拠点の整備は有能な管理人に任せる、村に戻って船を見る、いつかお米をたくさん食べさせるからね
異世界から持ち込んだ9000枚の金貨、東京に置いておけないので始めたこのミッション、使っても使っても減らない感じですが...
蘭「おはようございます。父が組織のボスに売却の話をしました。思った通り法外な額を提示されました。30両だそうです。」
桜「わかった。それで手を打つよ。四の五の言ってられないんでね。中国系の組織なら、わざわざ銀に換金せずに金貨のままで受け取ってくれるだろ?金貨1枚で2両だったから15枚、これで売ってもらえるだろうか?」
蘭「金貨は実は銀貨よりもずっと価値があります。倭寇経済で西洋人との交易になると、金貨の価値は通常の両替屋よりもずっと高くなるのです。組織のボスは大喜びで受け取るでしょう。でも....よろしいのですか?ただでさえ法外な価格を貴重な金貨で支払って。」
桜「喜んでもらえるなら何よりだよ。はい、金貨15枚。偽金じゃないよ。しっかり鑑定してから受け取ってと伝えてね。」
蘭「私...こんなにたくさんの金貨を目にしたのは初めてです。手に取るだけで震えてきます。」
桜「鞄に詰めてしっかり運ぶんだよ。目立つとかえって面倒だから護衛は付けないほうがいいよ。」
蘭「わかりました。」
桜「そして屋敷が手に入ったらさっそく手を入れてちょうだい。この5両はその費用だ。女ひとりで守ることになるので、防御力を高めることが大事。石垣でしっかり囲み、入り口に門扉を付けて施錠できるようにする。入り口は一カ所だけにして左右と裏手から侵入できないようにする。そして鳩小屋も作ってね。家具と調度品は蘭ちゃんの趣味で集めていいよ。寝具は私たち3人と蘭ちゃん、それから予備の合わせて5つ用意してちょうだい。さっそく初仕事だ。お願いね。」
蘭「全力で取り組ませていただきます。」
桜「最後にひとつ訊くけど...蘭ちゃんはどうして口入れ屋で職を探していたの?それだけの能力があれば引く手あまただったと思うけど。」
蘭「自分の立ち位置をどう決めるか少し悩んでいたからです。私は中国系で、父が働く組織も中国からの渡来人と中国人がほとんどです。でも私は、自分を中国人だと思えません。この琉球で生まれ琉球で育ちました。中国系の琉球人だと思っているのです。なので、中国系の組織で働くことに違和感を感じて、あえて口入れ屋さんの紹介で琉球の仕事をしたいと思ったのです。」
桜「なるほど、蘭ちゃん、だったらうちらと働くのは大正解だよ。うちら、琉球を強い国にするのが目的なんだ。」
蘭「そういうことならますます全力で取り組みます。よろしくお願いします。」
桜「では頼んだよ。うちら、しばらく王都を離れるから屋敷...いや、あえて言うけど、拠点の整備をお願いね。」
蘭「お任せください。きっとご満足いただけるように仕上げます。」
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女神「あいつら、金の使い方が女子高生とは思えんな。」
青水「実家が太い港区JKだとふつうの女子高生と違っちゃうのか。金持ちが金持ちになるって、ただ財産を引き継ぐってだけじゃないんだなあ....羨ましくなんてないんだからねっ!」
女神「そう言いながら酒をあおってるのが何だかね...」
翡翠「いえ、青水さんが富豪だなんてキャラ崩壊でイヤすぎます。」
青水「俺ってそんなに貧乏くさいの....?」
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桜「それじゃ樽金の村にいったん帰るか。」
翼「村にも鳩小屋を作らないといけないしね。」
紬「村の人たちの収入も安定させてあげなくっちゃ。」
