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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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ホセが堕ちる、堕ちるべきして堕ちる、JKトリオは介入を審議中

オペラの2幕で歌われる闘牛士の歌、カルメンと言えばこれというメロディーですが、ストーリーにとってどれだけ重要かというとそうでもない。オペラってそういうところがありますね。実は、オペラやミュージカル、わりと苦手です。根が散文的なので。

 カルメンを逃がしてしまったホセは上官に叱責されていた。


上官「女1人を護送する任務もやり遂げられないのか?」


ホセ「不意を突かれて蹴り飛ばされました。油断しました。」


上官「このまま説諭で済ませられる事案ではないな。たぶん降格になるだろう。1ヶ月の営倉入りを命じる。」


ホセ「はっ。」



桜「さて、翼のところでオペラを観たときは音楽に飲み込まれて筋が飛んでしまったけど、話を整理しようか。」


翼「カルメンが脱走するところで1幕が終わるんだよ。全部で4幕。」


紬「ということは、今は2幕の始まりあたりだね。」


桜「カルメンはお尋ね者になることもなく、酒場の踊り子をしてる。何でかな?」


翼「オペラだからその辺はいい加減なんじゃないの?音楽を聴かせるエンターテインメントなんだから。うちらも気にせず楽しんでたじゃん。」


桜「なるほど....聴衆を上手いこと丸め込めるのがオペラか。」


紬「桜、音楽ファンを敵に回すからそういうのやめな。」


桜「そういえばあのけなげなミカエラ、どうなっちゃうんだっけ?」


翼「あとで出てくるよ。目立たないけど。」


紬「2幕で大事なのは、ホセが軍を抜けることだよ。軍を抜けて密輸団の仲間になる。」


桜「そこに介入するか?」


翼「それじゃ2幕で終わっちゃって女神様に怒られるよ。」


紬「ホセが軍を抜けたらもう助けられないかな?軍を抜けたけど密輸団には参加しないとか。」


桜「密輸団に参加しないとカルメンとの関係がそこで切れるから、やはり2幕で終わってしまう。」


翼「カルメンとホセ、カップリングは悲劇にしかならないので、どこかで諦めてもらおう。」


紬「うん、ミカエラに引き取ってもらい、バスクに逃がそう。バスクはほら、現代でもなんとなくスペインから独立したがってるし、軍の追っ手も来ないかも。」


桜「いろいろと面倒くさい作戦になりそう。」



 リーリャス・バスティマの店にはカルメンのほかにメルセデスとフラスキータというジプシー女が歌と踊りで客をもてなしていた。客は軍の士官たちである。カルメンは彼らから、ホセが釈放されたと聞き喜ぶ。そこに人気の闘牛士エスカミーリョがたくさんのファンを引き連れて現れ、酒宴を始める。誰もが耳にしたことがあるあのメロディーが店内に流れる。


エスカミーリョ「君の名は?」


カルメン「カルメンだよ。」


エスカミーリョ「ひとめぼれだ、カルメン。」


カルメン「ふん、そんな言葉でなびくと思わないで。」


エスカミーリョ「ははは、牛は気が荒いほうが倒し甲斐がある。次に牛を仕留めるときカルメンの名を叫ぼう。」



 店のスタッフのダンカイロとレメンダードが閉店を告げ、人気闘牛士とその取り巻きは店を出た。



メルセデス「どうしたんだい?せっかく繁盛してたのに。」


フラスキータ「そうだよ。もっとおひねりが飛んだかもしれなかったのに。」


ダンカイロ「おまえらに仕事の話があるからだ。」


レメンダード「いい女がいないと上手く行かない仕事なんでな。」


メルセデス&フラスキータ「ふうん、さてはイギリスから樽でも届いたかい?」


ダンカイロ「そうだ。儲けは大きいぞ。」


レメンダード「カルメン、もちろんおまえもやるんだろ?」


カルメン「私は....やめとくよ。なんか気が乗らないんだ。」


レメンダード「なんだ、おまえらしくないな。まあ良いだろ。気が変わったら声をかけてくれ。」



 密輸団が店を出るのと入れ替わりにホセが入ってきた。カルメンの表情は一瞬で明るくなりホセに抱きついた。



カルメン「遅かったね。何で早く脱獄しなかったんだい?ヤスリも逃走資金も差し入れてやっただろ。賄賂まで使って苦労したんだよ。」


ホセ「悪かった。感謝してる。だが...さすがに脱走は不名誉だ。軍を抜けるわけにはいかなかった。金は返す。」


カルメン「お堅いやつだな。まあ...そこがあんたのかわいいところだ。ジプシー女は一途だから、誰にも身を任せずに待っててやったよ。こっちも生身の女だ....あんたと同じでこっちも溜まってるんだ...おいで、二階で思い切り愛し合おうじゃないか。」



 カルメンとホセが熱い口づけを交わしながら階段を上ろうとしたとき、遠くで帰投を命じるラッパが鳴った。


ホセ「あ、ダメだ...残念ながらもう兵舎に帰らないと。」


カルメン「なんだって!ふざけんな!こっちはすっかりその気になってんだ。ここでお預けを食らわせようなんて最低の野郎だな、おい!」


ホセ「許してくれ。俺は兵士なんだ。軍律を守らなければならないんだ。」


カルメン「女をほったらかしにして軍律を守るのかい?」


ホセ「本気で愛してる...愛してるのは本気なんだ。」


カルメン「ああ、そうかい。ジプシーの女に恥をかかせたね。おまえとはもうお終いだ。さっさと兵舎に帰って股ぐらを握って寝るんだな、この役立たずが。私は好きにやらせてもらうよ。」



 カルメンの怒りが頂点に達したとき店のドアが開き、ホセの上官のズニガが入ってきた。



ズニガ「ホセ、何をしてる。帰隊命令が出たのが聞こえなかったか?さっさと兵舎に戻れ。俺はその女に用がある。」


ホセ「何ですと!あなたこそとっとと兵舎に戻れば良いじゃないか。」


ズニガ「上官に向かってその態度は何だ!その売女は俺のものなんだよ。カスは引っ込んでろ。」


ホセ「売女だと!貴様...撤回しろ!」



 ホセはサーベルを抜いてズニガに迫った。



ズニガ「貴様、抜いたな。容赦はしないぞ!」



 ズニガも抜刀してホセに対峙した。カルメンはそれを見て鋭く口笛を吹いた。ダンカイロとレメンダードがピストルを構えて店に入ってきた。



カルメン「この旦那が決闘騒ぎを起こしそうなんだ。」


ダンカイロ「兵隊か...仕事の前にいろいろやっかいだな。」


レメンダード「旦那....少しおとなしくしていただきやすぜ。」



 ズニガはサーベルを取り上げられ拘束されて密輸団の部下たちに連行されてしまった。



カルメン「おい、ホセ。もう軍には戻れないぞ。上官が蒸発して、おまえだけ兵舎に戻れるわけはないからな。あきらめて私のものになりな。なーに、悪いようにはしないさ。かわいがってやるよ。」




次回はJKトリオが本格的に始動する、いやしないとこのままオペラのストーリーのままズルズルと行っちゃいそうです。

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