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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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フランケンシュタインはあの怪物じゃないんだよ、そして兄妹でクンカクンカはしないんだよ

ドイツだっていうから身構えていたら、まさかの作家が英語圏。メアリ・シェリーの母親もメアリという名前で、メアリ・ウォルストンクラフト。「女権の擁護」を書いた元祖フェミニストです。

桜「ふう、さすがに今日はこれで終わりで帰宅だよね。」


翼「そうでなければブラック転移だ。黒女神だ。」


紬「帰ったらともかくお風呂だ。日本人は風呂だ。」


翼「それ、たまに英作文に出るよね。“日本人は風呂だ”って出題されて、”The Japanese are bath.”って書いて×にされる。」


桜「シンプルデジタル脳。」



女神「ご苦労だったな。とくに紬、今回のMVPはおまえだ。このネクタル飴をやろう。では解散して明日に備えること。」



****************************************



青水「おい、女神よ、おまえ黒女神って呼ばれてたぞ。」


女神「そうか、ちょっとかっこいいな。ブラック・ガッデス。強そうだ。」


青水「付き合いが長いからおまえの目の動きでわかった。コスプレしようとしただろ。」



挿絵(By みてみん)



女神「うん、なかなか強そうだ。これからこの姿で顕現しようかな。」


翡翠「まるでデビルクイーンかヴァンパイアクイーンじゃないですか。JKトリオが怖がるのでやめてください。」


青水「そういえば翡翠も桃太郎と浦島太郎の物語に介入したよな。」


翡翠「はい、桃太郎はその誕生前に....あ、ダメです!これは本当にダメなやつです。もし全文引用したら、液体窒素を限定空間に顕現させて青水さんを氷像に変えます。」


女神「あのときは本当に大変そうだったな。おかげでダイアモンドドラゴンを屠ってキラキラがたくさん降ってきてご相伴に与れたわ。」


青水「ああ、ここでそんな無粋な真似はしないよ。ただアーカイブには残ってるから、探し当てた人の目には止まるだろうけどな。」



****************************************


桜「おはよう、みんな。」


翼「おはよう、みんなよく眠れた?」


紬「んふん、おはよう...」


桜「あれ、紬、なんだかつやつやしてない?」


翼「なんだか女っぷりが上がったっていうか、色っぽくなったというか...ファンデーション変えた?」


紬「い、いや、別に...」


桜「きょうはどこに飛ばされるんだろうねー?」


翼「そういえばしばらく外国語圏に行ってない。」


紬「あれ、結構ストレスよね。」



女神「やあ諸君、自宅でリカバーできたかな?ふっふっふ、紬、ネクタル飴は堪能できたか?さて、今回も元気に出発してもらおう。行き先は19世紀初頭のドイツだ。行けばわかる。」



桜「あれ、ここはどこかな?学校?いや、たぶん大学だと思う。」


翼「理系学部だよね。昔だから白衣は着てないけど。」


紬「あっちが講義室だよ。人がたくさんいるから講義の時間なのかな。聞いてもちんぷんかんぷんだけど、イベントは人とともに起こるので行ってみよう。」



 立派な髭を蓄えた教授が黒板に数式と図を書きながら熱心に話をしている。学生たちは手元のノートに講義内容を書き写している。よく見るとひとりだけ、講義に集中せずにスマホ...ではもちろんなく、大判のノートに講義とは別のテンポで熱心に何か書き込んでいる。いわゆる内職というやつだ。



桜「あの人、すごく熱心に内職してるよ。」


翼「あんなんするくらいなら講義に出なければ良いのに。」


紬「ドイツの大学で出欠なんて取りそうもないからね。」


桜「あ、講義が終わった。」


翼「ねえ、さっきの人が教授のところへ歩いて行ったよ。剣呑な顔つきで。」


紬「議論を吹っかけるのかな。講義聴いていなかったくせに。」


桜「あれ?ここドイツだよね?あの人、英語喋ってる。」


紬「教授にムッシュって言ってる。」


翼「これはまたあれだね。この物語の作者が英語圏の人で、あの登場人物はフランス人という設定なのかも知れない。」


桜「あ、教授が怒ってる。議論と言うより喧嘩だ。」


翼「聞く耳を持たんという風情で教授が講義室を後にして、あの人が唇を噛んで講義室に残った。これはイベントの開始だ。」


紬「行ってみよう。………… What's wrong? A trouble with him?」


男「Who are you? Don't stick your nose into things that you don't understand!(理解できない問題に首を突っ込むな!)」


