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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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ロンドンで作戦開始だよ、まずは拠点探し、そして金策です

ロンドンで作戦開始です。できるだけ原典を取り込んで進めて行きましょう。


 ミナとルーシーがホイットビーを去ったので、JKトリオもロンドンに移った。残金は50ポンドに減っているので金策をしなければならないが、その前に拠点を決めなければならない。


桜「拠点だけど、最初のミッションはルーシーの救助だから、実家の屋敷があるハムステッドの近くにホテルを取ろう。」


翼「ビジネス街ではないのであまりたくさんのホテルはないね。閑散とした住宅地だもの。」


紬「それでも探せばあるよ。ロンドンと言えばパブ。RPGでも新しい町に入ったら酒場で情報収集が基本だし。」


翼「うちら女子高生だよ。ビールなんか飲んで良いの?」


桜「フランスやオーストリアでさんざんワインを飲んできたくせに今さら何をカマトトぶってるの。日本の法律の管轄外、しかも時代も違う。何の問題もないね。ただし紬...酔っ払ってはダメだぞ。」


紬「わかってるよ。ロンドンのビール程度で酔うわけない。水代わりなんでしょ?水を飲むと病気になるから。」


桜「その通り。ヨーロッパのビールやワインは危険な水を回避するための飲み物だから、あまり酒という位置づけじゃないんだよ。」


翼「そういえば、今さらなんだけど、イギリスに来て誰も英語を喋ってない。うちらもふつうに日本語を喋ってる。」


紬「きっと女神様の配慮なんだよ。だってさ、長編小説じゃん。そこで英語が通じないとか翻訳アプリとか持ち込むと渋滞するもの。」


桜「なるほど...女神様、あんなんだけど根は優しいのね。」


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女神「ヘークション!」


青水「女神よ、褒められてるぞ、優しいって。」


女神「うるせー、試練の女神だぞ、優しくなんてできんわ。」


翡翠「でも女神様って最後はいつも助けてくれるし、私も優しいと思いますよ。」


女神「うるさいうるさいうるさい!甘やかしの女神と被るような設定にするな!」


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挿絵(By みてみん)



店主「いらっしゃい。飲み物はエールとスコッチしかないぜ。」


桜「エールを3つください。」


店主「ほらよ。おまえさんたち、中国人かい?」


翼「いえ、日本人です。」


店主「ほう、日本人はロンドンじゃまだまだ珍しいな。留学生がたまに来るが。先日も来たぞ、白い着物に赤いスカートのシュラインメイデンが。」


紬「へえ、巫女さんですか。それは目立ちますね。」


店主「そんななりしてたけどよ、ロンドン大学で...何ていったっけかな...哲学的自然学とかいう難しい研究をしてるって言ってたぜ。日本人というのは不思議な人種だな。」


桜「へへへ、そうかも知れませんね、忍者とか侍とか芸者とか、いろいろいます。ところで店主、私たち来たばかりでこのあたりのことを知らないんですが、ウェステンラさんの屋敷ってこの近所ですか?」


店主「おう、ここから50メートルぐらいだな。ヒリンガムというこのあたりじゃ一番立派な屋敷だ。」


翼「私たち、ホイットビーでそこの娘さん、ルーシーさんと知り合ったんです。」


店主「おや、そうだったのかい。あの子はこの界隈で一番の別嬪だから、そろそろプロポーズの嵐になりそうだな。」


紬「私たち、この界隈にホテルを探しているんですけど、どこか良いところをご存じありませんか?」


店主「知ってるぜ。ここから100メートルぐらいだな。この道をずっと上がっていくとあるぞ、ホテル・クロイツ。」


翼「クロイツ?」


店主「ああ、爺さんがドイツから移住してきたらしい。意味は十字架だから安心して眠れるぜ。3年前に改装して部屋はピカピカだ。」


***************************************


青水「そうか、翡翠、おまえこの時期にロンドンにいたんだ。」


翡翠「はい、留学したてのころですね。ドラキュラ事件のことは何も知りませんでした。このあと父の知己であるシャーロック・ホームズさんが私をヴァン・ヘルシング教授に紹介して、ヴァンパイアクイーンとの対決になったのです。」


