酔っ払った紬がエッチの盗撮動画を提案するが、台所へ連行される
19世紀のパリですから、確かに日本の法律の管轄外ですね。犯罪が成立するのはその管轄内での話なので、現実に16歳のアイドルがドイツでワインを飲んでも法的には全く問題ないのです。
夜会が盛り上がってきたころ、ヴィオレッタは客たちに何も告げずに寝室へ引っ込んだ。それに気づいたのはアルフレードだけだった。彼はヴィオレッタを追って寝室へ入った。
アルフレード「ヴィオレッタ、顔色が悪かったけど大丈夫か?」
ヴィオレッタ「ああ、アルフレード、こんなところまで入ってきてはダメ。私は...大丈夫...ゴホッゴホッ...」
アルフレード「咳き込んでいるじゃないか。そして目も潤んでいる。熱があるんじゃないのか?」
ヴィオレッタ「す、すぐに戻るわ。あなたは先に行ってて。」
アルフレード「こんな君をほっとけないよ。愛してるんだ、ヴィオレッタ...」
ヴィオレッタ「ズルいわ...弱ってるときに突然そんな告白をするなんて...」
アルフレード「愛してるから守りたいんだ、愛する君を守りたい。」
ヴィオレッタ「ああ、アルフレード...心に刺さる愛という言葉...でも待って...良く考えて、私がどんな女なのかを。わかってるんでしょ、クルティザンヌなのよ。殿方にとってのひとときの慰め....気まぐれで手に取る一輪の花。そう、この椿の花のように。」
アルフレード「君はぼくにとって永遠の花です。一生守り続けたい。これは今突然に沸き起こった感情ではないんだ。去年から、幸運にもベランダに立つ君を見てからずっと、そしてベランダに出なくなった君が病気で伏せっていると聞いてからもずっと、ぼくは毎日ベランダの下に立ち続けた。初めての恋にときめいて...」
ヴィオレッタ「そんな激しい恋には耐えられないわ。私のことは忘れて、他の女性を探しなさい。」
アルフレード「そんなことはできない。恋はたったひとつのもの。もう一度言う。君はぼくにとって唯一の永遠の花なんだ。」
ヴィオレッタ「なら友情の印にこの椿の花をあげるわ。すぐ枯れてしまうけど...儚い愛のように。」
アルフレード「枯れる前にまた来る。何度でも。」
ヴィオレッタ「帰る前に、アルフレード、もう一度だけ...愛してると言って...」
アルフレード「何度でも...」
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女神「来た来た来たー!愛の告白からのコロラトゥーラ!千々に乱れる女心!はっはっはー、このあと死ぬかと思うと泣けてくるなあ、おい?」
翡翠「全然泣いてないじゃありませんか。シャンパンがぶ飲みして笑ってますよね。」
青水「女神に泣きの涙は備わっていないんだ。そんなことしたらキャラ崩壊だからな。翡翠、おまえだってそうだぞ。俺がそう作ったんだから泣けるはずがない。」
翡翠「くっ...青水さん、ドンペリのピンクを持ってきて...早く!」
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桜「ヴィオレッタさんもアルフレードさんもいなくなっちゃった。」
紬「寝室でエッチしてる、うん、きっとしてる。動画撮りに行こうかな。」
翼「あんた、顔が赤いわよ。まさかシャンパンで酔っ払ってる?」
紬「はい?なんれすか?酔ってなんていましぇんにょ。」
桜「ちょっと台所に連れて行って白湯でも飲ませよう。このままだと破廉恥なことをやらかすぞ、こいつ。」
アンニーナ「あら皆さん、どうされました?」
桜「このバカがシャンパンで酔っ払ったので白湯をもらえますか?」
アンニーナ「あらまあ、ちょっとお待ちを。…… はいどうぞ。」
翼「さあ紬、ぐっと飲め。」
紬「わー、温いですー。でもお腹に優しい。」
桜「アンニーナさん、ヴィオレッタさんがいなくなったんだけど。」
アンニーナ「きっと発作が起こったのね。いつものことなんです。咳き込んで熱が出る。」
翼「お医者さんには診せてるの?」
アンニーナ「はい。先生は今の生活環境のままでは治らないと。」
翼「(確か肺結核だったわね....検索してみよう)あった、これだ...19世紀には効果的な薬剤は開発されていない。進行を遅らせるためには転地療養が有効...」
桜「どこか静かで空気の綺麗な場所に移るべきなのですか?」
アンニーナ「でもヴィオレッタ様はパリでの華やかな暮らしを続けなければ生活できません。」
桜「失礼ですが、ヴィオレッタさんの生活はどなたか殿方に支えられているのですね?」
