある、つまり。』


「アマリリスさえ無けりゃ、お前は俺たちと同じ!()()()()()()()()()


アイリスは憤怒し周りからの攻撃をくらいながらガンマを力ずくで弾き飛ばした。

ガンマは受身を取り体勢を整えるがそこにアイリスは追撃を入れる。


「っと!そんなに気分を害したかよ!でもいいのか?俺ばっかに構っちまってよ!」


アイリスの後ろから全プレイヤーの総攻撃が放たれる。が、アイリスがそれに目をくれることはなくガンマを消滅させる勢いであらゆる攻撃手段を使い猛攻をしかけてくる。


アイリスは背中側から大量の茎を出し己と目の前にいる人間を囲うように茎でドーム型の障壁を作った。


『こいつ、これでも止まんねぇのかよ!流石にこれは......』


ドーム内の限られたスペースの中視界を埋め尽くすほどの花弁がガンマに襲い掛かる。ガンマの抵抗も虚しくガンマはドーム内で死亡してしまった。


同刻総攻撃を受けるドームは壊されアイリスは間合いを取るべく少し後退した。


ゆぃつはすかさず【生命の冥水】を括り付けた矢を放ちガンマを蘇生させた。時間的にはあまり余裕がなかったが何とか間に合った、と言ったところだ。


「あっぶねぇ危ねぇ、消滅するところだった。移動制限で花吹雪レベルの花弁とか、確殺コンボだろあれ」


「蒼断を名に持つ蒼の王よ、」


「?!!」


『詠唱.......?!今までそんな素振りは見せなかった、つまりここまで来て初見の技?!初見の技であれば知恵の探求者(ファストディメント)によって攻撃を打ち消すことができる、だが初手の攻撃から分かるに奴の放つ一撃は本人以外は守れない、つまり、俺達に今できることは......』


「散開しろ!!回避だ!!」


アイリスの構えた剣から寒色系の帯が漂い始めた。回避は不可能、そう思わせるほどに巨大な青色の光り輝く剣(アマリリス)を形成した。


「王たる示しを持ってこれを問う。」


「理を断て」


「ベータ!」


「「知恵の探求者(ファストディメント)」」


《メメント・モリ》


白黒になった世界で放たれた無慈悲な一撃、地面は再生不可能な程の渓谷が創られ、後衛、前衛の大半がエフェクトも無しに死亡、ゆぃつは足を、カゲツは腕を持ってかれていた。


『やはり知恵の探求者(ファストディメント)で皆を庇うことはできないか、斬撃の跡的に私達の後方2m程までは斬撃が消えているがそこからは元通り、このスキルで消せないとしたら防ぐのは不可能と思っていいだろう。』


「なんつー技だよ、」


『プレイヤーをぶち殺すこと以外考えていない一太刀、詠唱中以外回避の時間が無く詠唱が終わったら実質的な即死、次に放たれたら、』


「場所によっちゃ終わるな」


「ご無事ですか」


「AGI振りのお陰で何とかな、お前は死にかけじゃねぇか」


「カゲツ、1回殺すぞ?」


「お願いします団長」


片脚のまま近くまで寄ってきていたゆぃつはカゲツに矢を放ちカゲツは目を瞑り矢を受け止めた。

ゆぃつはすぐさま【生命の冥水】をカゲツに使い腕を元通りにした。ゆぃつも同様にし足を元通りに。


アイリスはまたもや剣を構えていた。


「おいおい、もう一発は無理だぞ?」


「いいや、違うっぽいな」


中に漂っている青色の花弁が黒色に染まっていく。触れたらダメなオーラ全開のその花弁は何やらマイナス効果(デバフ)を振り撒いているようだった。


「デバフ、《死を想え》効果終了時に()()、残り時間は5分」


「やることが明確になりましたね」


「だな!5分以内にアイリスを叩き潰す!できなきゃ負け!分かりやすいな!行くぞお前ら!」


リスクは100も承知、ゆぃつを前線にあげるのは更に正確な援護射撃をするため。普通の弓使いであれば即死するプレイングだがゆぃつの近接戦闘技術とカゲツが入れば強固な陣営に早変わりする。

ペンタゴンも同じ考えのようだ。シグマとベータの後ろに着き2人のカバーにあたっている。


「ベータとシグマが奴を倒す鍵を握っている、死んでも殺すなよ」


「了解」


「御意」


2人はベータ達側に寄り2人へのカバーを強めた。


「うぉらよ!」


ガンマも自身の役目、自身の価値を理解している。現状ガンマに出来ることは数少ない。だから、死んでもアイリスからアマリリスを引き剥がすこと。

アイリスは先の一件からガンマを強く意識している様であり剣に力が籠っている。だからこそ狙いやすい、完璧で隙のない太刀筋のアイリスだがガンマに対してはブレている。アイリスの心の乱れを利用しアマリリスが抵抗力を強めているんじゃないか、そんな気がしてくる。


