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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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カフェオレとクロワッサンでパリジェンヌのプティデジュネ、そして武装宝石商旅団

イベントの対象が確定しました。さて、どう介入できるのか、腕の見せ所ですね。

男「君たち、興味深いね。ぼくはガストーネ、いちおう子爵だ。名前を訊いても良いかな?」


桜「私は桜、この子は翼、そして少しフランス語を話せるこの子は紬です。」


ガストーネ「桜、翼、紬、知り合えて光栄だよ。じゃあ紹介するね。この女性はヴィオレッタ、そしてヴィオレッタに熱い視線を送り続けているのがぼくの友人アルフレードだ。きょうは彼をヴィオレッタに正式に紹介するために来たんだ。長く秘めた恋だったからね。」


アルフレード「ちょっとガストーネ、そんな直裁に。」


桜「あははあ、そーだったんですね。(翼に目配せ)」


翼「(ガストーネ、アルフレード、ヴィオレッタ……わかった!)秘めた恋がみんなに祝福されると良いですね。」


紬「(ラ・トラヴィアータ....椿姫だ。本当はイタリア語のオペラなんだけど、うちらの作者がイタリア語さっぱりなのでフランス語になってる。)恋は一途でなければならないというのは私たちの国でも同じですよ。」


ヴィオレッタ「ガストーネ、これじゃあなたが言ってしまったも同然じゃないの。告白は二人きりのときにするものよ。間に入った人が伝えてはダメなので、今のは聞かなかったことにします。」



桜「アルフレード、がんば!」


紬「Combat!」


翼「ネタの精度がひどい!」


ヴィオレッタ「明日の夜、うちでパーティをするわ。みんな来てくださいね。デモワゼル・ジャポネーズもぜひ。」


桜&翼&紬「喜んで~!」


ヴィオレッタ「また明日。」


****************************************


女神「いきなり突入で受け入れさせたぞ。胆力すごいな。」


翡翠「私は女神様と分身たちの力を総動員して近づいたのでした。」


女神「今回とは作戦内容がまるで違う。あのときはマルグリットの借金返済と男たちからの自立という、カネで殴る戦いだった。」


翡翠「今度もヴィオレッタの病死を回避するという点は同じですね。」


女神「そうだな。どうするかはJKたち次第だが。」


****************************************


桜「良し、接触成功だ。」


翼「明日ドレスが届くからそれを着てパーティへ行こう。」


紬「ふふふ、貴族のサロンパーティに出る貴婦人の私...」


桜「動画撮影は禁止だ、紬。スマホは翻訳機能だけ。」


翼「動画なんてとんでもない。映画技術は50年後、色彩動画は100年後の技術だよ。」


紬「へーい。で、うちらは2人の恋を応援する感じ?」


翼「応援してもしなくても恋は成就するの。あらすじを言うと、ヴィオレッタとアルフレードは都会を離れて新居で同棲。そこへアルフレードの父親が訪ねてきて、家の名誉のために別れてくれと言う。自分がいるとアルフレードはダメになると思ったヴィオレッタは、黙って身を引いて元の愛妾生活に戻るが、持病の結核が悪化する。死ぬ間際に誤解が解けたアルフレードと再会して愛の喜びに包まれてご臨終。」


桜「ふむ、当面の恋の成就は確定だから、誤解とご臨終がポイントか。明日のパーティでもう少し観察しようか。」


翼「お腹空いたけど、パリの食事は信用できない。」


紬「安定のリゾッタだね。お湯をもらってくる。」



 リゾッタとお菓子で食事を終えて、3人はお風呂に入り、速乾性下着を洗濯し、女子トークをしながら眠りについた。桜は金銀財宝の、翼はモテモテの、紬はちょっとエッチな夢を見た。



桜「ボンジュール!」


翼「セッシボン!」


紬「ボー・マタン!」


桜「パリのお目覚め、最高!」


翼「朝食なら安全じゃないかな。カフェオレとクロワッサン。」


紬「危険要素がゼロ、ぜひ行こう。」



挿絵(By みてみん)



