チームの名前は暗緑疾風になった、故郷に戻ってみたら繁栄してた
ライ「さてゲルタ、この袋には140グロッシェン入っている。ここから10グロッシェンずつ自分の財布に入れよう。こうして組織の資金は120グロッシェン、俺たちの財布には10グロッシェンずつだ。」
ゲルタ「OK、この調子で財布を膨らませることにしよう。」
ライ「暗緑の疾風....組織名として使い続けるのは少し不自由だな。」
ゲルタ「そうか?私は気にならないが。」
ライ「形容詞と名詞で成り立ってるのがどうもね。格変化語尾が面倒くさい。」
ゲルタ「まあたしかに。」
ライ「くっつけて一語にしてしまうのはどうだ?」
ゲルタ「暗緑疾風、うん、悪くない。強そうだ。」
ライ「じゃあ今後はその名で行こう。暗緑疾風の次の行き先だが、ここから西へ行くとエルベ川だ。そこで船に乗ってメーザー村へ行かないか。おまえの実家もあるし、俺も領地が気になる。」
ゲルタ「ああ、父と母と妹がいる。顔ぐらい見せてやりたい。」
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桜「というわけで豊太郎の執筆は順調だ、マリー。」
マリー「連載が始まってWochenblattの売れ行きが激増したそうです。増産体制に入るようです。原稿料も上がり、我が社の収入も増えます。」
翼「おお、豊太郎、やったな。」
マリー「人気が出すぎて販促ポスターの盗難事件が相次いでいるそうです。」
紬「これか....たしかにかっこいいから部屋に貼りたくなるかも。」
桜「いっそのこと、販売用のポスターを作って売れば?Edition LRのグッズ販売。」
マリー「グッズ...販売ですか?」
桜「そう。キャラが人気になると、ファンがそれを身近に置きたくなるの。フィギュアとかも売れそうだけど、とりあえずポスターならすぐ作れる。」
マリー「たしかに。ぜひやりましょう。」
紬「3種類作るといいよ。ライのソロ、ゲルタのソロ、そしてペアグラビア。」
マリー「会社が成長して作品の人気も高まります。資金が貯まったら新社屋も夢ではありません。」
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ゲルタ「ただいま...というのも変か。」
母「まあゲルタ、生きていたのね。傭兵隊が全滅したと聞いて...」
ゲルタ「命からがら逃げてポツダムで酒場の女給をしてたんだ。」
母「今夜は泊まっていけるんだろう?おまえの好きなリンゼンアイントプフを作るよ。」
ゲルタ「わあ、うれしい。ママの味だ。」
母「村の景気が良くなってね、たまにベーコンが配られるんだ。領主様の息子さん、とても良くやってくれてる。」
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女神「村の景気が良くなった?そんなことがありえるのか?貧乏すぎて見ていられずルビーの雨を降らせようとしたくらいだぞ。」
翡翠「たぶんライさんの活躍で村の領地に変更が加わったのではないでしょうか。」
青水「市参事会が裁定を下すと言ってたからきっとそうなんだろう。」
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ライ「ただいま、兄さん。」
兄「おお、ライか。良いニュースがある。おまえの活躍で領地が増えた。エルベ流域の森林はメーザー村のものになった。」
ライ「やったな、兄さん。河畔は肥沃な土地なので伐採して耕地も増やせるし、森林資源も利用できる。狩りで肉が手に入る。」
兄「エルベ川の渡し船の営業許可も出た。船着き場を整備して大きな船が停泊できるようにする。物流と人の流れに一枚噛めるようになるぞ。」
ライ「道路も整備するともっと人が通ってくれる。いろいろものが売れるようになるかもしれない。」
兄「ああ、領民はみんな食えてる。もっともっと儲かる村にしてやる。」
ライ「領民が飯を一杯食って力が付いたら自警団を組織するといいよ。裕福になると奪いに来るやつらが必ず出るからな。」
兄「ああ、簡単な武器も配給して訓練を始めよう。力はないがいちおう貴族だ。俺が指導してやる。」
翌日、ライとゲルタは合流して新しく領地に編入された土地を観察に出た。護岸工事が始まっており、船の停泊に備えた建物も作られている。活気がある。渡し船で西岸へ渡り森の中を歩く。まだ道はないが、ここに道を通すともっと便利になるだろう。歩いているとウサギやリス、そして狐が横切った。反射的に弓に手が伸びそうになった。
ゲルタ「ねえライ、あの小屋は?人が住んでるよ。」
ライ「何だろう?こっちに来たことがないからわからない。」
ゲルタ「ここも領地ならあそこに住んでる人も領民になったんだろ。挨拶していけよ、男爵くん。」
ライ「そうだな。兄に代わってな。」
ふたりが小屋に近づくと中から殺気を含んだ声が聞こえた。「誰だ!」
ライ「やあこんにちは。俺は領主の息子、ラインホルト・フォン・バルデン男爵だ。兄に代わって挨拶に来た。」
小屋から男が出てきた。背中に弓を背負っているが矢はつがえていない。
男「領主様の息子さんですか。さきほどは失礼しました。」
ライ「かまわん。おまえはここに住んで何をしてるんだ?」
男「私は狩人です。かつての領主に獲物を献上していました。今はウサギを狩って野草や果物を集めて、家族で食べています。」
ライ「そうか。一度村に来て兄に挨拶してくれ。今後の生活について相談に乗ってくれるはずだ。家族は何人だ?」
男「私の名はハロルト。家には母と妹ふたりが住んでいます。呼んできます。」
ゲルタ「(妹ふたりだってよ、ライ、美人だといいな。)」
ライ「(だな...っておい、関係ねえわ。)」
ハロルト「これが家族です。母はアンナ、妹は上がエルザ、下がフリーダです。」
ゲルタ「よろしくね。私はゲルタ。」
ライ「みんな狩人なのか?」
ハロルト「はい、狐や鹿ぐらいは仕留められます。」
ライ「頼もしいな。兄が何か仕事を依頼するかもしれない。」
ハロルト「お役に立てれば幸いです。」
ゲルタ「ねえエルザ、あなたいくつ?」
エルザ「17歳になりました。」
ゲルタ「私とタメじゃん。仲良くできそう。ねえ、エルザは木登りが得意?」
エルザ「生まれたときから森の中に住んでいるので得意ですよ。狼の群れに遭遇したらすぐに樹上へ逃げます。5秒もかかりません。」
ゲルタ「ねえライ、この子をチームに入れようよ。気に入っちゃった。」
ライ「ハロルトよ。俺たちは近隣の平和維持活動をしている。直近ではブランデンブルク郊外で殺人熊を始末した。今後も盗賊団や害獣を駆除して地域の平和を守るつもりだ。だが俺たちふたりだけだとどうしても手が足りない。エルザが欲しい。決して悪いようにはしない。報酬を得たらしっかり分け前を支払う。どうだ?」
エルザ「私、この方たちに付いて行きます。広い世界を見てみたい。」
ハロルト「いいだろう。行って来い。平和を守る大事な努めだ。」
ライ「ありがとう。俺たちのチームは暗緑疾風だ。エルザよ、よろしく頼む。」
ゲルタ「私たち、コンビになるね。よろしくね。」
エルザ「よろしくおねがいします。」
新規参入のエルザ、ちょっとエルフっぽいのでエルザ。期待できそう。美人スナイパーコンビ。




