オルレアンの乙女とツーショット、そしてチビる、さらに盛大に漏らす
オルレアンの乙女と呼ばれるのは、イングランド軍に包囲されていたオルレアンを解放したからなんですね。
桜「うわ、どこだここ?」
翼「戦場...ではないみたいだけど兵士がいっぱい。」
紬「国旗を振って意気揚々の人がたくさんいるよ。」
桜「戦争に勝ったのかな?」
翼「百年戦争でしょ ………… うわ、複雑すぎて説明できない。」
紬「イギリスが血筋で王位を主張してフランスがイギリス領になりそうになったけど、結局はフランスのままに留まった。」
桜「イギリスがジャイアンやろうとして結局は失敗したんだね。」
翼「わかった。誰でも知ってるジャンヌ・ダルク、たぶんイベントはこれしかない。」
紬「兵士の歓声から聴き取れた。オルレアン。ここ、たぶんオルレアン。」
桜「おお、やっぱりオルレアンの乙女だ。」
紬「ジャンヌって最後はどうなるんだっけ?」
翼「んーとね ………… 異端審問にかけられて火炙り。」
桜「えーっ?ひどーい!何で?」
翼「日本語版wikiじゃ経緯が良くわからない。イングランドと通じていたおっさんたちにやられたっぽい。」
桜「紬、フランス語版wikiを読め。」
紬「無理ですってば。」
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女神「はっはっは、とまどってる、とまどってる。良いぞ、もっとやれ!」
青水「そういえば翡翠もジャンヌを助けに行ったよな。」
翡翠「はい。オルレアンの包囲線を勝利に導いた彼女に会いました。神に遣わされた修道女として。」
青水「その後の作戦のために顔なじみになったんだな。そしてジャンヌの人生の頂点、ランスで皇太子がシャルル7世として戴冠する場にも現れた。」
翡翠「はい、ランスはブルゴーニュ公の領地。ブルゴーニュはイングランド側。つまり敵地でフランス王を誕生させて国の統一をアピールする作戦だったようです。」
青水「ジャンヌはパリ包囲戦の失敗で指揮権を失い、志願兵を率いてパリ郊外のコンピエーニュでブルゴーニュ軍に捕まった。」
翡翠「なので私はジャンヌに先立って単身でパリに乗り込み、駐屯軍の大将を一騎打ちで倒してパリを解放しました。パリのフランス軍と市民たちをヒールで治癒しつつ、撃退の隙を狙ったのです。異端審問でジャンヌを火刑に処すことになるソルボンヌの神学者にもお灸を据えました。天子の姿で。」
青水「チート使いまくりだな。」
翡翠「単身でパリ解放ですからね、しかたがありません。最後はルーブル宮の屋根の上でイングランド軍の大将を一騎打ちで倒し、フランス軍が決起してパリが解放されました。」
青水「プレートアーマーを峰打ちでガシガシ叩いて音響ダメージで敵を倒した。えげつないがクレバーだ。」
翡翠「ほぼ勝敗が決定したタイミングでジャンヌがパリに入城してオルレアンの乙女は英雄になったのです。」
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紬「ね、あれじゃない?白馬に乗った金髪の女騎士。」
翼「きっとそうだ。旗を持ってる。」
桜「写真撮っておこうっと。」
紬「私は動画。近づいてツーショット動画をSNSに上げる。………… Salut, tu es Jeanne, n'est-ce pas ?」
翼「ちょっと、何やってるの、紬!」
ジャンヌ「Qui es-tu? Quel est l’outil que tu as ?(おまえは誰だ?その道具は何だ?)」
周囲の兵士たちが集まってきた。中世では異形のJKたちは囲まれた。
桜「あ、なんかやばい感じ。」
翼「事情だけお話して帰してもらおうよ。」
紬「この人数で囲まれたら催涙グレネードでも逃げられない。」
桜「武器なんか出したら瞬殺the end よ。」
翼「早く謝って説明しなよ、紬。」
紬「無理だってば。あ、怖くてちょっとチビった。」
翼「(………… 高速検索でフランス語版wikiのジャンヌ・ダルクをスマホに出す …………)ほら、紬、これを彼女に見せて!」
紬「Regarde!」
ジャンヌはそれを見て顔が青ざめ、次に激高で真っ赤になった。
ジャンヌ「Démons ! Capturez-les !(悪魔だ!捕らえよ!」
兵士たちが捕らえようと近づくと、3人の姿は青白い光をまとったアストラル体になってその場から消えた。
桜「ふう、私も漏らしたよ。チビるレベルじゃなくて本格的に。シャワー浴びてパンツ取り替えてくる。」
翼「セーブハウスがあってホントに良かった。前だと渋谷の真ん中にお漏らしJKが出現という地獄の展開になっていた。」
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女神「ハーハッハッハ!漏らしたぞ!だせー!」
翡翠「女神様...その反応、ちょっと....いや盛大にドン引きです。」
青水「オートで起動する危機回避転移が実装されていて助かったな。」
女神「私のアイディアだ。感謝するように。そして称えよ。あ、そうだ、ちょっと顔出して称えさせてくるわ。」
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紬「うわ、せっかく助けようと思ったのに、あいつ逆ギレしてむかつくわー!」
翼「あんたが芸能人を見つけた迷惑ファンみたいなことをするからでしょ。」
桜「ふう、シャワー浴びてパンツ替えてすっきりした。紬、シャワー空いたわよ。」
紬「へーい。」
桜「今日はこれで終わりとは思えないわね。」
翼「もう1本あるよ、絶対。」
女神「おいおまえたち、さっきは危なかったな。」
桜「危機一髪で離脱できました。女神様のおかげです。本当にありがとうございました。」
翼「紬の軽率な行動で大変なことになるところでした。」
女神「いや、あれはなかなかのごちそうだった。危なくなったらいつでも救いだしてやるから、今後も萎縮せずにはじけてこい。それが成長を促す私の試練だ。私の退屈を紛らわすのがおまえたちの使命であり試練なので、それを忘れずに行動するように。それでだな、次の転移は...ドイツだ。時代は何となく中世、つまり物語だ。今回は予習の時間を与えよう。その物語とはゲーテの“ファウスト”だ。転移は30分後。健闘を祈る。」
翼「うわ、この戯曲、1と2があってめちゃくちゃ長い。通しで公演すると10時間以上もかかるんだって。」
桜「どの場面に転移するのかな?30分で予習なんて無理だよ。」
翼「ゲーテがどんな人だったのかも少しチェックしておかないと。」
桜「ますます無理だ。」
紬「ふう、すっきりした。あれ?女神様が来てたの?」
翼「うん、次の転移先、ドイツだって。」
紬「おお、フロイライン翼、君の出番だ。」
翼「私のドイツ語、あんたのフランス語より下位レベルだからね。」
いやあ、大変な目に遭いましたね。むしろこれまでが奇跡的に上手く行ってただけなのかも知れません。しかしひどい目に遭うほうが女神は大喜び。神は残酷です。




