ロミュアルドはJKトリオから勇気をもらったが、セラピオンに叱責された、しかし天使が現れた
ロミュアルドは愛にすべてを賭けることができるのか...
翌日、JK旅団はシニー村の司祭館へやって来た。
桜「ボンジュール、バルバラ!」
バルバラ「おはようございます、お嬢様方。」
紬「グミ、美味しかった?へへえ、今日はね、これ、コアラのマーチ!かわいいでしょ?」
バルバラ「これは見たことがない動物の形...なんだか愛おしい姿です。」
翼「遠慮しないでバリバリ食べてね。バターがたくさん入ってるから。」
バルバラ「なんと香ばしい....」
桜「ロミュアルド司祭はいる?」
バルバラ「はい、昨日は早くお休みのはずでしたが、今朝は朝食をお持ちしたときまだ寝てらっしゃいました。今は起きていると思います。」
翼「ちょっと話があるのでお邪魔するわね。」
紬「大丈夫、私たちもう知り合いだから。」
バルバラ「はいどうぞ、こちらです。」
桜「おはよう、ロミュアルド。」
ロミュアルド「あ、あなたたちですか。」
紬「昨夜はずいぶんとお楽しみだったようで。」
翼「やめなさい、紬、そのゲス野郎みたいな台詞。」
ロミュアルド「クラリモンドと夢のようなときを過ごしました。」
桜「そして夢から醒めたらここで目覚めたの?」
ロミュアルド「はい...でもあれは夢なんかじゃない。」
翼「そうね、夢なんかじゃないわ。何か現実の痕跡が残ったでしょ?」
ロミュアルド「はい、小指に小さな噛み跡が。」
桜「それがふたりの契りの証拠よ。」
紬「小指に付いた誓いの指輪。」
翼「次は薬指にしなさい。めでたいことになるから。」
桜「幸せだったのでしょう?その幸せはあなたのもの、誰にも奪えないのよ。」
翼「そう、その愛は唯一無二のもの、決して手放してはいけません。」
紬「クラリモンドはうちらの友だちだから、裏切ったら許さないよ。」
そのときバルバラがやってきてロミュアルドにセラピオン司祭が来たことを告げた。来訪者はずかずかと入ってきて、JK旅団を見回してからロミュアルドに向かって声をかけた。
セラピオン「寝室に若い女を入れるとは不謹慎だな。」
桜「人を淫らな存在みたいに言わないで。」
翼「うちら鋼鉄の乙女訪問団だよ。」
紬「悪を滅ぼして正義を示すのだ。」
セラピオン「ふん、世迷い言を...ロミュアルド、君には悪い噂があるぞ。」
ロミュアルド「何でしょうか?」
セラピオン「神の勤めを忘れて淫欲に耽っていると。」
ロミュアルド「そ...そんな...」
桜「だから、言い方!」
翼「恋をすることは悪いの?もしかして嫉妬なの?」
紬「おじさん、かっこわる~。」
セラピオン「貴様ら....」
桜「(……あった……)司祭さん、ライシテって知ってる?」
セラピオン「う...貴様...なんだ、その怪しい箱を眺めて急に...」
桜「情報デバイスだよ。そんなことより...政教分離、宗教に人を裁く権利なし。ナポレオン法典からの一連の流れ、知ってるよね?」
セラピオン「ふん、にわか仕込みの法理を持ち込んでも無駄だ。ロミュアルドはカトリックの司祭だ。カトリック教会のルールで裁かれる。」
翼「破門されるのかな?」
セラピオン「このままではその可能性が高いだろう。」
紬「世が世ならば異端審問官になりそうなおじさんだ。」
桜「女神様に頼んで、かわいそうな異端審問官の末路を見せてもらおうよ。」
セラピオン「女神だと?異教徒か!」
桜「まあまあ落ち着いて …… 女神様~、見てたでしょ?お願い!」
*************************************
女神「なんだ、あいつら、平気で私を修羅場に呼び出したぞ。私はハクション大魔王か?」
青水「と言いながら顔はすごくうれしそうだ。」
翡翠「行ってらっしゃいませ、女神様!」
女神「私が出張るほどのことはないな。天使に説教させよう。セレスとフェリシア、久しぶりの登場だ。」
****************************************
セレス「はい、ちょっと待ってね!」
フェリシア「久しぶりだから緊張しちゃう。」
突然現れた神の御使いを見てセラピオンは取り乱しつつも跪いた。
セラピオン「おお、御使い様...」
セレス「司祭よ、おまえはハインリヒ・クラーマーを知っているか?」
セラピオン「はい、中世の異端審問官です。数多くの異端と魔女を滅した功労者です。」
フェリシア「功労者ねえ、19世紀になってもまだその認識なのね。」
セレス「クラーマーは死して異世界へ転生することになった。そのときの経緯を聞かせてやろう。」
セラピオン「異端審問官が異世界へ転移でございますか?神の座に召されたのではなく?」