「おらおらどうした!太刀筋がブレてんぞ!鋼鉄の震打(インパクトクエイク)!」


アマリリスを下からすくい上げるに弾いた。


『意識を俺に割いてくれるのは好都合!あいつらが動きやすい環境を作ってやれば自ずと、』


「パワースラッシュ」


カゲツの長剣がアイリスの背中に傷をつける。レベルの差もありダメージは大したことは無いが今はこの一撃が必要だ。このフェーズはHPを八割まで削ることが目的だ。3人共シグマとベータから説明を聞いているだろう。《天を割る逆滝》によるHP割合攻撃以外にこの時間でアイリスを削りきる手段は無い、と。


『このまま削りきって俺達が勝つ!』


「な、なんだこれ!」


伝令神(ヘルメス)の数少ない生き残りが声を上げた。そのプレイヤーは徐々に体が黒くなっていき次第に崩れ落ちてしまった。


「っ、そう簡単には行かねぇか。花弁に注意しろ!触れたら終わるぞ!」


アイリスも疲弊している。メメント・モリに黒い花弁、大技を2連発で使って代償が何も無いはずがなかった。元は人間である以上限界はある。外付けの力でしかないアマリリス、アマリリス本人であれば俺達に勝ち目はなかっただろう。


「ガンマ!」


シグマに呼ばれ右を見てみるとシグマは自身の武器、対刃剣をこちらに投げていた。


「使え!ここで決める!!!」


「あぁ!」


『祓除剣 アレクシカコス、このゲームに十数本しか製作されていないユニークウェポン、効果は単純、保有者に付与されている()()()()()()()()の完全排除、それはつまり聖職者に付与されている下方補正の数々を取り除くことができる!』


ガンマがアレクシカコスを手に取った時、自身を縛っていたものが完全に解けた、そんな感覚がした。


~~支援魔法と打撃武器に補正が掛かるがAGIに下方補正がかかる。~~

~~打撃武器以外の武器を装備している時STR・DEX・AGI下方補正がかかる~~

AGI240→315


シグマは素手のままアイリスへと特攻、花弁への対処も茎への対処も全て捨て、捨て身の直進、己を守ってくれると信じてアイリスを止めに走った。


アイリスもその異様な気配に気づきシグマに対して黒花弁を集中砲火させる。シグマに防ぐすべはない、


瞬く間に花弁がバラバラになりシグマには一欠片も到達しなかった。

ガンマは空中にある飛来した花弁を一欠片も残さず切り裂いた。ガンマの瞳孔は散大し極度の集中状態に入っていることを露わにしていた。


2人への警戒レベルが限界まで跳ね上がりアイリスは他の攻撃への対処を辞め自身のHPである程度の攻撃を全て受け止める。それほどまでの脅威、茎も花弁も全て解き放ち2人へと襲いかかった。


「お供します」


花弁は先の倍、事前に全ての花弁を打ち消すことを諦め、余った花弁をカゲツとゆぃつが叩き落とす。


茎を切断することは叶わない、だから剣を沿わせ後ろに流した。ペンタゴンの高火力スキルにより動きを止まったところを左右に弾く、全ての攻撃がガンマを起点に左右に流れていく。


「っ、」


焦ったような表情を浮かべるアイリス、創世生物(アーティア)になったと言っても右手を離せばただの人間、完全に染まりきっている訳ではなく人間らしい一面もあるそうだ。


「アイリス!!」


地を蹴り宙に飛び上がったシグマはアイリスに飛びかかった。空中は無防備、それを分かっていて飛びかかった、アイリスに自分の気持ちを全てぶつけるために、ありったけの想いを込めて。


数多くの妨害が入るがガンマたちによってそれは無意味とかす。

シグマは身を気にすることなくアイリヘと飛びつき額を合わせた。


「アイリス!これが私の思いだ!今までのお前と!私と!ベータとの思いだ!せめて.....せめて!受け取ってから散れ!!」


代償の空想時計(ディバイン・クロノス)


巨大な時計がアイリスの背後に現れ二人の時間を完全に停止させた。


代償の空想時計(ディバイン・クロノス)、1レベル消費につき0.02秒時間を止めることができるスキル、デメリットがあまりにも大きすぎて使うことなど一生来ないだろうと思っていた。だが、私の全てをかけてもいい、そう思える相手だ。現在150レベルの私が全てのレベルを消費し2.98秒の時間を停止させる、あとは頼んだよベータ』


クロノスを発動する数瞬前、ベータはシグマの背中越しにアイリスの心臓を貫く覚悟をしていた。


友達を殺すのは怖い。覚悟していたはずの物は目の前のアイリスの死を予感しすくんでしまった。


『私がこれを刺せばみんなで勝てる、でもアヤちゃんが死んじゃう...............分かっていはずなのに.....体が、』


その時震えながら構えていた右手に手が添えられる。


「行くぞ、庵」


「ッッッ、うん!」


添えられた兄の手により覚悟を決めた。私がアヤちゃんを止める、もう一度話を聞く、そう心に今一度誓った。


時が止まりその時が来た。


『まだ怖い、手の震えが止まらない、でも!自分の思いを伝えられずに居なくなっちゃうのはもっと嫌!』


「届け!逆滝!!!心魂刀牙!!」


ベータの一撃はシグマの背を、アイリスの()()()貫いた。


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