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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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154/165

徳之島ではハブ対策に絶妙の案、毒を持って悪を制す、そしてうずわ

毒を持って悪を制する。だけど生物は絶滅させてはいけないんだよ。

徳之島でも到着してすぐに役人とのブリーフィングが行われ、人口約5000人の安定した島経済についての情報が得られた。500メートルを超す高い山がふたつ、豊かな乳房のように島から突き出して、豊富な水資源を島にもたらしていること。それがアマミノクロウサギなどの固有種を育んでいること。だが自然の豊かな生物多様性はハブという危険な存在も同じく育み、島民にとって命を脅かす伏兵になっていることを黄金の巫女たちは知った。大豆栽培について、いつものようにミョンの指導書と種豆を手渡したあと、3人はノロを訪れた。


翼「こんにちは。王府から来た黄金の巫女です。」


桜「これが朱印状と王家の数珠です。」


紬「巫女として同業なので跪かないでくださいね。フランクに話し合いましょう。」


ノロ「わかった、若き巫女たちよ。」


桜「役人たちから聞いてきました。この島は自然に恵まれ、島民たちは安定した暮らしを営んでいると。」


ノロ「その通りじゃ。みな勤勉で信心深い。誕生と葬式の神事も同じくらいの頻度で起こり、島は安定している。」


紬「唯一の懸念は毒蛇のハブ、そうではありませんか?」


ノロ「そうじゃ...山間に隠れ、働き手を一瞬にして奪い去る悪魔じゃ。」


桜「天敵がいないのですね?」


ノロ「猪ぐらいか、戦ってなんとか勝てるのは。しかし猪には戦う理由がないので、天敵にはならない。」


翼「この女神様より賜った道具で調べた結果、ハブは泡盛に漬け込めばこのうえない滋養強壮の効能を発揮するとあります。捕まえてハブ酒を作れば、宮廷に貢納するだけじゃなくて、琉球の特産品として明と日本に輸出できます。」


ノロ「滋養強壮の薬とな?」


翼「はい。特に男性機能に多大な効能があるとか。」


紬「これ見てください。私には意味が理解できないのですが、この宣伝文句。“こっそり飲んで一晩に5発”って何でしょう?意味がわからなくてもそそられる言葉だとは思えます。」


桜「こちらにはこう書いてありました。“固い鎌首をもたげて突きまくれ!ハブの力でおまえは無敵だ!”」


ノロ「うむむむ....毒を転じれば薬にもなる....これは逆もまた真で自然の理だが、男を奮い立たせるか。なるほど、上手く利用できれば大きな富を生むだろう。富だけではなく愛と未来も。」


紬「大々的に捕獲作戦を展開できれば良いのですが、命がけになりますね。」


ノロ「なに、噛まれなければどうということはない。牙を通さない装備で挑めば良いだけのこと。」


翼「何かお考えが?」


ノロ「この島では養蜂も盛んでな、蜂に刺されないための装備があるのじゃ。それを改造すればハブに噛まれる心配もないだろう。」


桜「ならば役人に命じてすぐに大規模なハブ捕獲作戦を!」


ノロ「捕獲してもハブ酒を作れなければ意味がない。」


桜「泡盛に漬け込むだけで良いのですよね?」


ノロ「その泡盛が徳島では造れない。いや、造ることが許されていない。」


桜「どういうことでしょう?」


ノロ「泡盛の製造は王都の三つの村にだけ許されている。王府の独占事業だ。勝手に造ることは許されていない。」


翼「勝手に造られると税収に影響があるからだよ。」


桜「ならば王様に頼んで徳之島にも泡盛醸造の免許を認可してもらいましょう。輸出の看板となる特産品の発明、島民の生命リスクの軽減、良いことだらけです。」


ノロ「おぬしたちから上申されれば王も快諾するであろう。」


翼「あとは危険な捕獲作戦に投入される実働部隊の編成だけど....」


ノロ「毒を持って毒を制する。犯罪者を使うのじゃよ。」


桜「といいますと?」


ノロ「牢屋に収監されている犯罪者をこの島に集め、対ハブ用の装備を支給し、一定数のハブを献上したら無罪放免とする。命を落とす者も出るだろうが、国としては何の損失もない。」