フェリシア「そんな単純な世界じゃないのよ。ほら、見てご覧!」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
異端審問官ハインリヒ・クラーマーは、異世界に転生させられるところだった。狭間の場所で女神が登場して彼と対峙する。
女神「面を上げよ、かつて異端審問官だったハインリヒ・クラーマーよ。」
クラーマー「貴様は誰だ?人の形を取ってはいるが、魔物かあやかしか?」
女神「私は狭間の地の女神。異世界へ転生する者に助言と祝福を与える者です。」
クラーマー「女神だと?現身の姿で顕現する神など偽神にすぎない。それとも神の試練としての誘惑にして罠か?ならば私には無縁のもの。効果はない。信仰の力を強めれば幻は消える。」
女神「ほう、これが幻か?」女神はクラーマーにデコピンを食らわせた。
クラーマー「貴様、何をする!」クラーマーは怒りで顔を真っ赤にした。
女神「何をしたって、デコピンさ。もっとも今は検索しても犬の写真ばかりだがな。」女神はニタニタしている。
クラーマー「このわしに無礼を働くとは、火刑に処される覚悟はあるのだろうな?」
女神「火刑とはこういうことか?」
女神は自ら炎を纏った。赤い炎、紫の炎、そして青い炎。温度はそのたびに高まり、クラーマーの法衣が煙を出して燃え始めた。
クラーマー「熱いっ!やめろっ!」法衣を脱いで地面にたたき付けながら火を消そうと奮闘するクラーマー。「水を、水をくれっ!」
クラーマーの頭上から大量の氷水が振ってきて、裸のクラーマーはずぶ濡れになった。
女神「地上ではずいぶんたくさんの人々を無慈悲に燃やしたらしいが、燃やされる熱さがわかったかな?」
「神よ...」震えながらクラーマーは天を仰いだ。
クラーマー「私が信仰のためと信じて行ってきたことが神の真意に反していたのでしょうか?これはその報いとして与えられた苦行なのですか?ならば受け入れます。凍え死んでも、焼け死んでも、それが神の思し召しなら受け入れましょう。」クラーマーは裸のまま十字を切って手を合わせた。
女神「上を向いても誰もおらんぞ。とりあえず、異世界に送り込まれる前に何か言いたいことはあるか?何か願いはないのか?必ずしもかなえてやれるかわからんが。」
クラーマー「異世界で信仰を広める力が欲しい。」
女神「新しい教団でも作るのか?それは無理だな。あきらめろ。」
クラーマー「正義を貫く力が欲しい。」
女神「何だ、戦闘力や魔力が欲しいのか?」
クラーマー「悪を滅して魂を救済する力。浄化の炎を自在に繰り出せる力。」
女神「なんだ、結局は火力が欲しいだけではないか。火のチートスキルを与えると異世界が焼け野原になるからダメだな。おまえには、そうだな、餓死しないスキルをくれてやろう。異世界に落ちたら、尻の穴から無限にパンが出る。それを食ってれば餓死することはない。では、行ってこい!」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
セレス「どうです?異端審問官の末路。」
セラピオン「うぐぐぐぐ....おまえら、天使の姿に擬態した悪魔だな!」
フェリシア「うわー、逆ギレだよ、かっこわる!」
セレス「天使に逆らう司祭ってどうなの?」
フェリシア「神罰かなあ?」
ロミュアルド「お待ちください、御使い様!セラピオン司祭は混乱しているだけなのです。どうか神罰はご勘弁ください。」
セレス「そーお?かわいい若司祭が取りなすってなら考えてあげても良いかな。」
フェリシア「デコピンで許してあげる。」
セレス「神様には言いつけるけどね。」
天使たちはセラピオンにデコピンを食らわしてから消えた。
桜「うわー、さすがに目の前に降臨されると神々しいわ。」
翼「信者じゃないのに思わず跪きたくなっちゃった。」
紬「圧倒されて動画撮るの忘れた。」
桜「ねえ、ロミュアルド、こんなおじさんほっといて、私たちと行こう。」
翼「愛の館へ。」
廊下に出るとバルバラが手を合わせて跪いていた。天使たちの姿を目撃したからだろう。これで証人ゲットだ。ロミュアルドの寝室には天使の羽根がたくさん落ちている。これが物証になる。
桜「うちらと馬車に乗ってクラリモンドの館へ行くんだよ。」
翼「もう後先考えないで愛の生活に飛び込むんだ。」
紬「死ぬまでクラリモンドと愛し合うんだよ。」
館に到着する前にJKトリオの姿はだんだん薄くなりアストラル体になって消えた。ロミュアルドには、彼女たちも天使のように思えたことだろう。
セラピオンはこのあとどうなるか...知ったこっちゃないですね。セレスとフェリシアは、「人文知は役立たず」というラノベでコンカフェのスタッフをしていました。




