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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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誘惑するカルメン、堕ちるホセ、方針がまだ決まらないJKトリオ

Carmen は歌、詩、呪文という意味のラテン語です。名前に悪の魅力が凝集しています。


 女工が仲間と交わした小さな噂話がきっかけだった。それを聞きつけたカルメンがスカートに隠し持ったナイフでその女工に斬りかかった。



挿絵(By みてみん)



カルメン「バカにしてるのか?ジプシーを舐めるな!」


女工「きゃあっ!人殺し!」



 騒然となった工場内にホセが駆けつけ、カルメンを拘束した。



カルメン「放せ、この野郎!」


ホセ「まあ落ち着け!話はあっちで訊こう。」


カルメン「ん?その訛り...おまえさん、バスクかい?」


ホセ「...そうだがそれがどうした?」


カルメン「ふふ、私もそうなのさ。」


ホセ「なん...だと?」


カルメン「今夜...牢屋に来てくれよ。少し話そうぜ...イケてる兄さん。」



桜「工場で事件が起こったようだね。」


翼「明日までこれ以上何も起こらないから、とりあえず拠点を探そう。」


紬「今何年だっけ?」


桜「1820年だね。」


紬「いちおう町中の拠点としてホテルは取るけれど、それとは別に水場のキャンプ地を探そう。おまるはイヤだ。」


翼「そうだった。この時代ではそれがあった。」


桜「ではまず目立たないようにルースを2個だけ売る。で、次にホテルを確保。それからキャンプ地を探そう。」



 3人は町の宝石商でルビーとエメラルドのルースを鑑定してもらい、合計700レアルを得た。もっと吹っかけられそうだったが、店が上手い取引をして儲けたと思ってもらったほうが良い。その資金を持って町中の小綺麗な宿を取り、前金で100レアル支払った。日本円にして約50万円ほどであろうか。安くはないが、高額の前金の重みで宿は全幅の信頼を寄せてくれる。コンシェルジュ的な働きも期待できるので、これからの作戦にとって必要な支出だ。3人は部屋の金庫に貴重品を収め、キャンプ用の服に着替えて近隣の水場を探した。水車小屋の近くに泉を発見し、3人はお花摘み、沐浴、洗濯、キャンプ飯のルーティンをこなした。何度もやっているので手慣れたものである。エミッションとアブソープションで代謝を済ませた3人は、ホテルに戻ってベッドで熟睡した。



 牢獄のカルメンはホセに語りかけていた。



カルメン「お兄さん....明日よね、私を護送するのは?」


ホセ「そうだが...」


カルメン「縛めを少し緩くしてね。腕が痛いんだもの。」


ホセ「....少しなら...」



挿絵(By みてみん)



カルメン「私....少し暴れるかもしれないわよ。」


ホセ「え?」


カルメン「あなたを突き飛ばすわ....たぶん。」


ホセ「バカなことはやめろ。」


カルメン「でね....聞いて....あなたはよろけて綱を放すの。私は風のように逃げ出すわ。」


ホセ「放すものか!」


カルメン「いいえ....放すわ....そしてその夜、リーリャス・バスティマのお店に来て私と愛し合うのよ。思い切り....極上の快楽を貪り合うの。」


ホセ「快楽.....?」


カルメン「そうよ、今まで生きてきたことが色褪せるような快楽よ。」


ホセ「俺を裏切ったりしないだろうな?」


カルメン「バカね....ジプシーの女は何でも自分で決めるのよ。あなたを気に入ったから誘ってるんじゃない。」


ホセ「.....神よ....俺はもう抗えない...」



桜「おはよう、みんな。」


翼「おはよう。悪いけど、私、このまま水場に行くわ。」


紬「そうよね。朝起きたらルーティンがあるもの。」


桜「不便だわねえ。みんなで行きましょう。連れ花摘み。」


***************************************


女神「そう言えば翡翠、おまえ、全然困ったことがないな、お花摘み。」


翡翠「霊力ですべて解決です。分身に託してアストラル界で無効化させる。」


青水「うう、そこは作者として迂闊だった。無敵のチート巫女がもじもじする、脂汗を流してもじもじして結界が壊れる。。。。」


翡翠「完全沈黙、急々如律令!」


**************************************


 3人が町に出ると、タバコ工場の女たちが出勤するところだった。紬は星形の蓄光髪飾りを持ってその中のひとりに声をかけた。


紬「ねえ、おねえさん。これ、珍しいでしょ?夜になると蛍みたいに光るのよ。」


女工「わあ、きれい!」


紬「あげるわ。だからちょっとだけ話を聞かせて。」


女工「何でも聞いて。」


紬「カルメンって....どんな子なの?」


女工「嘘しか言わない女。マルタから来たとか、フランス人だとか、言うことがてんでバラバラ。で、ときどき大きな宝石がついた指輪を見せびらかす。」


紬「お金持ちなの?なぜ工場で働いてるの?」


女工「密輸か何か、悪いことをするためなんじゃない?ジプシーみたいだし。」


紬「なるほど....ありがとうね。」



 ホセはカルメンを縛ったロープを握り、裁判が行われる役所に護送している。兵士がひとり、護衛についていた。



カルメン「ふふふ、私に逃げられたら...あんた、きっと罰を受けるわね。」


ホセ「...甘んじて受けよう。」


カルメン「大丈夫...ジプシーの女は義理堅いの。きっと助けてあげるよ...よし、頃合いだ。」



 カルメンは妖艶な尻をホセの下半身にぶつけ、よろけたところをしたたかに蹴りつけた。そして、ホセがもんどり打って転ぶと、風のようにその場を後にした。突然のことに護衛の兵士は一瞬固まったが、銃を携行しておらず、サーベルを抜いて追ってはみたが、下町の迷路を知り尽くしたカルメンを捕まえることができなかった。



桜「あっちで騒いでるよ。」


翼「カルメンが逃げたんだ。」


紬「カルメンは悪党の一味らしい。きっと拠点に向かったね。」


桜「こういうのって町の人も善人ばかりじゃなくてグレーがたくさんいるから捕まえられないんだよ、きっと。」


1820年...西ヨーロッパではナポレオン戦争の時代ですね。西ヨーロッパでは、と書いてしまいましたが、カルメンが活躍するセビリアと社交界が艶々しているパリはずいぶん雰囲気が違います。

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