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#25 勉強セット

前世の受験感覚が残っていたから詰問してしまったが、年齢制限はないが基本的に5,6歳の子どもが通うところだと考えるとまあジルコの言っていることも分かる。

「まあ、これは解きます。面白そうだし。紙とペンがあると嬉しいです」

「本番も道具が必要なものはその場に用意されてるからね、次持ってくるよ」

ペンはこれあげる、といってポケットから出したものを投げ渡された。そんな雑な扱いをしてはいけないくらいには高級品に見える。

「そこそこ無限にインクが出てくる魔道具だよ、それで汚すと落ちにくいから気をつけてね」

明らかに平民の子どもに渡してはいけない。


……というかインク消せないなら黒板を頼めばよかった! 後悔先に立たずだ。いや、もしかしたら町でも売ってるかも知れない。あとで親に頼んでみよう。

……あと、机と椅子も。紙を入れる箱もあった方がいいな。


◇◇◇


親が買い物に行っている間、過去問を一通り読んでいた。わざわざそれ以外の問題を書いてないだけかもしれないが、ここに載っているほとんどが数学の知識を必要とする専門的な問題に見える。本当に5,6歳の子どもがこれを解くのか?

そして文章題はその難易度を抜きにしてもかなり特徴的だ。文中に出てくる数字はなぜかデカく、キリがいい。100の倍数がよく出てくる。そしてその割に、答えの数字がやたらと中途半端だ。二乗根が出てくるように思えるが、俺の解釈が間違ってるのか?でもショルナも二次関数の話してたしな……

ルートの近似値を忘れていたので計算し直したりしていると、親が勉強道具を買って帰ってきていた。


手持ち黒板は知り合いの八百屋で値札として使われていたのを貰ってきたらしい。日常生活にはあるけど、その辺では売ってないラインなのか。そして我が家にもご近所付き合いというものがあったのか……


◇◇◇


神殿でチョークの粉を集めていると、ショルナに会った。

「久しぶりね!最近、あんまり来てないみたいじゃない。やっぱりあそこの授業は退屈?」

「家で本と勉強道具を買って貰ったから、今はそっちの方が楽しいんだ」

「そうなのね!勉強道具って、どんなのを使ってるの?」

「小さい黒板と、机と椅子だよ」

「それはこっちの方が良いんじゃないかしら……?」

ショルナは『大きな黒板』と俺を見比べた。

「まあ、たまには遊ぶのも良いわよ!神殿に勉強以外で来ちゃダメって訳でもないもの。みんな今は忙しいけど、カージは大切な友達なんだから!」

大切な友達。最近、人との関係性が沁みる……

「うん、また来るよ。またね」

お読みいただきありがとうございます!


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