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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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琉球国は南海の覇者になれそうです、最後の仕上げをします

強国を作るという困難なミッションもいよいよ大詰めです。


 台湾から嘉手納に戻った3人は温泉で疲れを取りながら今後の方針を話し合った。鉄砲を日本に先駆けて琉球に導入し、台湾を手に入れるという当初の目的が達成しつつある。女神様が課した試練はほぼクリア目前だ。琉球を南海の強国に育てたが、20世紀まで持たせられるかどうかはわからない。だが戦国時代で疲弊する日本や蒙古との争いで弱体化する中国より有利な立場に育つことは確かだ。


桜「だいたい良い感じに成長したよね、琉球。」


紬「台湾で実感したんだけど、足りないよね、甘味。」


翼「そういえばさ、ざわわ、ざわわ...って歌があったよね。サトウキビ畑。」


桜「あった。中学の音楽の時間に歌った。」


翼「サトウキビがないんだけど。だから甘味が足りない。」


紬「みんな知らないのかな?」


翼「ちょっと待ってね、調べるから ………… あった、17世紀に明に留学生を派遣して製糖技術を学ばせるまではサトウキビの価値を知らなかったんだって。そのあたりに生えてるぺんぺん草で、噛むと甘いという存在。子どもの小さな楽しみ。」


桜「もったいない。」


紬「お菓子を作れば平和と繁栄が一度に手に入るよ。」


翼「お砂糖を確保しただけじゃミルキーは作れない。」


桜「そういえばあまり牛を目撃してないね。牛乳がない。」


翼「牛...琉球...っと、あ、なるほど。日本もそうだけど、牛は農耕作業用の家畜だから食べたり乳を搾ったりというのは西洋由来なんだって。」


紬「そういえば古代ギリシャに転移したときもあまり牛は見てないね。山羊ばっかり。山羊のミルクを飲んだ。」


桜「山羊は牛や豚より簡単に飼育できるのかな?」


翼「どれどれ ………… はい、そうだね。牛や豚よりずっと簡単。ほっとけばその辺の草を食べるので餌の心配をしなくていいらしい。そして繁殖力がハンパなく強い。西洋の悪魔に山羊っぽいやつがいるのも、絶倫パワーのせいらしい。」


紬「山羊チンコ...侮れぬ。」


桜「山羊乳をお菓子の材料にして、山羊肉をジンギスカンにして食べよう。」


翼「おお、ワイルドな捕食者発言。」


紬「山羊が絶倫で増えまくって、大量の糞で畑を肥やし、山羊乳をミルキーにし、最後はジンギスカンで美味しくいただく。なんて素晴らしい循環。栄養が行き渡って嘉手納の人口がもっと増えるよ。」


