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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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お江戸の枕は拷問道具、ミルキーはママの味、凄腕用心棒を雇っちゃうよ

江戸の旅籠、とりあえずパリよりは100倍快適だったでしょう。

桜「おはよー、みんな。」


紬「布団はともかく枕は無理。座布団を枕にした。」


翼「私はキャンプ用の服を丸めて枕にした。」


桜「私はノー枕。あの木箱は拷問道具にしか思えない。」


翼「えーとね……箱枕って言って結った髪を守るためだとさ。」


紬「うちら全員関係ない。」


桜「昨日の晩はご飯とめざしと味噌汁という安全な食事が出たのは良かったね。朝食も付いてるから食べてから出よう。」


翼「パリと違って安心してご飯が食べられる。」


桜「江戸と言えば賄賂の世界。もう少し換金して人を雇ったり賄賂に使おう。」


紬「賛成!みんな刃物を持ってるから危なくて困る。あと70リーヴル換金して用心棒兼案内人を雇うのが吉。」


翼「凄腕浪人、これ一択だね。」



桜「こんにちはー!」


店員「おや、昨日の...」


桜「銀貨、もっと換金できますか?昨日のと同じですけど。」


店員「ああ、かまいませんよ。」


翼「はい、これどうぞ。ミルキーはママの味!」



挿絵(By みてみん)



店員「おお、甘い乳の香り!……ん~、涅槃に誘われる味です。」



桜「袖の下じゃありませんから安心してくださいね。心付けです。」


紬「同じ意味だろ。」


店員「昨日と同じ銀貨なので、換金率は同じです。8166文になるので、一分金8枚と端数は166文。」


桜「ありがとう。で、はいこれ。虎屋の羊羹。これは袖の下です。」


翼「人を紹介して欲しいの。」


紬「用心棒兼案内人の凄腕浪人。報酬は1日1分金。」


店員「こ、これは虎屋の羊羹ではありませんか!大名や豪商しか口にできない幻の絶品。ありがとうございます。さっそく紹介状を書きます。………… これを持って二町先の長屋に住む水野弥三郎という浪人を訪ねてください。腕は立つ、口は硬い、そして江戸の町を隅々まで知り尽くしております。」


桜「ふふ、ありがとう。番頭さん、今夜は奥さんとお子さんに羊羹のお土産を持ち帰ってヒーロー...えーっと...大英雄だね。」



翼「これで1分金10枚と端数がじゃらじゃら。江戸の旅が楽になった。」


紬「紹介された長屋、あそこだね。………… たのもー!」


桜「その声かけ、合ってるのか?」


水野「む、どなたかな?」


桜「近江屋の番頭さんから紹介状をもらってきました。1日1分金で私たちの用心棒と案内人をお願いしたいのですが。」


水野「おお、助かりますぞ。近江屋様の紹介なら危ない橋ではありますまい。喜んでお引き受けいたそう。」


桜「それじゃあ観光案内よろしくね。えーと、ここは日本橋付近よね?」


水野「そうです。ここから北西へ進めば麹町、江戸城の西側を守る武家屋敷が並んでおります。宿場へ続く大きな道は甲州街道、大名行列が通る五街道のひとつです。」


翼「お団子食べたりお蕎麦食べたりできるお店もありますか?」


水野「はい、それはもうたくさんあってしのぎを削っております。」


紬「リアル江戸のグルメ旅。」


桜「あと2時間でお昼だから、リアル江戸蕎麦でランチしよう。」


翼「賛成!」


紬「ここから見る江戸城、すごくおっきい。旅行で行った名古屋城や大阪城よりずっと大きい。」


水野「この石垣は西国の大名が寄進したものです。幕府はそうやって大名たちの忠誠と財力を見極めていたのです。私も……私もこの石垣の欠片なのかも知りません。石垣を献納するために各藩はたくさんの家臣に暇を出さざるを得なくなりました。」


桜「うわ、きっつ!」


紬「水野さん、これ食べてがんば!」


水野「何でございますか、この甘い香りの包みは。」


紬「良いから剥いて口に入れなよ。ミルキーはママの味♪」


水野「おおっ、これは....」


紬「これ、箱ごとあげるから、悲しいときに食べて元気出してね。」


水野「かたじけない...不覚にも涙が溢れてきました...」



桜「あ、見て!立派な蕎麦屋がある。」


水野「あそこは甲州屋といってこの界隈では最も格式の高い老舗です。」


翼「今日のランチはあそこで決まりだね。」




桜「ん?何か思っていたのと違う。」


翼「つゆが変。お吸い物に醤油を足したような味。甘みゼロ。」


紬「ははーん、そうか、江戸の町には砂糖が足りない。」



 近くの席で昼間から酒を飲んで楽しそうに歓談している男たちがいた。


男A「しかし、伊右衛門の旦那も良くやるぜ。婿に入ってお侍に返り咲きだ。」


男B「だけど悪さがバレて離縁寸前、嫁さんは実家に戻された。ざまあだな。」


男C「でも、嫁さんの親父をぶっ殺すって酒場で息巻いてたぜ。」


男A「お岩さんも器量が悪いからとんでもない男とくっついちまったなあ。」


男B「ちげーねえ。」



桜「ん?伊右衛門とお岩?」


翼「イベントだ!」


紬「まだ幽霊になる前のお岩さんがいる時間線。きっと救済要請。」



 3人がそんな話をしているうちに、水野弥三郎は男たちに近づいて、話に割って入った。


水野「おい、今の話をもっと詳しく訊かせてもらおうか。」


男1「いや、ちょっと旦那、勘弁してくださいよ。」


男2「余計なことに首を突っ込みたくねえんです。」


男3「伊右衛門はなかなかの手練れだと聞いてるし、恨みを買うなんて御免被りたいんでさあ。」


水野「貴様ら...」


桜「はい、これでお話しする気になったでしょ?」



 桜は3人の前に100文ずつ銭を積み上げた。





お岩さん、悲劇の不気味アイコンと化したお岩さんを救うミッションが始まりました。助っ人の水野弥三郎が活躍してくれそうです。

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