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#16 生活魔法 前編

教会に偶に通うようになった。

気づいたこととしては、地域の人間向けにやっている授業と俺の受けている孤児院の授業は別だということだ。兄さんが受けたと言っていたのは前者で、基礎知識をちゃんとやってるのが後者という印象だ。そして、後者に生活魔法講座はない。秋くらいにその辺の平民を集めて軽く教えるみたいだ。まあ、あるだけマシか。

孤児院の授業では神聖文字も教えてくれる。というか日常文字と神聖文字に日本語の漢字と仮名ほどハッキリとした区別はなく、教会ではその傾向がより顕著なのだろう。『ヌ』と『イェ』の合字とかいつ使うんだ……


黒板の下に落ちているチョークの粉を合成してチョークの小さな欠片を手に入れることに成功した。シスターに掃除していると思われたのか、飴を貰った。ちょっとモチモチしている。

「他の子には内緒ですよ」

「美味しい!これなんて言うの?」

「メーンの実を干したものです」

メーン草って実もあるんだ。


◇◇◇


ーーー[ステータス]ーーー


【基本情報】

名前: カージ

種族: 基人族(幼体)

年齢: 3歳(3ヶ月)

レベル: 1

【能力値】

HP :100/100

MP :5/11 (回復量:10MP毎日)

STR :25

INT :65

DEX: 40

LUK :60

【スキル】

・ステータスウィンドウ

・合成Lv.2

・合成Lv.1

【クエスト一覧】

〔クリア!〕

なし

〔新規クエスト〕

なし

〔未達成〕

・新しい一般スキルを手に入れる

・MP最大値50達成

・スポナー3種合成(2/3)


〈【表示設定】他◾️個の項目が折りたたまれています〉

ーーーーーー

秋まで待たなくても親か兄さんかは生活魔法を知ってるんじゃないか?と思い、聞いてみた。

「冒険者時代にいくつかあったわねぇ、ぱっと出てこないけれど」

母さんはそういうと、ふと窓辺のベーラ草を見つめた。

「そうだ、ベーラ草を使うやつがあったわね。血を止めるくらいなら魔法使いじゃなくてもアイテムがあればできるのよ

「教えて!」

「ベーラ草を傷口に貼って力を込めるのよ」

魔法を使ってるかどうかと言われると微妙な気がする。生活魔法って大体こんな感じなんだろうか。

「お父さんは身体が大きいから血が止まり切らなくて大変だったわ、その分丈夫だから良いのだけど」

しかし魔法について知らないってことは母さんって物理職なんだな、体力増強を持ってることから察していたが……


兄さんは『本当は土魔法を使いたかったがMPが足りなかった』といっていた。少量の水とかなら出せるらしいが水やりには使えないみたいだ。父さんはライターのような炎を指先から出して見せたが一瞬で消えた。冒険者は基本パーティーの魔法使いか火打石を使うが、緊急時には各々で生き延びないといけないからこういうのは先輩から教わるそうだ。本当にセンスのないやつも割と多いみたいだが。

しかし教会から教わったという生活魔法は見られなかったな。民間魔法、とでも言うべきか。極限サバイバルでしか使えないものばっかだ。

そのあとスポナーから魔力を吸われたときを思い出しながら指先に念じると、ライターのように火がついた。割と簡単だがコツが要るな。合成スキルを初めて使った時を思い出す……

しかし父さんよりしっかりした炎だ。MP消費も1で済んでいる。

ジルコは自分の出した砂を宙で操っていたな。炎だと危ないから一旦消して水で試してみよう。

「熱っつ⁉︎」

……火の消し方が分からなかったので手で無理矢理握り込んで消した。

お読みいただきありがとうございます!


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