桜「そういえばしばらくお肉を食べてない。肉食で漲るあの感覚、しばらく味わってない。」


翼&紬「はあ、新宿でジンギスカン食べたい。」


桜「これは王様案件だ。提案しに行こう。サトウキビと山羊増産。」


翼「琉球全体で取り組めばすごく強い国になれそう。」


紬「あとさ、嘉手納で始まった火薬生産。これは国を挙げて取り組まないと世界と喧嘩できないよ。」


桜「そうだった。バッドシッターズと炭焼き兄弟の活躍ですごい勢いで火薬が生産されている。このノウハウを国中に広げなくっちゃ。」



真鶴「お帰りなさいませ。」


桜「ねえ真鶴ちゃん。私たちそろそろ元の世界に戻ることになりそうなの。」


真鶴「短い間でしたが本当にお世話になりました。」


翼「私たちがいなくなるとお給金も払えなくなるので、この3両を元手に事業を興しなさい。そうね、飲食店がいいわ。ライバルもいないみたいだし。」


真鶴「飲食店ですか、経験がないので成功するか確信が持てませんが。」


翼「近郊で山羊を飼って、山羊乳と山羊肉を材料にした料理を提供するのよ。きっと儲かるわ。」


真鶴「わかりました。ひとりで生きていけるようがんばります。」



桜「蘭ちゃんは定期便の事業で大丈夫そうね。」


紬「あの子はほかにも事業を興しそう。きっと大社長になるよ。」


翼「じゃあ宮廷へ行こうか。」



尚清王「おお、黄金の巫女たちよ。台湾へ行ってきたそうだの。収穫はあったか?」


桜「はい、お菓子を与えたら装飾品を渡されました。大量の甘い物を残してきたので現地で懐柔に務める女たちも大きな成果を出せるでしょう。」


尚清王「甘い菓子か。それは効果がありそうじゃ。」


翼「そこで提案なのですが、この地に自生しているサトウキビ、これを国を挙げて耕作し砂糖を作るべきだと思います。」


紬「甘いお菓子は平和と繁栄を約束します。」


尚清王「菓子か。気づかなかった。確かに甘味は人の心を動かす。ぜひ取り組もう。」


桜「久米島の硫黄をお分けいただきありがとうございます。それを材料にして嘉手納で火薬を生産し始めました。」


尚清王「何、火薬だと。鉄砲を量産し始めたので火薬は必須だ。今は倭寇から高く購入しているが。」


桜「琉球で生産が可能です、尚清王。硫黄を明にすべて明け渡すのは得策ではございません。火薬の生産力を上げるべきだと思います。」


尚清王「うむ、生産できるならそれに越したことはない。明への譲渡は減らすことにしよう。」


桜「火薬の生産方法についてはあとで技術担当の役人に伝えておきましょう。」


尚清王「うむ、感謝する。ところで、今回はなぜ矢継ぎ早に提案するのだ?」


桜「それは時間が限られているからでございます。私たち、そろそろお暇することになりそうなのです。」


尚清王「何と!それは女神様のご意向か?」


桜「はい。琉球を南海の強国にするというのが女神様から仰せつかった使命です。その条件はふたつ。鉄砲が種子島に漂着する前に琉球で入手して量産すること、そして台湾を手に入れることです。そのふたつが達成できそうなので、私たちの役目はほぼ終了しました。」


尚清王「なるほど、大義であった。それを全うする最後の方策がさきほどの提案なのだな。」


翼「その通りです、王様。そしてもうひとつ、琉球の国力を上げる大事な政策がございます。山羊の増産です。山羊は繁殖力がとても高く、野に放っておけば勝手に草を食べるので餌の心配もいりません。その糞は畑の肥やしになり、その肉は重要なタンパク源として国民の栄養状態を格段に改善します。そして、これはあまり知られていないことですが、山羊の乳も搾って利用することができます。砂糖と一緒に調理すれば優れた菓子になりましょう。」


尚清王「おお、山羊の乳と砂糖で作る菓子、それは前にもらったミルキーのようなものだろうか。」


紬「はい。宮廷料理人に研究させれば近いものが作れるでしょう。台湾の原住民を懐柔するのにそれ以上のものはありません。」


桜「最後に大胆な提案をさせてください。稲作にあまり適していない島々から多くの農民が台湾への移住を希望すると思います。台湾は平野も多く水に恵まれたくさんの米を生み出すでしょう。現地の民からも稲作に従事する者が現れると思います。どうか土地は慎重に分配するようにお願いします。決して士族が独占して民百姓を苦役に使うようなことはなさらないように。自らの土地を耕して作物を育てる農民が国を強くします。嘉手納では炭小屋を作って木炭の製造も始めました。これを交易で琉球各地に広めるつもりです。木炭は木材さえあれば炭小屋で作ることができます。台湾でも他の島々でも広く木炭を作り、民の竈を強化してください。山羊の肉も美味しく調理できるようになるでしょう。そして、農耕に向かない台湾の屈強な人々、彼らは強い兵士になります。集団単位で交渉すれば奄美大島などの前線で攻めてくる薩摩の兵を射殺してくれましょう。宝島にフランキ砲を配置して台湾現地兵に守らせれば薩摩に万が一にも勝ち目はないでしょう。」


尚清王「すべて理に適っている。王語の巫女たちよ、その提案を受け入れて必ずや琉球を南海の覇者とすることを誓おう。」


桜「ありがとうございます。私たちはもう現れることはありませんが、首里の知念真鶴、久米村の鄭蘭、そして嘉手納の樽金、この三名はよく尽くしてくれました。ぜひよしなにお願いいたします。」


尚清王「わかった。褒美を使わすことにしよう。」




桜「ああ、久しぶりに感じるこれ....」


翼「身体の奥の隠微な疼き...」


紬「身体の底から...いっちゃいま~す!」



やっと帰れますね。転移している間は現実の東京では時間が流れないというルールですが、琉球で日焼けしなかったのでしょうか?とりあえず渋谷に戻って彼女たちはなにをするのでしょう。

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