女神「また私の知らない話で盛り上がってるな。」


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桜「きれいなホテルね。」


翼「ドイツ人の血筋だから清潔と衛生に気をつけてるんでしょ。トイレも水洗だわ。」


紬「パブには食べ物もあったけど、あまり食べたくなるようなものはなかったな。」


桜「ロンドンにグルメを求めてはいけないわね。イギリス人が自嘲してるよ、何でもあるけど美味い食い物だけがないって。」


翼「貴族はフランス人の料理人を雇うことになってるらしい。」


桜「うちらは安定のフリーズドライでお腹を満たしましょ。いっぱいあるよ、フリーズドライ味噌汁、フリーズドライ五目ご飯、フリーズドライ梅干し。」


紬「癒やされるー、日本の味覚!ロンドンで食べる贅沢!」


桜「さて今後だが....ドラキュラは執拗にルーシーを狙い続ける。いったん吸血対象と決めると絶対に諦めない。」


翼「ストーカー体質...書いた作家もブラム・ストーカー。」


紬「それ、試験で×もらうやつだよ、翼。ストーカーはstalker、忍び寄る(stalk)する人。ブラム・ストーカーは Bram Storker、ストークはコウノトリ?意味はわかんない。」


桜「ほう、紬、隠れて勉強してないだろうな。」


紬「へへえ、いや前に自分で間違えて調べた結果だよ。」


翼「最初にドラキュラが襲撃する前に、狼を使って窓を破ってるね。」


桜「動物園から狼が失踪した事件。ドラキュラが操った。」


紬「それ、阻止できないかな。」


桜「難しいね。ドラキュラはある種の動物を操れる。うちらにはどうにもできない。」


翼「うちらは原作をしっかり読み込んでいる強みがある。まだ狼事件までには時間的余裕があるから追々考えるとして、まずは金策に行こう、明日。」


紬「賛成。原作でミナが心の底から言ってたよ。お金の力に救われているって。ドラキュラ討伐隊はみんな大金持ちだからね。ジョナサンとミナ以外は。そのジョナサンも、たしか事務所を譲ってもらって独立したからお金持ちの仲間入りになってた。」


桜「情報収集で賄賂の大盤振る舞いだったもんな。」


紬「うちらも見習おう。」



 翌朝、三人は宿のコンシェルジュに頼んで四輪馬車をチャーターしてもらった.乗合馬車では安全面に不安があったので、現代でいうタクシーに相当する馬車が宝石を運ぶ三人には必要だった。行き先は宝石商が集まるハットン・ガーデン。さて、査定額はどうなるか?



挿絵(By みてみん)



 宝石商は道具を駆使して比重と硬度を測り、ガラスではないことを確認した。ルーペを目に当てて真剣に調べている。



宝石商「これは驚きました。不純物がほとんど見られない。自然界では珍しい石です。」


桜「日本から持ってきました。霊峰富士山の清麗な洞窟で採掘されたものです。」


宝石商「霊峰富士山?清麗な洞窟....長年にわたって外部から途絶されていた場所でしょうか...興味深い。」


翼「日本の宝石商は、ペアで同じ品質の石は天然では珍しいと言って、これとこれを勧めてくれました。イヤリングにすると最高だろうと。」


宝石商「おお、これは....これは素晴らしい。通常、宝石のイヤリングはとても難しいのです。今あなたがおっしゃったように、同じ形で品質の石を2つ揃えるのが難しいからです。これは....見逃すことはできません。ご希望の価格を言ってください。」


桜「ルビーのペアが250ポンド、エメラルドのペアが200ポンド、アクアマリンが150ポンドでいかがでしょう?」


宝石商「それで良いのですか?もちろん買います。600ポンドですね。現金の用意がありませんので、銀行小切手でかまいませんか?」


桜「それでかまいません。では残りの石は別の店に持っていきましょう。」


宝石商「うう.....」


翼「無理はしないほうが良いですよ。良いものはみんなで分け合わないと。」


宝石商「そうですね。あなたたちは実に合理的だ。良い取引をさせていただきました。」


桜「ふふ、では良い日を。」


安定の金策でした。なにしろ「ドラキュラ」は西の科学力+財力 vs. 東の魔力の戦いです。カネで殴れないと負けます。

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