王都へ行ってイラブー汁の作り方を教えてもらい、王様にお願いして豚さんも手に入った
豚さんが手に入らないとミミガーも豚足も食べられませんから琉球感が足りません。
紬「ねえ、これさ、どうやって料理するの?」
料理人「イラブーの燻製か。珍しい食材を手に入れたな。いい出汁と栄養が取れるぞ。まず水に少し浸けてから皮を炙ってたわしでこすり取る。それを切って昆布といっしょに煮込む。あくが出るからよく取るように。柔らかくなったら具を取り出してからスープを漉して、鰹だしといっしょに煮る。取り出したイラブーから内臓と骨を外してスープに入れる。大根と豚骨があればそれも入れる。柔らかくなったら完成だ。」
紬「おお、聞いてるだけでよだれが出ます。豚骨は市場で売ってる?」
料理人「売ってるぜ。琉球料理には欠かせないからな。」
紬「ありがとう。買って帰るよ。」
桜「調理法、聞いてきたか?」
紬「うん、帰りに豚骨と大根を買うよ。」
桜「やっぱり豚がないと始まらないか...」
翼「教えてもらった養豚場へ行ってみよう。」
翼「うわー、豚さんがいっぱいいる!」
紬「餌を持ってるとご飯ちょうだいって寄ってくる。鼻でフガフガして。」
飼育員「お姉ちゃんたち、豚に興味があるのかい?」
桜「はい、うちの村でも飼いたいなと思って。」
飼育員「それはいいな。あちこちで豚を飼育すると、交配が安定する。」
翼「どういうことですか?」
飼育員「同じ場所に閉じ込めておくと同じ血筋同士で交尾してしまうから、弱い個体が生まれてしまうんだ。」
紬「なるほど、あちこちの村で豚を育てて、たまに交換するわけですね。」
飼育員「そうだ。それができれば豚の数も増えるし、品質も上昇する。琉球国民がみんな豚肉や豚足を食えるようになるぞ。」
桜「それは素晴らしい。でも、豚の飼育と屠殺の技術を持ってる人は限られますよね。」
飼育員「この養豚場には13人の飼育員がいるが、豚の数が減るならよそに回すこともできる。」
桜「うちの村に飼育員さんを2人連れ帰るためには何頭の豚を減らす必要がありますか?」
飼育員「豚4頭で飼育員ひとりだから、8頭だ。」
桜「王様にお願いして飼育員さん2人と豚8頭をもらい受けます。」
飼育員「おまえさんたち、どこの村だ?」
桜「嘉手納村です。」
飼育員「ならば俺を選んでくれよ。故郷が近い。名前はコンだ。」
桜「コンさんですね、了解しました。」
翼「王様に頼んで豚さんと飼育員も手に入ったし、村に帰ろうか?」
桜「うん、とりあえず今日は帰ろう。でも明日は遠出するよ。」
紬「え、どこへ?」
桜「台湾だよ。この目で見ておきたい。」
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女神「かーっ、あいつらどんどん有能になっていく。」
翡翠「女神様の試練のおかげだと思います。」
青水「うん、女神はしっかり育ててる。目の付け所が違う。」
女神「え...褒めても何も出ないんだからね。」
青水「いや、こちらからお礼の捧げ物をしよう。アルマン・ド・ブリニャック・ノワールだ。」
翡翠「あ、それ、私飲んだことがない。」
女神「え?いいの?何だか照れるなあ。」
翡翠「私からは、ノルウェーのモウイのスモークサーモンと最高級生ハム、ハモンイベリコ・レアル・ベジョータを捧げます、女神様。」
女神「なんだか流れるはずのない涙のような液体が目に...」
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紬が市場で豚足と大根を買い込んだあとで、一行は定期船に乗って嘉手納村へ戻った。出港する船、入港する船で港は賑わっていた。小舟で船を誘導する水先案内人も働いていた。こうして村に新しい仕事がどんどん増えて行く。ミョンとニョンは薬草の店を開いていた。
樽金「よお、お帰り。」
翼「留守中に何か変わったことはあった?」
樽金「慶良間からの入り婿が東側の島に行って交易をしてきた。」
桜「何を持ち帰ったんだ?」
樽金「宮城島の塩だよ。品質が高くて料理の味が引き立つ。」
紬「おお...イラブー汁に使える。」
桜「こっちからは何を渡したんだ?」
樽金「豆と織物だ。工房になってから生産力が上がったからな。」
桜「ほかにどこか新しい島の探索はあったか?」
樽金「うん、慶良間諸島の西に久米島という大きな島があって、俺たちは知らなかったが、慶良間の連中はよく行き来してる島らしい。そこに硫黄が集積してるらしい。」
翼「ちょっと待って ………… 硫黄は火薬を作るために必要な戦略物資だよ。」
桜「王府がそこに硫黄を集積してるということは、朝貢で明に輸出してるのかな。」
翼「はい、それも検索して調べるよ。………… ご明察。明は硫黄を大量に必要としていた。あんな大きな国が戦争するんだから当たり前か。蒙古と戦っていたんだ。」
桜「そりゃご苦労さんなこった。」
紬「でもさ、明に全部渡しちゃったらうちらの分がなくなる。」
桜「そうなんだよな。悩みどころだ。王様に相談してみよう。」
翼「さて、こうやって交易の幅が広がってくると、嘉手納の特産品も考えなくっちゃ。みんなが欲しがるもの。」
紬「炭はどうかな?木炭。山に炭焼き小屋を作ってそこで生産するの。」
桜「おお、ナイスだ、紬。幸い、嘉手納村に流れ込む比謝川の河岸には木々が生い茂ってる。川を使えば運搬も簡単だ。」
紬「イラブー汁を作るには安定した火力が必要だからね。」
翼「おまえはブレないなあ。」
嘉手納をハブにして交易の幅が広がってきました。特産品の生産も決まり、村に新しい仕事ができてきます。