樽金「おーい、帰ってきたな。」
桜「ただいま。何か変わったことはあった?」
樽金「浜に出て見てくれ。注文していた船が来たんだ。」
翼「わあ、かっこいい!」
桜「速そうだし、いっぱい積めそう!」
樽金「速いぞ。前のマーラン舟だと3時間かかっていた王都まで半分の1時間半で到着だ。」
桜「それだけ速いと宮古島や奄美大島へも行けちゃう?」
樽金「まだ試してないが楽勝だな。」
翼「あのさ、樽金の3人の嫁さんってふだんは何してるの?」
樽金「カヨは身籠もってるから家事と機織り、ウミとハナは浅瀬で魚や海藻を採ったり畑の世話をしてるけど、大事なのはやっぱり布作りだな。材料から糸を紡ぎ、染料で染め、機を織る。」
翼「なるほどね。ところで、村の娘で鳩の世話をしてくれる子はいないかな。鳩小屋で鳩を飼うんだ。」
樽金「それなら動物の世話が大好きなミトという12歳の子どもがいるよ。」
翼「じゃあ、村の男たちにこの200文を払ってうちらの家の近所に鳩小屋を作らせてちょうだい。頑丈なやつね。それからミトをうちに来させて。」
樽金「わかった。待ってろ。」
ミト「こんにちは。樽金に言われて来ました。」
翼「いらっしゃい、ミト。あなたにお仕事をお願いしたいの。鳩の世話よ。お給金は月に100文あげる。どう、してくれる?」
ミト「え、そんなにもらえるの?」
翼「うん。だから鳩をかわいがってね。鳩小屋が居心地よくてどんなに離れていても帰ってきたくなるように。」
ミト「うん、がんばる。ね、鳩さんたちに名前を付けてもいい?」
翼「もちろん。名前があると愛情も湧くからね。」
桜「これで3点の通信網が完成したね。」
紬「まだまだ金貨が減ってない。面倒なので数えてないけど、いままで使ったので数百枚。最低でも8500枚も残ってる。」
翼「うちらはこれから宮廷との関係構築、倭寇との協力態勢、西洋人に接触し鉄砲を購入、いろいろやることがあるから金はどんどん溶けていくよ。」
紬「この村を樽金の元に団結させ強い共同体に育てるため、村の経済力を大成長させよう。」
桜「となると、やはり注力すべきは海運と離島交易かな。」
翼「まず岸壁に港を建設しよう。海運と離島交易の基地にする。」
桜「公共事業だからけっこうカネがかかる。いいね、それ。樽金に相談しよう。」
ウミ「あら、みなさん、こんにちは。樽金に船を買っていただいてありがとうございます。」
紬「ウミさん...だったっけ。これから魚捕り?」
ウミ「はい、捕った魚を干して保存するのも女の仕事なんですよ。ついでに貝や海藻も採っちゃう。」
紬「働き者なんだね。」
ウミ「働くとご飯が美味しいですからね。」
紬「そういえばご飯ってお米を食べてるの?」
ウミ「いえ、お米は王都への大事な納税品です。私たちが口にすることはありません。」
紬「ふーん、そうなんだ...いつかお腹いっぱいお米が食べられるようにしてあげる。」
ウミ「そんなことができるの?」
紬「ふっふっふ、お米がたくさん獲れる島を手に入れるの。まあ見てて。」
桜「ねえ、樽金―、ちょっと相談なんだけど。」
樽金「おう、何だ?」
桜「大きい船も手に入ったし、船をもっと増やしたいし、あそこの岸壁に港を作ろうと思うんだ。たぶん村の男だけでは作れないから王都から職人を呼んでこなければならない。幸い、久米村に拠点を作って中国系とのつながりもある。この計画、どう思う?」
樽金「魅力的だけど、すごくお金がかかると思うぞ。」
桜「そこは任せろよ。なのでちょっと久米村まで乗せていってくれないか?」
樽金「わかった。任せろ。風がよければ1時間、そうでなくても1時間半で送り届けてやる。」
伝書鳩による通信網の設置、これは今後もっと広げましょう。めざせ海運島嶼国家、日本と明に屈するな。女神様の加護を!