アンニーナ「そうです。裕福なドゥフォール男爵という方がパトロンです。この家もドレスも宝石も、すべて男爵からの贈り物です。ヴィオレッタ様のお仕事は、ドゥフォール男爵の愛妾として輝き、男爵を飾り立ててその偉容を示すことです。」
桜「教えていただいてありがとうございます。私たち、今夜はこのまま失礼します。このポンコツがこれ以上迷惑をかけないうちに。」
紬「オルヴォワール、マダム!」
その夜、ホテルに戻った紬はそのままドレスを乱雑に脱ぎ捨ててすぐに爆睡してしまった。
桜「まあ仕方ないか。初めてのシャンパンだから加減がわからない。」
翼「桜はわかるの?」
桜「うん、実は家の冷蔵庫に栓をしたシャンパンを発見してさ、栓を開けて残すなんてシャンパンに失礼だろと思って残りを飲んでやった。」
翼「うわ、良く炎上する女子高生飲酒!」
桜「実家だから安全。1/3ぐらい残ってたんだけど、自分でもわかるくらい酔っ払っちゃって、半分残った理性でギリ耐えて、SNSに変なことを書かずに済んだ。」
翼「よくぞ耐えた。」
翌朝になって紬は誰よりも早く元気に起きた。
紬「おはよー、巴里!夜会デビューを華麗に済ませて元気満々、勇気凜々の私だよ!イェイッ!」
桜「うっ、朝っぱらから迷惑なテンションだ。」
翼「何が華麗なデビューだ、このタコ!酔っ払い猫をここまで運んできたんだぞ。」
紬「え、そうだったの?私、3杯目までは覚えてるけど、そのあとの記憶が曖昧で。」
桜「じゃあ、成人してからのお約束だ。シャンパンは3杯でストップ、良いな?」
紬「わかった。善処する。ところで...この脱ぎ散らかしたドレス、どうしよう?」
桜「コンシェルジュに言ってクリーニングに出すしかない。私たちも綺麗に脱げなかった。」
翼「じゃあ朝食に行って今後の作戦会議だね。どうする?キャンパーで行く、それとも武装宝石商人?」
桜「機動性を考えると袴だな。すぐ動けるし。」
紬「ふう、夜会の翌日のカフェオレは良いな。身体が癒やされる。巴里の大人の知恵だね、これ。」
桜「確かに。カフェインと糖分と脂肪の絶妙のハーモニー。」
翼「ラクトースの美技。」
桜「じゃあオペラ1幕のまとめだ。ヴィオレッタはアルフレードに惚れてしまった。まあ若くてストレートな求愛に、社交界の手練手管に疲れていたハートがコロリと行った感じだね。」
翼「そしてオペラでは描かれていないけど、第2幕で2人はパリから逃れて郊外で静かに暮らす。」
紬「だけどその生活はヴィオレッタが持ち物を切り売りして得たお金で賄われる。」
桜「それを知ったアルフレードはひどく恥じて、パリへ金策へ出かける。オペラでは具体的にどう金策するのか描かれていない。ただその場から退場するということ。」
翼「その空白期間にアルフレードのパパが登場してヴィオレッタに別れるよう迫る。」
紬「ヴィオレッタはアルフレードの将来を案じてパパの提案を受け入れるという苦渋の決断。」
桜「何だかんだあって、アルフレードはヴィオレッタが心変わりして自分を裏切ったと思い込む。悲劇の始まり。ここまでで何かできることは?」
翼「アルフレードのパパを足止め。」
紬「足止めしてもそのうち来るじゃん。」
翼「なら死んでもらう。」
桜「おまえら、役回りが逆転してるぞ。」
紬「私、そんな過激なことを言うキャラじゃないよ。」
桜「まあともかく、それじゃ女神様は満足しない。もっと上手いことやらないと。2幕の後半まで見てみよう。」
翼「クルティザンヌ仲間のフローラというのが登場して、パリ市内でかつてのように大人の夜会が連日開催。仮面舞踏会に潜入していたアルフレードとドゥフォール男爵にエスコートされたヴィオレッタが鉢合わせ。」
紬「喧嘩するしかない。まずはカード勝負。アルフレードが勝ちまくる。調子に乗ってヴィオレッタに復縁を迫るアルフレード坊や。」
桜「だけどアルフレードのパパに約束したのでヴィオレッタは受け入れられない。ドゥフォールを愛してると嘘をつく。そこでブチ切れたアルフレードはドゥフォールに賭けで勝ち取った金を投げつけて侮辱。決闘話になる。さて、どうする?」
翼「アルフレードをどうにか冷静にしないとどうにもならないよ。」
紬「ヴィオレッタを長生きさせるためにも、しっかり静養させなければダメだね。」
桜「まだ時間的余裕はあるからしっかり策を練ろう。」
元気JKは二日酔いにはなりません。オペラの筋をたどりながら落とし所を考えるJKトリオ。果たしてどのように解決するのでしょう?




