#15 本
家に帰ると早速貰った本を木陰に持っていって読んだ。メモを取りたかったから良い感じの枝も用意した。紙があるのに、ペンがない……
まず薬草図鑑からだ。
ベーラ草は1番最初のページに載っていた。鎮静効果のある薬草で、体力回復ポーションの主原料。買い取り価格の相場も書いてある。一束で銅貨1枚。一束ってどのくらいだよ……かなりメジャーで安い薬草みたいだ。大きいものだとその品質も上がるようだが。
できれば加工しなくても効果のある草がスポナーから出てくれば良いが……俺の知ってるマージゲームでは1つのスポナーから複数種類のアイテムが出てくることもある。スポナーのレベルも上げてみないとな。
他に目についたのはズーマー茸とメーン草だ。どちらもMP回復効果のあるポーションの材料になっており、直接食べてもその効果がある。どうも危険な森に行かないと無いみたいだが、スポナーから出てきたらわかるように特徴を覚えた。
図の多い本だが、それでも俺の識字能力はそこそこ鍛えられたような気がする。本には正しい文字が載っているので、それを参照しながら神殿で教えて貰った日常文字の一覧表を書いた。しかし枝というのは筆記用具にあまり向いていない……
神殿でチョークでも貰えないかな、なんて考えていると、キュードがやってきた。
「キュード、お前も本読むか?」
「……?」
「あ、そうだ。キュード、文字教えてあげるよ」
文字がわかれば、筆談なり何なりできるかもしれない。
「そう、ここから順番に、『つぁ』、『だ』、『でぃ』……」
「……」
一通り音との対応を発音してみせた。ものすごく集中しているようだが、相変わらず声が出ない。見た目には特に異常無いんだけどな……
「じゃあ、『キュード』はどうやって書くかわかるか?」
「……?」
「『キュ』は『カ』の近くにあるぞ」
「『きううど』」
「あー、惜しい!」
「……『きゅーど』」
「そう!そう書くんだ」
今のところ指さしで文字を示しているが、この調子なら自分で書ける日も近いだろう。
◇◇◇
折角畑に来たので雑草を合成して、薬草の苗の二つめを作って合成した。薬草の苗は薬草の鉢になり、もともと付いていた葉が数枚大きくなった。レベルの高いスポナーからは確率で高レベルのアイテムが作れるようだ。
いくらかMPを注いでみると、今までとは違う青色の葉がついた。霊草Lv.1、らしい。これは図鑑で見たメーン草だ。二つ目の霊草を狙おうとしたらMPが尽きた。また確率か……
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