物奉行に金貨の威力を見せつけてから、同時進行の事業の進捗を訊いて、お見合いツアーの計画を練る
タイトルにもあるように、そして女神が言うように、同時進行の事業が走り始めたので、黄金乙女たちも多忙になります。
真鶴「物奉行の永山様がお見えになりました。」
桜「わざわざのご足労、誠に恐縮でございます。」
永山「まあ、そう固くならなくてもよい。あまり時間がない。簡潔に要件を述べよ。」
桜「はい。私たちは王様に直接お会いして、国のために金貨500枚を献金したいのです。」
永山「なんと、金貨500枚と?本当に持っているのか?」
桜「はい、この通り。すでに久米村で真偽の鑑定は済んでおります。永山様には、ご検分のために別にこの1枚を差し上げます。どうぞお収めください。」
永山「うーむ、これは降って湧いたような吉報だ。捨て置くには惜しい。いや、捨て置けば王より咎を受けよう。わかった。話を通そう。答えはこの屋敷の女に伝えさせる。それでよいか?」
桜「ありがとうございます。私たちは琉球国を栄えさせることを目的に日々活動しております。今後ともよしなに。これはお近づきの印です。虎屋の羊羹でございます。日持ちしますが、できれば冷暗所で保管することをお勧めします。」
永山「うむ、土産までもらってかたじけない。また相まみえようぞ。」
翼「ふう、さすがCEO桜、堂々としてたね。」
桜「いやいや、ガクブルだったよ。」
翼「じゃあ真鶴ちゃん、嘉手納からピンちゃんを持ってきたので、宮廷から返事が来たらお手紙ちょうだいね。」
真鶴「了解しました。お話、通って本当によかったですね。」
桜「うん、でも勝負はこれからなんだ。」
翼「それじゃ久米村に寄って帰ろうか。工房の件や港の件、それから新造船の件とか、いろいろまだ残ってるからね。」
紬「市場でまた中華粥を食べたい。」
蘭「お帰りなさいませ。」
桜「蘭ちゃん、いろいろ忙しい用事を押しつけちゃってごめんね。」
蘭「いえ、それが私の仕事ですから。」
桜「で、首尾は?」
蘭「船はもうさっき出港したのでそろそろ嘉手納へ到着するでしょう。壮観でしたよ、10m級が3隻、15m級が2隻、船団を組んで出港して行きました。港湾工事の人足たちは2日前にこちらを出発して、今ごろ基礎工事にかかっていると思います。工房の件も手配しました。建物が15両、機織り機などの道具の製造に5両だそうです。」
桜「じゃあ必要な資金は蘭ちゃんに渡すので、支払いはお願いね。」
蘭「了解しました。」
翼「拠点の管理でお金が足りなくなってない?」
蘭「大丈夫です。まだ十分に資金が残っています。」
紬「じゃあ、私たち、市場に寄って帰るね。あ、そうだ。また鳩を1羽持って行くよ。連絡に便利だから。」
蘭「はい、ではペンちゃんをどうぞ。」
市場に行くと樽金が中華饅頭を食べていた。
翼「あ、樽金だ。やっほー!」
樽金「おまえらか。よかった、ここで会えて。このあと帰るから乗せて行くよ。」
紬「ラッキー!中華粥を食べてから出発だ!」
桜「ふふふ、嘉手納に帰ると新しい船が届いているってよ。」
樽金「本当か?早いな。さすが久米村の船大工だ。」
桜「港の工事も始まってるっていうし、いろいろ忙しくなるよ。」
樽金「おう、俺もひとりでこの船に乗るのはしんどいので村の男を一人前の船乗りに鍛え上げなければならない。あと、村に入り婿を迎えられないか検討する必要もある。」
紬「入り婿?」
樽金「ああ、娘しか生まれなかった家によそから婿を入れるんだ。でないと家が滅亡するからな。今回の船旅で寄った島にな、熟練の船乗りがいっぱい住んでた。こいつらを村に迎えたら面白いことになる。」
桜「入り婿に来てくれるの?」
樽金「別嬪だったらって言ってた。」
紬「ちっ、これだから男ってやつは。」
翼「犯罪すれすれの美少年好きがそれを言ってもなあ。」
幸いに市場で樽金と遭遇した3人は快適なクルージングで嘉手納村へ戻った。浜辺には新造船が停泊していた。中型船が5隻、樽金の船と合わせて6隻が停泊する浜辺は壮観だったが手狭でもあった。港が完成するまでは我慢するしかない。
樽金「こりゃ船乗りの育成を急がないと宝の持ち腐れだ。入り婿を早く呼び込まないと。」
翼「お見合いツアーをすればいいよ。」
樽金「何だ、それは?」
翼「村の娘を船に乗せてその渡嘉敷島に連れて行くんだよ。あっちの若い衆とピクニックでもさせてやれば、何組か仲良くなるんじゃない?」
桜「樽金、おまえの他にこの村で操船できるのは何人いる?」
樽金「今のところ俺を含めて7人だけだ。」
桜「ならば3隻は出せるじゃん。娘を10人ぐらい連れて行けるよ。」
樽金「そうか。それは良さそうだな。」
翼「いっぱい成婚させて人口を増やしなよ。子どもが増えると活気が出るよ。」
紬「子どもが増えたら読み書きを教える場所も必要だね。」
桜「少し切り開いて土地を広げよう。」
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女神「同時進行の事業がいっぱいあって目が回るな。」
翡翠「あの子たち、かなり優秀ですね。女子高校生とは思えません。」
青水「金貨を上手に運用している。金持ちDNAは侮れん。」
女神「首里と久米村には優秀な部下がいるから任せられるが、嘉手納ではそうもいかないな。読み書きできる部下が欲しいところだ。今は鳩係の子どもしかいない。」
翡翠「そうですね。ちょっと仕事の負担が多すぎます。部下の社員がいない会社みたいになっています。」
青水「まあ、それも含めて切り開いてくれるだろ、あいつらなら。」
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事業は走り出させる前が大変。スタートアップが4つ5つ並走するのを3人のJKが管理する、これは過酷です。会社には社員が必要です。




