JK旅団が転移したパリには絶世の美女がいた...もちろん金髪で巨乳
JK旅団が転移した先はパリの大聖堂でした。叙階式は、確かにクラスチェンジですね。上位職への。
桜「ふう、戻った。現代の渋谷。」
翼「ふう、戻った、行ってくる、現代のトイレ。」
紬「私、現代のシャワー。」
桜「おまえら、余韻もへったくれもないな。」
女神「おお、戻ったな....ん?桜1人か?」
桜「あ、女神様、あの2人は速攻でトイレとシャワーに行きましたよ。」
女神「そうか。城では苦労したようだからな。」
桜「そうですよ。何とかならないんですか、トイレ問題。」
女神「無理だな。それが歴史のリアルだ。聖アウグスティヌスは言った。inter faeces et urinam nascimur. 人間は糞と尿の間から生まれる。どうだ、深いだろ?」
桜「それは深いじゃなくて不快ですぅ。」
女神「いや、そうシンプルに返されると、ジャック・ラカンとかかっこ良いことが言えなくなるじゃないか。」
桜「女神様にかっこいい言葉は求められていませんよ。」
翼&紬「あれ、女神様、いらっしゃい。」
女神「おお、3人揃ったな。では褒美を取らせよう。今回は全員がMVPだ。ほれ、ネクタルプリン。今ここで食べて良いぞ。」
桜&翼&紬「今ここでは絶対にイヤ!」
女神「まあ良いだろう。夜のお楽しみということにして、きょうはここまでにして帰って良いぞ。明日また転移だ。今から言っておくが、転移先はパリ、時代はこの前と同じ...あれ?忘れた...19世紀半ばだから今回とも同じようなものだ。パリなのでカネさえあればそこそこ快適なはず。しっかり準備するんだな。」
桜「いつもながらね...」
翼「それが持ち味だからね。」
紬「人間だと思うと腹立たしいけど人間じゃないからなあ。」
桜「ヴィオレッタを助けたときのお金がまだ2000フラン以上残ってる。」
翼「あの高級ホテルのスイート、たしか一泊50フランだから楽勝だ。」
紬「ひとつ30フランで売れたペンダントも30個ある。」
桜「豪遊転移になるね。良かった。うちら、お金の心配は似合わないよ。」
翼「それな。港区のお嬢様だからね。」
桜「それじゃいつものように秋葉の防犯グッズ屋と渋谷のモンベルとコンビニで物資を補充してから家に帰ろう。プリン食べて宿題しようぜ。」
紬「えーと、宿題してからプリン食べようよ...」
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女神「フンフンフーン♩」
青水「何だ?機嫌が良いな。」
女神「今度はもっとディープな恋のお話だからね。」
翡翠「19世紀のパリ...恋のお話...良かった...私は行ったことがない物語だわ、きっと。」
青水「さて、どうだろうな。意外なところで関係しているかも知れないぞ。」
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桜「おはよー!みんなテカテカしてるね。」
翼「テラテラかもしれない。」
紬「艶々かな。」
桜「私服、持ってきたよね?」
翼「19世紀でもあまり浮かない感じのやつ選んできた。」
紬「経験値は大事。ショーパンとかで行ったら通報される。」
桜「女神様のこだわりで制服スタートだよね。」
翼「ダルいけどしょうがない。」
桜「あ、来た来た!」
翼「アストラール...」
紬「トランスフォーム!」
桜「ここはどこだろう?」
翼「紬、トランスフォームって、後半を勝手にいろいろ変えるなよ。」
紬「へっへっへ、かっこいいっしょ。」
桜「ここはどこだ?……教会だ、これは。」
翼「何の変哲もない教会だね。」
紬「変哲のある教会を区別できるのか?」
翼「いや、そりゃできないけど...その...サイズ的に...」
桜「中へ入ってみよう。」
翼「何か式典をやってる。」
紬「偉い坊さんが若手に何か授けてる感じ?」
桜「キリスト教のことわかんないけど、たぶんクラスチェンジ的なやつだよ、きっと。」
翼「あ、終わった。クラスチェンジしてうれしそうな若手が出てくる。」
紬「イベントがあるかも知れないからうちらも外へ出よう。」
桜「すごい美人がさっきのお坊さんに話しかけてる。」
紬「こいつはキツいっすね、童貞に極上美女...」
翼「たぶんイベントの始まりだから、紬、何言ってるか教えて。」
紬「紬本人には無理です。紬AIに任せます。(……翻訳アプリの音声モードをセット)」
美女「あなたが私のものになれば(Si tu veux être à moi.)神様があなたを天国に迎え入れるよりずっと幸せにしてあげましょう。私は美です(je suis la beauté,)、私は若さです(je suis la jeunesse)、私は命です,(je sui la vie)。私たちは愛そのものになりましょう(Nous serons l’amour.)」
桜「うわー、いきなり逆ナンかよ!」
翼「どうする、童貞僧侶、たぶん成り立て司祭!」
紬「十字架を捨てて美女の手を取り逃亡....はできんよな。」
桜「フランス語はわからないけど、台詞がかっこよかった。1ミリも躊躇いがない清々しい誘惑。」
翼「私は美!」
紬「私は若さ!」
桜「私は命!」
桜&翼&紬「私たちは愛そのもの! …… キャーッ!」
美女は3人をチラ見して、それから青年僧侶を再び見た。そして気付いた。彼が叙階式を終えて司祭に就任したことを。
美女「Malheureux,malheureux, qu’as tu fait?(哀れな人、何てことをしてくれたの?)」
紬「あ、怒ってる。何てことしてくれたんだ、って...」
翼「司祭になったことが気に入らないのね、恋ができないから。」
桜「これでイベント決定だ。童貞司祭と積極美女のラブアフェア!」
翼「週刊誌かよ!雰囲気を壊さないで。」
紬「頭ではわかってるのに身体が...」
翼「もっと悪いわ!」
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翡翠「あ、私あの人知ってます!」
青水「そうだろ?会ってるんだよ、翡翠は。」
翡翠「タイムトラベルの前の物語で。」
青水「そうだ、“巫女とサキュバスと異世界と、そして人文知は役立たず”だ。おまえ、彼女に斬りかかりそうになったな。」
翡翠「はい、私の初出は“ジョアンナ・ヴァン・ヘルシング ――The Vampire Queen”ですから、ヴァンパイアとの相性は最悪なんです。」
青水「まあ、そのあとは仲良くなってくれて良かったよ。」
女神「あー、昔のことだから忘れていたけど、私も活躍したんだっけ。あのヴァンパイア、クラリモンドと言ったっけ....あいつを祓いに異端審問官が来てな、私がボコボコにした。」
青水「記憶が混濁してるぞ。まあいいだろう。ボロボロのケチョンケチョンになった異端審問官に優しく手を差し伸べたのがクラリモンドだった。愛を知らないからこんな人になっちゃったって庇ってくれた。」
翡翠「懐かしいですね...」
女神「懐かしいな。コンカフェにはいっぱい仲間もいたしな....」
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介入する作品はテオフィール・ゴーティエの「死霊の恋」、ラフカディオ・ハーンが英訳したこともあります。そしてそれを芥川龍之介が日本語に翻訳したことも。そのときはまだ「吸血鬼」という日本語がなかったので、芥川は「夜叉」と訳しました。