紬「Read it! “最初から人を下に見るのやめてもらえる?世の中にはあんたのしらないこともいっぱいあるんだよ。こっちは親切で声をかけたんだ。その態度を改めないと開ける道も開けないよ。”」


 男は突きつけられた箱のガラスの画面にびっしり文字が並んでいることに驚き、そしてその内容に腹を立てそうになったが、よくよく考えればその通りだと思って態度を改めた。」


男「“済まなかった。私の名はヴィクター・フランケンシュタイン、ジュネーブ生まれだ。”」


翼「え?フランケンシュタイン?ふつうの人間だよ。化け物じゃないの?」


桜「おい、ウィキの騎士よ、代わりに私が調べてやったぞ。フランケンシュタインはあの化け物を作り出した科学者。化け物に名前はない。」


紬「“あなたは人間の生命に興味を持っていて、神の創造のように人間も生命を作り出せると信じている。違うか?”」


ヴィクター「“そうだ。そしてそれはもう仮説の段階を超え、もうすぐ実現できそうだ。”」


桜「やばい!化け物が完成するとたくさん人が死ぬ。」


翼「“完成させてはいけない。完成させると取り返しのつかない悲劇が起こる。あなたはモンスターを作り出そうとしている。”」


ヴィクター「モンスターだって?ふざけるな。私が作り出そうとしているのはふつうの人間より能力が優れたふつうの人間より美しい人間だ。」


紬「“何から作る?材料は何だ?”」


ヴィクター「“墓地から集めた人間の組織だ。”」


桜「うわ~!グロい!無理!」


紬「“腐肉から人間を作ろうというのか?”」


ヴィクター「“防腐処置を施している。皮膚組織も人工的に強化した。血管その他は強固な人造物を用いる。何の問題もない。”」


***************************************


青海「翡翠もヴィクター・フランケンシュタインに会いにいったよな。」


翡翠「はい。私は怪物を組み上げる前の彼に女神様の力で組み上げた後の世界を見せました。自分が作ったおぞましい姿の怪物を。彼の反応は予想通りで、美的嫌悪に襲われた彼は従来の方法での人間製造を諦め、私の導きでロボット工学を目指すことになったのです。」


女神「今回のJK旅団はどうするのか楽しみだ。今回の私は見てるだけ。だって、私の退屈しのぎが一番大切だからな。」


*************************************


桜「“ヴィクターよ、おまえさ、人間を作るということが何を意味するか知ってるか?おまえがその作られた人間の父親になるということだぞ。”」


翼「“そうだそうだ、やるだけやって子どもができたら逃げ出しなんてサイテーだ!”」


桜「ちょっと翼、話がずれるから黙ってて。」


紬「“ヴィクター、おまえさ、女嫌いだろ?最近流行の言葉で言えばミソジニー。だから女の助けなしに人間を作ろうとしている。”」


ヴィクター「“そんなことはない。正式に婚約を交わした女性もいる。私の男女観はいたってノーマルだ。”」


桜「“兄妹として育てられたエリザベスだろ?そんなの正常なカップルになれるのか?たとえば思春期を過ぎてから親の再婚で兄妹になった男女ならまだ良いよ。そういうストーリーはたくさんある。ふつうに好き合ってふつうに付き合えたはずの男女が親の再婚という外的な要因で兄妹になるパターンだ。だけどな、おまえたちは幼いころから兄妹として接してきた。急に性的な目で相手を見られるわけがない。違うか?”」


ヴィクター「う....」


紬「“エリザベスの下着をクンカクンカしてハァハァできないだろ?通常の男女関係ではそれがふつうなんだよ。”」


翼「いや、それふつうじゃねーし。エロマンガのテンプレだし。」


桜「ともかく、おまえの性癖は歪んでいる。その歪んだ性癖で人間を生み出せば生み出された人間は怪物になる。どうしても作りたいなら、まずエリザベスと結婚して子どもを作り、それからにするんだな。たぶん考えは変わっていると思うぞ。」


ヴィクター「わかった....妹として愛してきたエリザベスを妻として愛する、この決死の跳躍にも似た変化をしっかり受け止め、その結果を噛みしめてから、それでもなお研究を推進したいという欲が残っていれば、それはそのとき考えよう。忌憚ない意見、感謝する。」



桜「よっしゃ、決まった!」


翼「ひゅーひゅー、さすがスケバンDNAの貫禄!」


紬「姉御の説教が拗れた理系男子に刺さったよ。」


桜「って喜んでいたら、来そう、転移ムズムズ。」


翼「来るね、これ...」


紬「イヤン、いっちゃう...」






今回は桜がスケバンパワーで頑張ったのでMVPかな?

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