鋼鉄のパーティ旅団よ、シャルを救うために教会を使うんだ
このなんとなく中世っぽいお伽噺世界では、やはり教会に頼るのが最適ですね。公権力という点において。
翌朝、3人は村の教会へ向かった。雑な物語の村であっても教会は必ずある。それ以外の公的な機関がどのように働いているのか知らないが、教会が動けばどうにでもなるだろう。
桜「神父様、おはようございます。」
神父「おお、迷える子羊たちか。どうしたのかな?」
翼「私たち、青ひげの奥さんに招かれてお城に滞在してるのですが、虫がたくさん湧いてきて悪臭が立ち籠めている部屋があるのです。」
紬「扉の向こうにおぞましいものが隠されていたらどうしようと思って神様に救いを求めにやって来ました。」
桜「青ひげの奥さんは何も気付いていないようなのですが。」
翼「青ひげはあと数日で戻ってきます。その前に奥さんを説き伏せて部屋を解錠させてみて欲しいのです。」
紬「神をも畏れぬ冒涜がなされているかと思うと....恐ろしくて城にはいられません。」
神父「わかりました。さっそく行ってみましょう。何かあるといけないので、力がある村人を2~3人連れて行きます。先に奥方へその旨をお伝えください。」
桜「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
翼「よっしゃ、これで悪事が露見する。」
紬「うちらはおぞましい光景を見なくて済む。」
桜「さっそく城へ戻ってシャルにこのことを伝えよう。」
城に戻ると、シャルと友人たちは昼食を取っていた。この城にはメイドも下男もいないようだが、調理や家事はどうなっているのだろう?2ページぐらいの雑な物語なのでそういう設定は何もない。
桜「おはよう、シャル。」
シャル「おはようございます。みなさんも一緒にランチはいかがですか?」
翼「いや、もう食べたから遠慮しておくよ。」
紬「あとで神父さんが来るってさ。」
シャル「まあ、神父様が。」
桜「青ひげさんもそろそろ戻るころ?」
シャル「さあ、そろそろだとは思いますが、約束ではあと4日後。」
翼「シャルのお友だちもそれまで城に残って、青ひげさんに挨拶してから帰ったほうが良いと思うな。自分がいないところに長逗留というのはあまり気分の良いものではないからね。」
紬「シャルも友だちを旦那様に紹介したいだろう?」
シャル「はい、今後も長いお付き合いになると思うのでぜひ。」
1時間後に神父が村人を連れてやって来た。
神父「シャルよ、神の代理人としてこの城を少し調べたい。良いですね?」
シャル「もちろんです。これが預かった鍵束です。鍵は全部で7つあります。私、お友だちとずっと一緒だったので部屋を見て回っていません。」
神父「よろしい。では私に付き合っていただきましょう。みなさんはどうぞこのままで。」
シャルと神父一行が場内探索へ出発した。
桜「さて、このまま無事に済めば良いんだけど....」
翼「はい、その台詞、たぶんフラグ。」
紬「武器...持ってきたよね?」
桜「うん、いちおう。タクティカルライト、スタンガン、催涙スプレー、ゴグル、結束バンド。」
翼「私は催涙スプレーの代わりに熊スプレー持ってきた。」
紬「え?なんで熊?」
翼「だってあいつ野獣っぽいもの。」
城の入り口付近で小さな悲鳴が上がった。友人たちが怯えている。青ひげが早めに帰還したようだ。
翼「ほらね...やっぱりフラグ。」
桜「私たちは発見されないように武装して隠れよう。」
紬「ラジャー。」
青ひげ「妻は...どこかな?」
友人たちは声を上げることもできず、震えながら城の奥を指差した。青ひげはマントを翻し剣の柄に手をかけて奥へ進んだ。
桜「丸腰の神父と村人2人、このままだとやられちゃうね。」
翼「背後からの奇襲で確保しよう。」
紬「見た目はあれだけどしょせんは人間、ヴァンパイアのカーミラも一度は捕まえたのだから、落ち着いて対処すれば大丈夫だ。」
青ひげ「留守中に私の居城で何をしておいでかな?」
シャル「あ...旦那様...」
神父「神の代理人として教会法に則って検分しているところです、青ひげ殿。」
青ひげ「神の代理...か。神がいれば代理も務まるだろうが....」
神父「この部屋、確かに死臭がひどい。改めさせていただきますよ。…… さあ開けてください。」
村人が鍵束を使って扉を開けようとしたとき青ひげは剣を抜いた。
青ひげ「勝手なことは許さん!」
JK旅団はいつものようにタクティカルライトで注意を引き、同時に視界を奪い、催涙スプレーと熊スプレーを噴射した。猛烈な痛みと呼吸困難に陥った青ひげはその場で膝をついた。翼と紬が左右の腕にスタンガンを当て、剣を落とした青ひげを桜が結束バンドで拘束した。
村人と神父、そしてシャルも強力なガス攻撃に巻き込まれ、しゃがみ込んで咳をしている。
桜「巻き込んじゃってごめんなさい。でも青ひげは無力化しました。」
少し回復した村人が青ひげを捕まえ、もう一人の村人が禁忌の部屋の扉を解錠した。むっとする死臭があたりに広がった。神父は中に入り、事情をすべて察した。
神父「5人の先妻の亡骸はすべてここに放置されています。教会法の細則に照らし合わせるまでもなく、これは神に背く背徳の所業。厳罰は免れないでしょう。これから尋問で明らかになるでしょうが、彼女たちの殺害にも関与してることは状況から明らかです。そして死者を弔わずに放置した。明らかな教会法違反です。」
青ひげは村まで連行され、聖騎士団に引き渡されることになった。
桜「神父様、ありがとうございました。これでシャルも安心して暮らせます。」
翼「これからさまざまなことで神父様に相談に行くと思うのでよろしくお願いします。」
紬「私たちはもう出発しなければなりません。アデュー、プレートル!」
青ひげは奇怪な外見をしているけれど、しょせんは人間。人外ともやりあったJKトリオ旅団の敵ではありませんでした。戦闘の練度が上がっています。




