陸軍で物理では精神に勝てないことを学んだよ、南無八幡大菩薩
桜「次は陸軍だけど、大和魂はもっと濃いよ。」
翼「精神で勝つ組織だからね。」
紬「精神さえ鍛えておけば八甲田山も踏破できたのに。」
桜「陸軍エリートもそんなにバカじゃなかったはずなんだけど。」
紬「海軍兵学校>越えられない壁>陸軍士官学校。現代に置き換えれば、海軍が東大だとすると、陸軍は早慶、阪大、名古屋、東北大。」
翼「やめなさい。」
桜「陸軍省へ行ったら注意すべきことって何かな?」
紬「英語禁止。」
翼「それな。海軍はわりとオッケーで、けっこう英語が得意な人も多かったけど、陸軍じゃ敵性言語は鉄拳制裁だよ。」
紬「貴様!いま使ったな。そこへなおれ、歯を食いしばれ!」
翼「あ、やっちまった。」
桜「その敵性言語なんだけどさ、厳密に考えれば漢語もダメなんじゃ。」
翼「それは....それを言っちゃあオシメエよ!」
紬「陸軍大将が許しても本居宣長は許さん。」
桜「大和言葉だけで押し通したら褒められるかな?」
翼「とてもそうは思えない。軟弱である。ヤハラカヨハシ。」
紬「もらったものは自分のものって考えれば漢語も日本のものなんだよ。その理屈で満州も中国大陸も日本のもの、日本になるんだ。」
桜「うーむ、なんというか、なんと褒めるべきか、とりあえず受け入れないと先へ進めないから褒めておこう。強くて強欲な男性ってステキだわ。」
翼「鎌倉武士も20世紀以降のヤクザも奪って強くなる。それが男の生きる道。」
紬「では予習も済んだことだし、皆の衆、参ろうか。」
桜「ここだ、陸軍省。」
翼「緊張する。」
衛兵「誰か!」
桜「私たち、鋼鉄の愛国乙女学校新聞団です。陸軍を取材に来ました。」
衛兵「珍妙な服装をした怪しい女め。」
翼「ちょっあなた、珍妙とは何ですか。日の丸と旭日旗を左右の胸につけ強固な愛国の意思を示しているというのに。」
紬「あなたの制服に日の丸はいくつ付いていますか?ひとつだけですよね。私たち、裏地にも付いてるから全部で4つです。完全勝利ですよ。潔く負けを認めなさい。」
衛兵「何だと!言わせておけば...」
上官「何事か!玄関先で騒がしい。」
衛兵「はっ、この無礼な娘たちが...」
紬「日の丸と旭日旗の数の勝負で勝ったと言っただけです。物理的真実です。」
上官「ほう、それは面白い。しかし物理だけで戦いには勝てないぞ。」
桜「もちろん承知しております。私たちは大和魂と武蔵魂の両者を兼ね備えております。」
上官「武蔵魂だと?」
桜「はい、関東は武蔵国、関西は大和国。大和だけでは日本は成り立ちません。東西の魂を合わせて結びつけてこそ日本魂、そうではありませんか?」
紬「そうではござらぬか?」
上官「むう、たしかに。私は北海道の生まれだ。大和を連呼されると少し疎外された気持ちになる。」
桜「東西に二分するなら北海道も武蔵の仲間です。私も生まれは東京、同じ武蔵です。」
上官「そうか。納得した。新聞の取材なのだろう?入って受け付けで要件を言うがいい。」
桜「ありがとうございます。勝利ニッポン!」
上官「勝利ニッポン!」
受付「ご用件は?」
桜「愛国乙女団の新聞取材です。地方には陸軍の活躍が隅々にまで伝わっておりませんので、私たちの媒体で広く知らしめるつもりです。」
受付「そうですか。では広報につなぎます。お待ちを。…………お待たせしました。あそこの階段を3階までお進みください。そこに各階の受付がありますので、そこで案内を請えば広報に連れて行ってもらえます。」
桜「ありがとうございます。」
広報「お入りください。」
桜「失礼します。」
広報「話は伺っています。陸軍の活躍の取材ですね。機密に触れない範囲で何でもお訊きください。」
紬「陸軍と言えば戦車です。アメリカのパットン、ドイツのティーガーが有名ですが、日本陸軍の戦車はどのようなものを運用しているのですか?」
広報「初期には九五式軽戦車を運用していましたが、火力と出力が不足していたので、三菱重工を中心に我が国の重工業の粋を尽くして組み上げたのが100式軽戦車です。」
紬「軽戦車というからには機動力に特化していると?」
広報「はい。最高速度・整地が100km/h、最高速度・不整地が50km/h、0→50km/h加速が10秒、制動距離50km/h→停止が18m、最小旋回半径4.2m。速い、止まる、回る。すべて世界標準を大きく上回っています。敵の戦車隊を翻弄できます。」
翼「中戦車と重戦車もありますよね。」
広報「いえ、重戦車は運用していません。中戦車の火力で十分だからです。我ら日本陸軍の101式中戦車は、機動力は軽戦車に劣るものの、その火力は圧倒的です。主砲は80mm軽反動砲。発射時の反動を低く抑えた画期的な技術です。射程は1km。前方に対人機銃が2機。背面からロケット弾。」
紬「圧倒的ですね。ドイツ陸軍のケーニッヒティーガーより強い。」
翼「航空部隊はどうなっていますか?海軍はジェット零戦を運用して大きな成果を上げているようですが。」
広報「我々も隼のジェット化に成功しました。これがその性能と武装です。」
翼「性能の詳細を忘れましたが、ジェット零戦に勝るとも劣らない高性能ですね。」
広報「我々にはさらにジェット爆撃機八咫烏があります。敵基地も港湾施設もこれ一機で破壊できます。ジェット隼の編隊で護衛しますが、そもそも敵のレシプロ機では八咫烏に追いつけません。」
桜「他に日本陸軍独自の兵装はありますか?」
広報「単騎攻撃車両龍馬があります。」
桜「え?口から火を吐く龍に乗るんですか?」
広報「はい。地方出身の兵にはとくに人気が高く、危険を顧みず搭乗志願者がとても多いのです。」
翼「彼らは挨拶でヨロシクとか言いませんか。」
広報「はい、それ以外はふつうの会話をするのですが、最後に必ずヨロシクという癖があります。」
桜「その八幡宮バリアって歩兵でも展開するのですか?」
広報「はい。その強度は大和魂に比例します。そのため歩兵は常に精神鍛錬を絶やしません。滝行、断食、そして樹木を正拳突きで倒すまで打ち続ける。」
桜「でもそんなことをしなくても射程が長い機関銃を支給すれば敵の歩兵を殲滅できそうですが。」
広報「それでは敵に日本陸軍の恐ろしさを知らしめることはできません。我々はあくまでも抜刀隊による白兵戦を仕掛けます。」
紬「まさに神国日本の真骨頂です。これに勝てる敵、いや刃向かおうとする敵は存在しないでしょう。」
広報「神威こそわれら日本陸軍の力の源です。その力をもって必ずや大東和共栄圏を実現してご覧にいれましょう。」
大和魂で発動するバリア。オーラバトラーみたいですね。




