行くのは絶対イヤ、戦争、軍国、イヤって言ってるのに...
USOはウソではなくてUited Service Organizations つまり米国慰問協会です。なぜ鋼鉄の愛国乙女団が米軍を慰問してるのかって?そりゃあなた「愛国」は国を愛する心、日本もアメリカも関係ありません。少なくてもJKトリオにとっては。
桜「はあ、最後は楽しかった。」
翼「最初は過酷だったね、ドーラの人生。」
紬「都会は怖い...のかも。よそから来ると。」
桜「まあ終わり良ければと言うことで、次はもっと過酷なところへ行こう。」
翼「なんで?」
桜「読者様のためだよ。みんなうちらが苦境に立つとうれしいに違いない。」
翼「そういうものなの?」
桜「そういうものなのさ。尊厳が危機に瀕し、悔し涙が滲む、みんなそんなうちらが見たいのさ。」
紬「そういう場面っていままであったっけ?」
桜「なかったから人気が低迷してるんだろ。これからはリョナ風味を加味して...」
翼「それ、外したときのダメージが回復不可能だから。」
紬「で、ドMの快感に酔いしれる世界ってどこなの?」
桜「日本の歴史で一番行きたくないのはどこ?」
紬「戦前戦後かな。生きて戻ってこれる気がしない。」
桜「でも好きな人も一定数いるよね。」
翼「いるよね。量産型歴史改変ラノベがいっぱいあるし。」
桜「そこに転移する。」
紬「絶対やだ。なんで一番行きたくないのを訊いた上でそこに転移するの?バカなの?ドMなの?」
桜「ドMを演じると読者様が喜ぶ...そういう結論に到達した。」
紬「痛い思いをするよ。下手すると死ぬよ。」
桜「痛い思いはするかもしれないけど。ほら、前に異世界で負けそうになって強制帰還したじゃん、あんな感じに。でも強制帰還システムがある限り死なない。たとえ零戦が墜落し、大和が撃沈されても。」
翼「あのさ、たとえ転移したとしても戦闘員じゃないから、私たち。」
桜「そっか、そうだよね。じゃあ鋼鉄の愛国乙女団として皇国日本を盛り上げよう。」
紬「なんかやだ。本当にやだ。」
翼「コスプレだと思えば...できないこともなくはない。」
紬「ないが多すぎてどっちかわからなくなってるし。」
桜「とりあえずいつものようにコスチュームから決めよう。」
翼「下手な格好で行ったら一発アウトだからね。」
桜「日の丸は必須。」
翼「錦の御旗は?」
桜「もう神通力が薄れてる。」
紬「菊のご紋。」
桜「僭称者として即刻打ち首。」
紬「旭日旗。」
桜「よくわからん。」
翼「アルファベットのロゴは禁止。カタカナは許す。」
桜「ミニスカは言語道断。」
翼「女子はモンペ。」
紬「は?モンスターペアレンツ?」
翼「違うよ。ほら……これだよ。」
紬「うわ、ダサっ!やだこれ。」
桜「ニッカポッカで代用できんじゃね。」
紬「それもやだ。」
桜「もう、わがままだなあ。」
翼「妥協案でつなぎにしよう。それなら微妙に可愛くアレンジもできるし。」
桜「よし、日の丸マシマシに盛った可愛いつなぎをデザインしてみよう。これなんかどうだ?」
紬「あ、可愛いかも....って言うと思うなよ。だいたいそれ間違ってるからな。旭日旗じゃなくて朝日新聞だから二重に怒られる。」
翼「私が安心安全に修正してあげよう。ほら、ポン!」
紬「...まいいか。私がセンターだし、なんか頭良さげだし。」
桜「よし決まった。では転移だ。アストラルバスターだ。」
翼「え?バスター?」
紬「何か思ったより暗くない。」
桜「だって本物の戦前戦中じゃなくて量産型の歴史改変戦前戦中だもの、不幸なわけないじゃん。作者さんの目にはこう映っているの。」
翼「みんな目がキラキラしてるね。」
桜「勝って勝って勝ちまくってるんじゃないの、きっと。」
紬「あっちに人が集まってる。行ってみよう。」
桜「ラジオ放送を聴いてるみたいだね。」
ラジオ「....我が皇軍は破竹の勢いで太平洋を南下しその支配を確実なものに.....敵軍に抗戦の意思乏しく....立てよ国民.....勝利ニッポン!」
町の人々「勝利ニッポン!勝利ニッポン!」
紬「えーと、これってジーク...」
桜「やめい!それ以上は言うな。」
翼「ここ東京だよね。」
桜「地形がわからない。あっちにニコライ堂があるから駿河台?御茶ノ水駅の近くだとすると千代田区か。」
翼「うちらの学校の目印になる東京タワーがまだない。」
紬「ぶらぶら歩いてるとそのうち港区だよ。あのあたり隣り合って近いから。」
翼「あんたね、いつもタクシー移動だからそんな暢気なこと言ってられるんだよ。」
憲兵「おい、貴様ら!」
桜「はい、何でしょう?」
憲兵「戦時下である。その珍妙な服装は何だ!」
翼「鋼鉄の愛国乙女団ですけど、何か?」
紬「何か?何か文句あるんすか?」
憲兵「貴様、何だ、その反抗的な態度は!」
紬「愛国者ですけど、刃向かうんすか?愛国者に刃向かったらおぬしは反逆者になるがその覚悟はできておるのだろうな。そこになおれ!」
桜「そのくらいにしてあげなよ。びっくりしてるじゃん。」
紬「いいや、ここでつけあがらせては皇国日本の威厳が保たれん。貴様!この日の丸が目に入らぬか!」
憲兵「ふ、ふざけるな!日の丸ならこっちにも...」
紬「一個しかついておらんな。おまえの負けだ。こっちは背中と裏地にもついてるぞ。しかも愛国と書いてある。控えろ、下郎!印籠を見せる価値もないわ。」
翼「こう言ってるので、あなた、戻ったほうがいいですよ。何かすごい権威を持っているかもしれないし。」
憲兵は一礼すると回れ右して戻っていった。
桜「あ、あれってうちらの学校じゃない?」
翼「本当だ。慶應義塾の隣にある。」
紬「行ってみよう。」
翼「竹の棒を持って何かやってる。」
桜「戦闘訓練かな。」
紬「あれで戦うの?銃器を渡したほうがよくね?」
桜「変だなあ。架空戦記の作家さんならみんなにビームスプレーガンを配布すると思うんだけど。」
翼「なんでそこにスプレーが入るのよ。」
桜「架空戦記の作家さんならそうするかなあと思って。」
紬「あの子たち高校生でしょ?なんだか小さくね?」
翼「栄養状態が悪いのかも。」
桜「作家さん、このあたりのことちっとも考えていない。無視のしわ寄せが来ている。」
紬「鋼鉄の愛国乙女団としてはそろそろ堪忍袋の緒が切れるころでござる。」
イヤだイヤだと言いながら来てしまいました。量産型歴史改変戦記の世界へ。日の丸さえ付けていれば強いのですが、もっとマシマシにすればもっと強くなったかな。紬は戦中戦後と時代劇言葉をごっちゃにしていますが、逆にそれが強いようです。次回はもっと危険エリアに近づいてみましょう。勝利ニッポン!




