#24 『はい』
「やっほー、返事決めた?」
「もう来たんすか」
ジルコは割とすぐにやって来た。……リー先生が『直前期』と言っていたのを思い出す。嫌な予感がする。一年くらい待つよな?
「行きたいですけど、行けるんすか?」
「どういうことだい?」
「聞きましたよ、入試あるって」
ジルコは目を見開いた。
「よく知ってるね」
「流石に調べますよ」
「いや、どうやって……?」
「まあ、返事は『はい』です。家族とかにはまだ話してないですけど、行きたいと思ってます」
ジルコはあっという間に両親の許可を取り付けた。最大MPが多く、スキルにMPがさらに必要な可能性があるので魔法使いの進路を提案する、みたいな話の流れだった。その日の夕飯は僅かに豪華だった。兄さんとキュードにもそこで話をした。
◇◇◇
「何故か知ってたみたいだけど、入学試験があるからそれの対策をしないといけないよ」
「普通受けるかどうか決める前に確認しません?」
「貴族はそうでもないよ、金払えば何しても良いと思ってる節あるから」
「俺は平民なんで」
貴族嫌いなんだろうか。
「とりあえず過去問持ってきたよ」
そう言って目の前に大量の紙束を召喚した。
「これやれば良いんすか?」
「話が速いね。解けそう?」
少しだけ中身を見た。内容はともかく、日常文字で書かれていて読みやすい。いや、違うな。
「……もしかして試験って面接形式ですか?」
「あ、そこまでは知らなかったのか……」
「子どもに何期待してんすか」
「君の自己評価はどうなってるんだ……期待できないやつに推薦状は書かないよ」
確かに情報戦の能力で推薦している訳ではないが……とモゴモゴしている。
「解答が無いから僕が採点するしかないんだけど、偶にしか来れないからさ」
「それは確かに解き貯めておかないと演習回数稼げないっすね」
「あー、うん」
「ちなみに、タイムリミットは?」
「秋」
「あと半年?」
「まあね」
「何考えてるんですか?」
「いや、君が思ってたより優秀でさ……」
聞けば、今年は過去問もこんなに真面目に解かせる気は無かったそうだ。今年落ちても来年また受けさせれば別にいい、2回受ける方が1発勝負よりお得だろ、という考えだった、と非常に歯切れ悪く答えてくれた。
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