桜「服がモンベルキャンパーじゃなければ雰囲気は最高ね。」


紬「ストレージの上限があるから持てるアイテムには限りがあるのがこのゲームの難しいところ。」


翼「可愛いワンピでここでプティデジュネしたかった。」


桜「パーティは夜だから、昼間のうちに人工宝石を売りさばこうか。」


翼「天然物ですと言わなければ無実。」


桜「確かに...詐欺ではない。」


翼「うちらが持っているのはヨシヨシジュエリーショップで開発した合成宝石アミアージュのシリーズ。ショップの説明では、人工でもなく、模造でもない、高度な合成宝石となってる。作り方はよくわかんない。」


紬「綺麗に見えればそれで良いよ。ひとつ15000円~30000円のを30個買ってきた。」


桜「60万円の元手をいくらに増やすか?よし、この30000円の合成エメラルドを写真に撮ってチャッピーに訊いてみよう。


翼「部屋に戻ってからね。食堂で宝石を出してスマホで撮影なんてしないでよ。」


桜「ちげーねー。危なかった。」



桜「さて、改めましてチャッピーくん、この天然エメラルド、妥当なお値段は? ………… 100万~200万円ですと。」


紬「私のチャッピーくんは、1850年に持ち込めば2000~3000フランと答えた。」


桜「これが一番高かった...ということは、全部で6~7万フランにはなりそう。」


翼「じゃあ説明書を作ろう。お値段付けて。」


紬「全部日本の鉱山で採れたことにする。鉱山じゃなくてショップだけど。あ、そうだ、日本で取れたにすれば嘘ついてない。」


桜「もう被告人席での弁明を考えてるのがすごい。」



紬「できた!では各々方、出陣しようではないか、武装宝石商旅団!」



紬「Bonjour, monsieur! Nous sommes bijoutières japonaises.(私たちは日本の宝石商です。)」


スタッフ「Bonjour! Eh pardon, bijoutières ... comment?(えーと、宝石商...何ですって?)」


紬「du Japon.(日本から来たの。)」


スタッフ「Du Japon ? Ah, je sais. Le Japon… c’est un pays lointain.(日本?ああ、知っていますよ、日本...遠い国ですね。)」


 フランス語会話が限界に近づいてきたので紬は用意した説明書を出した。


紬「Lisez ceci, s'il vous plaît!(これを読んでください)」


 店員は数枚の書類を読み、奥に声をかけた。店主らしき人物が現れた。店員は書類を渡し、店主らしき男性はそれに目を通し、視線を書類と紬たちの間で何度か交差させた。その様子を見て紬はルースが入ったケースを取り出し、蓋を開けた。そこには紙が挟まれており、フランス語で「鑑定してお気に召したのがあればどうぞお買い上げください」と書いてあった。店主らしき人物はおもむろにルーペを手に取り鑑定を始めた。その唇が「エメロード」と呟いている。紬はスマホの翻訳アプリを音声モードにし、イヤフォン出力にした。桜と翼もそれに倣った。


店主「混合物がほとんど見られない上質のエメラルドだ....なかなか目にすることができない希少な品だ....」



 桜たちは目を合わせて小さくニンマリした。


店主「素晴らしい。2500フランですか。ぜひ買わせていただきましょう。」


 桜が特殊スキル高速入力で店主に次の文章を突きつけた。


桜「それが最も高価な石です。そのほかに29個あります。一番安いのが1000フランです。どうぞ、好きなだけ鑑定して購入をご検討ください。」


 店主はケースに並ぶルビーやサファイアやアクアマリンのルースを手に取り、光にかざし、ため息を漏らした。そして改めてルーペを手に取り検証して頷いている。


店主「素晴らしい。価格の設定も良心的です。日本産を取り扱ったことはないのですが、衝撃的な品質です。すべて買い取りましょう。ただし、これだけの現金はすぐに用意できません。シェック・ド・ロシールをお渡しします。それでかまいませんか?」


紬「Oui, monsieur! Pas de probleme. En fait, c'est même mieux.(ええ、かまわなくってよ。むしろそのほうが良いわ。)」


紬さん、フランス語の修羅場をくぐってきたので実践力が上がってきましたね。堂々としたお姫様ムーブ。だけどお笑いの精度は微妙。

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