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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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213/221

過酷なレースが始まった、JKトリオはバカンスを堪能

挿絵(By みてみん)

こういう水着グラビア、ふつうに投げてもAIは作ってくれません。退路を塞いで強力に説得する必要があります。

紬「どの組が有利なのかわからなくなった。」


桜「踏破距離は長いけれど水中移動がないE組とF組は条件だけ見ると有利。水分と栄養を補給しながらひたすら行軍するだけ。モンスターの攻撃もない。湖畔で釣りをするとたまにかかるかも知れないけれど、陸上にまで追ってこない。」


紬「健脚頼りか。私には無理だ。」


翼「案外ダークホースはD組かも。島はひとつだけ。敵レベルは最弱。島の環境もふつう。水中移動距離も短い。」


桜「でもD組の魔力レベルだとそれでもけっこう大変かもよ。水中移動距離が30km×2の合計60kmある。常人には泳ぎ切れない。」


紬「C組は魔力レベルが高いけれど水中移動距離はほぼ同じ。ただ島がふたつ。島2は熱帯なのでけっこう過酷。大蛇とかワニとか出そう。」


翼「リザードマンとかの物理が強いやつが出るよね、きっと。」


紬「B組は島2と島3。熱帯と氷結。」


桜「寒暖差でやられる。」


紬「A組は島が3つになるので水中移動が90kmになる。それだけでやばい。」


翼「途中棄権が何組か出るのは毎年のお約束らしい。かつてはS組も棄権したって。」


桜「島のモンスターに負けて殺されることもあるの?」


翼「それはない。各島には教員が2名ずつ強力な魔道具を持って常駐していて、ピンチだとなったら魔物を倒す。そしてその時点でそのクラスは途中棄権扱い。」


桜「水中移動中に溺れ死にそうになったら?」


翼「参加者には生体反応を送信する魔道具が渡されているので、本部で危険サインを察知したら救助。そしてその時点で途中棄権。」


ドーラ「陸上移動のF組とE組は4日で踏破が例年の記録。これより早く着かないと優勝はできません。」


フェルディナント「俺たちは島2と島3の間が60メートルある。島1に途中上陸して陸上移動で速度を上げるか、そのまま水中を進むか迷いどころだな。」


ライヒァルト「初日の夜に島3まで到達しないとあとが厳しそうですね。」


モブリン「私のスキルを使えば水中移動も陸上移動もスピードに差は出ません。ただし魔力量に限界があるので、島1に上陸して魔力回復をしたほうが安全です。」


ドーラ「では初日のコースです。島2を経由して島1に上陸し、そのまま島3に進んで野営ということにしましょう。」



挿絵(By みてみん)



モブリン「バブルの外で警戒して呼吸は大丈夫ですか?」


ドーラ「魔力で30分は平気よ。ときどきバブルに戻って息を整えればまた30分いける。」


アンジュ「あ、思いついちゃいました。パーソナルバブル。モブリンさんのスキルを解析して個人を空気コーティングできるようになりました。もう濡れないし自由に呼吸できますよ。」


ジーグルト「お、水の中なのにまるで陸上にいるみたいだ。水の抵抗も感じない。」


ドーラ「アンジュ...あなた、とんでもない化け物ね。」



 水中移動中にサハギンやマーマンの襲撃を受けたがドーラとジーグルトが瞬殺したので、S組は昼前に島2に上陸できた。



ライヒァルト「ここは熱帯なので食糧集めに適した環境です。次の島3は氷結で食糧は期待できないのでここでしっかり備蓄していきましょう。動物は美味しそうなものだけ狩り、野草やキノコはぼくが鑑定します。樹液や花の蜜から甘味も採取できるのでお菓子も作れます。」


ジーグルト「なら俺が水牛でも狩ってくるか。代わりにワニを仕留めてしまったらそのときはそのときだ。」


アンジュ「ワニや大蛇もしっかりお料理すれば美味しいですよ。任せてください。」


フェルディナント「俺はライヒァルトといっしょに野草とキノコを集めてくる。ふたりならこの島の獣やモンスター相手に後れを取ることもないだろう。」


ドーラ「私はジーグルトと狩りに付き合う。できるだけワニではなくて水牛を狙いたいが、カバになってしまうかもしれない。たぶんワニよりカバのほうが美味いだろう。」


アンジュ「私とモブリンは湖畔で釣りをしながら湖水を浄水して飲料水を作ります。」



 有能なメンバーの活躍で十分な食材を確保した一行は豪華な昼食を済ませ、再び水中移動に移った。島3に上陸する前に食材備蓄を完了させるためと燃料の木材を確保するため島1に上陸して採取しながら進む。ただし悠長にしてはいられない。島3に宿営地を築かなければならない。木の枝は風魔法で乾燥させ切りそろえて即座に薪にする。体内魔力だけで熱を作り出すのでは氷結環境に耐えられない。



紬「ここで待ってるだけじゃつまんない。うちら主人公なのに。」


翼「せやな。ちょっと行って見学させてもらいまひょ。」


桜「ならば、じゃーん、アイテムボックスの無限収納とありあまるダイヤモンド資産で揃えた水上バイク。これで高速移動ができるよ。」


紬「おお、メロスのときは陸上バイク、今度は水上バイクか。かっけー!」



挿絵(By みてみん)



翼「ひゃっほーい!」


紬「何これ、ご褒美バカンスやん。」


桜「障害物もないし交通規制もない。飛ばすよ!」



翼「スタート地点から島1まで30kmなのにたった20分で到着してしまった。」


紬「魔法より強い現代科学技術。ん?これって量産型ラノベにありがちな現代技術で無双ちゃう?」


桜「うちらプレイヤーじゃなくて見物人だからいいんだよ。」



桜「島1はモンスターも出ないし環境もふつうだから安全。」


翼「島1内ではロードバイクで移動しよう。」


紬「なんだか本当に申し訳なくて笑いが止まらない。ふひひひひ...」



挿絵(By みてみん)



翼「あ、あそこを速歩で歩いてるの、ドーラたちじゃない?」


桜「みんな背中に薪を背負ってる。3メートルぐらい積み上げてるよ。」


紬「スーパー二宮金次郎だ。」


翼「ヤッホー、ドーラ!アンジュ!」


アンジュ「留学生のみなさん....」


ドーラ「おまえら...オフロードバイクなんか持ち込んで。」


桜「プレイヤーじゃないのでズルしてません。」


翼「まだ日があるうちにこの島を脱出できそうね。」


紬「島3は氷結の島。だからそんなに薪を背負ってるのか。」


ドーラ「今日のうちに島3へ到着しないと勝ち筋が見えない。環境が過酷なので宿営の準備に時間を要する。」


翼「ドーラなら過酷な環境にも負けないよ。これまで頑張って努力してきたんだから。」


桜「うちらゴールで待ってるね。」


ドーラ「おまえら、ゴールまでバイクでは行けないぞ。湖の彼方なんだから。」


桜「大丈夫、水上バイクで行くから。」


ドーラ「.....」





物語世界の人たちは真剣に頑張っているのに、JKトリオ、悪意は1ミリもないのですが、なんだかね。

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