女傑ゲルタが爆誕、修行のスポ根、才能の覚醒
ゲルタ「ガタガタ言ってんじゃないよ。キンタ....は付いてたな。いいか、おまえひとりで戦うんじゃない。私も加勢するんだ。」
ライ「何だと!おまえは戦えないじゃないか。」
ゲルタ「戦えるようになるんだよ。木登りを教えてくれ。そしてクロスボウを買ってくれ。」
ライ「高い木の上から狙撃するのか?しかし熊は木に登れる。手負いで反撃してくるぞ。」
ゲルタ「こっちに届く前に殺すんだ。ふたりがかりで撃ち込んで。」
ライ「ふむ...危険だが不可能ではなさそうだ。」
ゲルタ「私も高い木の上に位置取りできれば、弓矢より殺傷力が強いボルトを熊の脳みそに撃ち込んで殺せる。」
ライ「わかった。危険だがチャレンジする価値はある。さっそくクロスボウを買って木登りの練習をしよう。」
武器屋「いらっしゃい。何かお探しで?」
ゲルタ「クロスボウだ。小型で軽量だが強力なやつ。」
武器屋「クロスボウは種類が豊富でして、お値段もいろいろです。安いものは5グロッシェンほどで買えますが、クランク式の巻き上げ装置が付いた高級品は20グロッシェン以上します。最高級品はこれ、30グロッシェンです。」
ゲルタ「そうか....ならば...」
ライ「高級品のなかで一番軽量なのは?」
武器屋「これでございます。25グロッシェンです。女性にも扱いやすいということで貴族の女性が狩りのために買ってくださいます。」
ライ「ならばそれをもらおう。」
ゲルタ「いいのか?私は素人だぞ。」
ライ「熊の脳みそに撃ち込むんだろ。出し惜しみはしていられない。次は木登りだ。これができないと死ぬ。死ぬ気で頑張れ。」
ゲルタ「わかった。」
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桜「これはいい。豊太郎、これはいいぞ。」
紬「信頼と協力と性欲、すべてそろった究極の男女関係。」
翼「未来志向だ。これは豊太郎とエリスの関係から生まれたに違いない。」
エリス「私たちはいつも一線を越えていますが。」
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ライ「なるほど、混合林か。」
ゲルタ「何だ、その混合林とは?」
ライ「糸杉と赤松が混じって生えている森のことだよ。糸杉はそれ、上の方にしか枝がない。赤松はあっち、地面から飛びつける枝がある。」
ゲルタ「糸杉に登るのは無理そうだな。」
ライ「忍びなら登れるが俺たちには無理だ。」
ゲルタ「は?シノビ?」
ライ「いや、何でもない。忘れてくれ。まず赤松に登ってみるか。地面からジャンプして一番下の枝にぶら下がってみろ。」
ゲルタ「わかった。」
ライ「そのまま身体を前後に揺らしつつタイミングを見て両腕に力を込め枝を自分の腹部に近づけるんだ。できるか?」
ゲルタ「なかなか難しいな ……………… お、できた!」
ライ「そのまま両脚を上にして一回転だ....そうだ、その調子だ。」
ゲルタ「見ろ、できたぞ。次はもうひとつ上の枝へ...」
ライ「ダメだ。いったん降りろ。もうひとつ上の枝で失敗して落下するとただでは済まない。」
ゲルタ「わかった。」
ライ「今の練習を5セットだ。一度も失敗せずに枝の上に乗れるようになったら次の枝に進む。ゲルタ、おまえは筋がいいぞ。」
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女神「今まで見たことがないムーブになってる。何だこれ?」
翡翠「スポ根ですね、最近廃れてきたマンガのジャンル。厳しい反復練習でスポーツのスキルが上昇し、できなかっとことができるようになることにカタルシスを得る。」
青水「翡翠には共感ポイントがないジャンルじゃないのか?」
翡翠「私も厳しい修行の末にさまざまな技が使えるようになったのです。初登場時にすでに完成体だったので誰もそれを知らないだけです。」
青水「そうだったか。ふむ、巫女少女の修業時代、スピンオフで需要があるかもしれない。12~13歳が良さそうだ。」
翡翠「その年齢だとAIは挿絵を描いてくれそうもありませんが。」
青水「そうなのか?やってみる価値はある。」
翡翠「ちょっと!」
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ライ「よし、安定して上の枝に到達できるようになった。完成まであとわずかだ。落ちないように慎重に降りてこい。」
ゲルタ「ふう、なかなか楽しかった。私は高いところが好きなようだ。」
ライ「次はクロスボウの射撃訓練だ。これは俺自身が使ったことがないので指導は無理だな。数を撃つしかないが、ボルトは矢より高価だ。木の幹に撃ち込んで回収できなくなると痛い出費になる。」
ゲルタ「12本で1グロッシェンだからな。回収できる的....人か?」
ライ「最初から殺人鬼になるな。そもそも動く的なんて100年早いわ。」
ゲルタ「ならば廃小屋だ。的は大きいし、貫通すれば拾うだけで回収できる。」
ライ「それだ。城門の外にいくらでもあるだろう。探すぞ。」
ゲルタ「良さそうな小屋があった。ボロボロだ。蹴り飛ばしても壊れそうだ。」
ライ「では外壁に丸をつけるからそこを狙って撃て。それから、装填時間をできるだけ減らせ。装填しているうちに熊が到着したらアウトだからな。」
ゲルタ「よし、撃ちまくるぞ。」
ライ「上手いじゃないか。ほとんど命中だ。」
ゲルタ「構えて照準を合わせて撃つだけだ。誰でもできるんじゃないか、これ。」
ライ「よくわからんが、装填時間さえ短縮できれば無敵だな。」
ゲルタ「修行は楽しい。戦闘美女の誕生だ。」
ライ「おまえ....頼りになるなあ。」
ゲルタ「明日も修行を頑張って、本番は明後日にしよう。」
ライ「木登りスキルにはもう一段階越えなければならない障壁がある。慎重に進もう。」
次回はいよいよ熊との決死戦です。いや、それよりも木の上でずっと待ってるの、いろいろありそうですね。




