第16話 Acrobat
私は周りを見渡す。ミニガンを持ってる奴はいない。少し安心だ。最初からオリバーとはぶつかりたくない。
近くにあったドラム缶の裏に身を隠した。
私がいるのは野球グラウンド。見渡しがいいため、障害物を使わないと危険だ。
一番いいのは、みんなが殺り合うのを傍観して最後に漁夫るという方法だが、多分みんな同じことを考えているはずだ。
やるしかないか
スナイパーライフルをドラム缶の側に置いた。近接戦では邪魔になるだけだ。
どこに敵が潜んでいるかは大体わかる。
私は一番近くの障害物に向かって全力で走った。
予想通り、そこに隠れていた敵が顔を出す。その刹那、私はピストルを撃った。放たれたペイント弾はそいつの額へと直行し、命中した。その敵は撃つ暇も与えられなかったのだ。
黒いアダマントスーツが赤く滲み、そいつは硬直してそのまま動かなかった。ペイント弾が急所に当たると失格判定になって、アダマントスーツが自動的に機能停止するプログラムになっているようだ。
私はそいつを乱暴に蹴り飛ばし、次の標的へと向かった。少し遠くにドラム缶がある。どうせそこにもいるだろう。
私はその方向へ走り出した。
先程のの戦いを見て学習したのか、ひょっこり出てはこない。ドラム缶の隙間から弾が幾度も発射される。
普段、実弾と向かい合う私にとってペイント弾は遅すぎる。私は次々と躱しながら走り進む。
そしてドラム缶を高く飛び越えた。空中で一回転しながら、銃を撃ち、裏に隠れていた敵にペイント弾を叩き込む。
綺麗な着地をする。オリンピック選手もびっくりな技だ。
しかし自分の体操に酔ってる暇はない。
漁夫の利をしようと敵が突っ込んできた。
走りながらピストルを撃ってくるが、軸がブレブレで、当たるわけがない。私は落ち着いて照準を定め、そいつの胸の真ん中に必要以上にペイント弾を命中させた。
2分と経たないうちに3人を行動不能に追い込んだ。
しかし、まだ元特殊部隊員の血はおさまらない。
こんなの楽しくってしょうがない!
私はさっき置いてきたスナイパーライフルを回収し、遠方の敵を狙撃することにした。
DF-M26。デッドフューリー社製M26型のペイントガンだ。なかなかに良い武器を選んだな、と自分に感心した。
100メートルほど先に敵影を確認した。
この銃でも100メートルが狙撃の限界だ。
私はドラム缶の隙間にスナイパーライフルの銃口を差し込み、狙撃体制を整える。
校舎外を背に向けているため、撃たれることはないだろう。
8倍スコープを除くと、さっき見えた敵はミニガンを振り回していた。近くに行動不能になった選手が四、五人倒れている。やるな、ミニガン野郎。
しかし、日頃の鬱憤を晴らす義務が私にはある!
私は引き金を引く。
しかし、ミニガン野郎は狙撃弾をすらりと躱した。そしてこっちを向いた。顔は見えないが、まるで私を嘲笑うかのようだった。
私は急いでボルトを引き、もう一回引き金を引いた。しかし、またしても避けられた。そして今度は踊り始めた。
これ以上あいつと殺り合うのは時間も弾も無駄だ。
私は100メートル越しにミニガン野郎に中指を立て、ゴルフ場の方へ走り去った。
この拙い文章を読んでいただき、ありがとうございます。2万文字にようやく達成しましたが、物語としてはまだまだ続く予定ですので、楽しみにしていただけたらと思います。
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