次は金がかかる19世紀のパリだ。金策の準備をしないと詰む。
雅...でもなかったかぐや姫の世界から帰還したJKトリオを待っていたのは...
桜「ふう戻ってきた。何だか疲れた。」
翼「異星人が相手だったからね。」
紬「結局、かぐやを説得して帝と別れさせたの?」
翼「別れさせるって言うか、そもそも恋愛という感情がない文化だから、赤裸々な真実を帝に告げることで幕引き。」
紬「なるほど、やっぱりエッチできないと。」
翼「いや、あんたと違うからそういうことは言わせてない。」
女神「やあやあご苦労様!今回のMVPは、もちろん翼だ。会談の議長を務め、かぐや姫を追い込み、縦横無尽の活躍だったな。これは褒美のケーキ“神々の休息”だ。アンブローシアのスポンジにネクタルのムースがかかっている逸品だ。家に帰ったら食べなさい。」
翼「ありがとうございます。わー、美味しそう!」
女神「ところで紬よ、異星人と交尾できるか興味があるようだが、教えてやろう。基本的にできない。昆虫を考えてみよう。無数の近接種がある。ふつうに考えれば闇雲に交尾して雑種が増えて種が根絶してしまう。しかし偉大な自然は策を講じた。外性器の不適合だ。つまりチンコがマンコに入らない仕組みになっている。物理的に交尾できないようにデザインされている。異星人と地球人の場合も事情は同じ。だから宇宙に上がっても混血児を産むことはないので安心して良いぞ。」
紬「ありがとうございます。ためになりました。これで安心して宇宙に上がれます。」
女神「今回は十分活躍したのでこれで解散。自宅に戻って回復するが良い。明日転移するのは19世紀半ばのフランス。社交界などが舞台となる物語なので、今から言っておくが、金策の用意をしておかないと詰むぞ。それではサラダバー!」
桜「金策か...今まで見たいにガシャポンでは上手く行きそうにない。19世紀半ば...歴史はあまり得意じゃないけど、たぶん帝国主義で世界中の富がヨーロッパに流れ込んでいてみんな目が肥えているから、中途半端な品では金策ができそうもない。」
翼「こっちでもそこそこの価値あるもので、1850年にはまだ存在してなかったものとか?」
紬「そういうアイテムを揃えるにはそれなりの元手が必要だね。でかい商売になる。」
桜「前にトリスタンからもらった金貨、まだ温存してあるので換金しよう。」
翼「あれは歴史的価値がありそうだし、状態も良いので高く買ってもらえそう。」
紬「手元にあるエキュと江戸の古銭も売り払うとして、たぶん30万円くらい。」
桜「金貨と合わせて50万円ぐらいかな。わりとしょぼい。」
翼「その元手で何を仕入れるか....?」
紬「こういうときこそチャッピーくんだよ。訊いてみるね。………… えーと、19世紀半ばにはまだ知られていなかった宝石...クンツァイト、モルガナイト...それと、イミテーションジェム...キュービックジルコニア、人工ルビー、人工サファイア、人工エメラルド、オパライト....人工宝石は自然宝石より品質と見栄えが良くて、当時の技術では人工と判定することは不可能。」
桜「ワーオ、悪の香りに包まれそう。」
翼「まず銀座に行って換金し、その元手を持って御徒町のセレナでクンツァイトやモルガナイト、次は文京区本郷の浅井工芸と池袋東武デパートのヨシヨシジュエリーショップだ。」
紬「何か足りない気がする。アムステルダムで買ったポワン・ド・ガーズでひとり40万入ったじゃん。あれの半分を拠出して元手100万超えにしよう。」
桜「貴族向けはそれでいいとして、当座の滞在資金は市民相手に蓄光アクセを安くばらまくのは?」
翼「ガシャポンはもう通用しないだろうから、翌日置き配のオンラインショップでポチろう。1500~3000円くらいで見栄えの良いのがいっぱいある。ほら、これなんかクラゲが入ってるよ。」
桜「自分でも欲しいのがいっぱいあるねえ。20個揃えよう。」
翼「ちょっと待って....ホテルのトイレ....あ、大丈夫だ。高い部屋なら簡易水洗トイレが付いている。」