紬「ノロさまは鬼ですね。」


ノロ「社会の安定を維持するのが仕事だからの。」


桜「徳之島にハブ撲滅本部を作り、犯罪収監者を撲滅部隊として編成し、ハブ10匹捕獲で減刑ひとつとする。死刑から無期懲役、無期懲役から懲役20年というように。これなら罪の償いが社会に還元できます。」


翼「ハブを捕まえて刑期を終えた受刑者には、そのままハブ酒製造に従事する人生に入ってもらうのも良いかもしれません。ハブの取り扱いに慣れていますから。」


ノロ「うむ、ハブの毒で悪の毒を中和する、精霊の秩序にも似た良い仕組みじゃ。」



 3人はさっそく鳩リレーで王府にこの計画を伝え、返事を待たずにハブ撲滅本部を立ち上げた。



挿絵(By みてみん)



紬「この計画は優れているとは思うのだけど...」


桜「ん、どうした紬?」


紬「大々的に展開すると徳之島からハブが消える可能性があるんじゃない?」


翼「なるほど、絶滅させてしまえばこの仕組みそれ自体も成り立たなくなるか。」


桜「ならばハブ保護区を作って、そこでのハブ捕獲を禁じる。面倒だけど種の絶滅はヤバいからね。取り返しのつかないことになる。ハブ酒が作れないだけでは済まない、私たちが想像できない何か大きな災厄をもたらすかもしれない。」


紬「学校で散々習ったからなあ、生物多様性。」


桜「本当は、私たちの時代の専門家から見れば、まだまだ甘い対策かもしれないけれど、やるだけ無駄ではなくて、やれることはやっておこうということだよ。」


紬「ねえ、豊かな徳之島に来てまだグルメを堪能してないよ。翼、調べてよ。」


翼「徳之島、グルメ、っと ………… あった。紬、海鮮マスター、おまえ、己のよだれで溺れ死ぬぞ。」


紬「なん...だと!」


翼「黒潮に乗ってやって来る大型の回遊魚、カツオ、シイラ、キハダマグロ、サワラ、ブリ...」


紬「寿司屋じゃねーか!」


桜「港へ行こう。漁師に話を聞こう。」



挿絵(By みてみん)



紬「しゅごい!寿司ネタだ!これ、どうやって獲るの?」


漁師「一本釣りさ。太い竿と縄で釣り上げるんだ。」


桜「釣り上げるとアドレナリン出まくり!」


漁師「は?何言ってる?」


桜「あ、いや、釣り上げたとき気持ちが良さそうって。」


漁師「ああ、最高だぜ。女を抱くより気持ちがいい。」


翼「やだもう、オジさん。」


漁師「はっはっは。欲しかったら一本やるぜ。おまえら黄金の巫女様なんだろ。きっと御利益があるわ。」


紬「ホント?うれしい!」


桜「やったな、紬。」


紬「待って....思いついた!カツオがあれば伊豆名物うずわができる。」


桜「うずわかあ、ダイビングで行ったとき食べたなあ。ソウダガツオを叩いてご飯に乗せて青唐辛子をかける。半分食べて残りは茶漬けにするんだ。」


翼「ねえ、おじさん。唐辛子、手に入る?」


漁師「ああ、市場で訊いてみな。あるはずだ。」


紬「どうせなら水着で食べよう。テンションが上がる。」


桜&翼「おーっ!」



挿絵(By みてみん)


うずわ、ご存じですか?ご当地に行かなければ食べられないグルメ。気になった人は伊豆へGo! ついでにダイビングをするといいですよ。

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