紬「さすが翼、かつてゲリラ兵の蜂起に苦しんだ過去を持つ女。」
銀座2丁目の泰星スタンプ・コインは切手の取り扱いを止め、泰星コインと名を変えていた。昭和のころに訪れたのが最後なので、今回の店主は3人を知らない。
店主「いらっしゃい。」
桜「まずこの13世紀の金貨なんですけど。」
店主「おお、ビザントかい。中世の金貨としては一番有名だね。どれ見せてみなさい。…… ふむふむ、驚くほど状態が良い。まるで昨日まで流通していたような。ビザントは金含有量ではなくて歴史的価値で価格が決まるものだが …… よろしい。30万円で買い取ろう。」
桜「ありがとうございます。次に18世紀のフランスのコインです。」
店主「これも状態が良いねえ。エキュは流通数が多いので希少性は少ないんだが、ここまで状態が良いのは珍しい。全部合わせて25万円でどうだ?」
桜「かまいません。ありがとうございます。そして最後に江戸時代の通貨です。」
店主「次から次にいろいろ出てくるね。」
桜「実家が建て替えで倉を壊すので....」
店主「ふむ、どれどれ....これも状態が良い。君の家は博物館かね。まるで昨日まで流通していたような状態だよ。そうだなあ....15万円でどうだろう?」
桜「ありがとうございます。それでけっこうです。」
店主「それじゃあ合計70万円だ。はい、ここに印鑑を押して。」
翼「よーし、予定より多くなったぞ。これに皆が拠出した60万円を足すと130万円の軍資金だ。これを持って御徒町だ。」
紬「ふっふっふ、買い付け買い付け、ジェムの買い付け♩」
桜「御徒町のセレナでは、19世紀にまだ発見されていないクンツァイトとモルガナイトのルースを買い付けるよ。サイズが大きいと売りさばくのが大変なので、指先程度の大きさが目当てだ。30万円ほど買い付けよう。」
翼&紬「らじゃ!」
桜「これはパリの宝石商の関心を買うためのアイテムなので、儲けの中心ではないよ。見たことがない宝石を持ち込んだ異邦人を演出する。」
翼「儲けの中心は人工宝石だね。こっちは元値の30~50倍になる。」
紬「売るときに“本物”とか“自然の”とか言わなければ not guilty。」
桜「行こう、文京区本郷の浅井工芸と池袋東武デパートのヨシヨシジュエリーショップへ。」
翼「ふう、人工宝石のルースとはいえ、3~5万円ぐらいの品を100万円分買い込んだので緊張した。セーフハウスがあって良かった。そのうちここに金庫を設置しよう。」
桜「では明日に備えて解散。しっかり睡眠を取ろうね。」
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翡翠「女神様、ひょっとして今度の転移先って....」
女神「ふふ、気付いたかい?そうだよ、椿姫だ。」
翡翠「あの超絶バブルの金満地獄ですか?女子高生を投げ込むのは過酷すぎます。」
青水「あのときは女神がダイヤモンドドラゴンを屠って大量のダイヤを持ち込んだっけな。」
翡翠「そうですよ、女神の馬鹿力でダイヤモンドドラゴンをバリバリって壊して破片を持ってきました。オデオン座の前で大きすぎるダイヤの塊を指先でフンッって粉砕しましたよね。」
女神「馬鹿力って言うな。私はおまえのためにパシリとなってニューヨークやらロンドンの宝石店を回り、コスプレしてダイヤモンドのロンダリングに奔走したんだぞ。」
青水「めっちゃ楽しそうだったがな。」
翡翠「女神様が大量のダイヤモンドをバレないように小出しに世界市場で換金しなければならないほど過酷な金満地獄に女子高校生を投入するなんて...」
女神「なーに、あいつらならやってくれるさ。」
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怪物じみた女神の完全サポートで事に当たった翡翠さんとは違って、JKトリオは金満貴族が跋扈する19世紀半ばのパリでやっていけるのでしょうか?




