中級職パーティとして安定してきたけど、上を目指すための情報を探していたら、まさかの再会
お金を稼いでも稼いでも、我が暮らし...の石川啄木で、美貌に配慮する余裕もなくなったJKトリオです。
桜「さすが金策クエストだ。1回で3万になった。」
翼「4000しか残っていなかったから助かったよ。総額34000だ。」
紬「このままDクラスを2周やろう。レベルが上がるし、わずかだけど金策になる。」
桜「よし、Dを2周で1万以上稼ごう。」
3人はDを2周してから宿屋に戻って、社畜のように食堂で酒と飯をかっ込み、泥のように眠った。手持ち資金は45000ゴールド、レベルはLV25になっていた。
桜「次に購入すべきは、翼の攻撃武器と紬の範囲攻撃呪文。それで余ったら私の属性効果付与だな。」
翼「稼いでも稼いでも我らが暮らし...」
紬「石川啄木だよ。」
桜「貧すれば貪す...じゃなくて、貧すればブスになったかも...」
翼「由々しき問題だ。」
紬「生存と闘争を優先するとどうしてもね...」
桜「強くなれば効率的に稼げる。稼げれば...またかわいくなれるさ。」
翼「こっちにいる限り歳は取らないのだから、ある意味エルフより有利。」
紬「そう考えると気が楽になった。」
店員「武器と防具の店モデストへようこそ。」
翼「パラディンの片手剣を買いに来た。」
店員「パラディンは守りの要。攻撃武器にそれほど注力する必要はありません。その盾に合わせたミスリスソードでよろしいかと。5000ゴールドです。」
翼「わかった、それにしよう。撃ち漏らして近くに来た敵を斬り捨てるだけだからな。」
次は魔法屋マンソンジュ、40000ゴールドで効率良い買物をしなければならない。
店員「魔法屋マンソンジュへようこそ。」
紬「賢者の範囲攻撃呪文、いくらなの?」
店員「火、氷、風、土の四大エレメントは5000ゴールド,光と闇は7000ゴールドです。」
紬「では光と闇をくれ。」
店員「毎度ありがとうございました。」
桜「属性付与魔法は5000だったな。氷と風と土をくれ。」
店員「毎度ありがとうございます。15000ゴールドになります。」
これでLV25の中級職パーティはすべての魔法と装備を揃え、11000ゴールドの資金を持つ綱渡り状態の窮乏状態になった。だが、これから先は増える一方である。3人は希望に燃えギルドへ向かった。
受付嬢「こんにちは。毎日精が出ますね。クエスト受注ですか?」
桜「ああ、Dクラスを頼む。あのダンジョン、中で待っていればリポップするのだろ?」
受付嬢「はい。ですが注意しないと、安心して休んでいるところに矢が降ってきます。気は抜けないですよ。」
桜「わかった。ちょっと財政状況が悪いので、泥臭い戦いをしなければならないんだ。2~3周してくる。」
3人はDクラスのダンジョンに籠もって、敵を3回殲滅させた。LV27に上がり、ドロップアイテムは30000ゴールドで売れた。そろそろ次のクラスが視野に入ってきた。アーベントイアーで情報収集をしよう。
冒険者酒場アーベントイアーにシルヴィとフィナの姿はなかった。鋼鉄のダンジョン攻略体はとりあえず座ってエールを飲む。
翼「誰か相談できる先輩パーティはいないかな。」
紬「できれば眼福のいるパーティが。」
桜「あそこのお侍みたいな人、転生者じゃない?」
翼「あ、あきらかに日本人だ。それも昔の。」
紬「なんか見覚えがあるんだけど...」
桜「思い出した!幕末の京都で知り合った中岡慎太郎さんだよ。」
翼「ああ、あの近江屋の、坂本龍馬さんじゃない人。」
紬「お笑いコンビの影が薄いほうみたいに言うのやめて。」
桜「おーい、中岡さんですよね?」
中岡「おや、これは!電気忍者乙女ではないか!」
翼「今は鋼鉄のダンジョン攻略隊なのです。中岡さんはこんなところで何を?」
中岡「いやあ、あのとき助けてもらったのは良いのだが、その後しばらくして長州の刺客に江戸で暗殺されてしまい、三途の川を彷徨っていたら、女神が現れてな...」
桜「まさか青い髪でニヤニヤしてる?」
中岡「いや、金髪でおっぱいが大きい優しい女神様だった。殺されてしまってかわいそうね、子リスちゃんとか言って、マシュマロを食べさせられ、恥ずかしながら抱っこされてしまった。」
翼「え、そんな女神様がいるんだ。」
中岡「甘やかしの女神って自己紹介してたぞ。」
桜「その女神様が中岡さんをこちらへ?」
中岡「ああ、まだ戦う意思があるようですねと、こちらの世界に送り込んでくれた。軍資金10万ゴールドとともに。」
翼「うわ、めっちゃ甘やかしてる。」
桜「中岡さんはこちらで冒険者を?」
中岡「ああ、魔法剣士LV40だ。こっちで結婚して子どももふたりいる。」
紬「顔に幸せが出てますよ。」
中岡「仲間にも恵まれてな。ちなみに嫁さんもパーティの仲間だ。」
桜「もうかなり上位クラスのダンジョンも攻略してるんでしょ?」
中岡「うちらのパーティルールは無理せず長生きだから、Bクラスを何度もやってる。Aにはドラゴンが出るっていうし、ここで死んだらもう次はないからな。」
桜「Cクラスのこと、訊いても良いですか?」
中岡「ああ、あそこは強敵が5体出るんだ。パーティではなくてソロで。」
翼「5体だけ?」
中岡「これが全部タイプが違うんだよ。しかも固定ではない。俺たちは何度も挑んだが、全部で20種類ぐらいと遭遇したな。もっといるかもしれない。」
桜「とくに注意が必要な敵は?」
中岡「石化攻撃をする敵だ。こいつはやっかいだ。後衛に石化解除の範囲魔法を使えるやつがいないと全滅だな。幸い、うちの嫁が優秀ですべて解除してくれたが。」
翼「えーと ………… メドゥーサ、バジリスク、コカトリス...ですね。」
中岡「京都でも見たが、その箱、何でも調べられるんだな。」
翼「スマホっていって、21世紀の日本で買えるんです。」
中岡「そうか...日本も未来は栄えるのか。少し安心した。」
桜「情報ありがとうございました。あ、そうそう。どうぞ、これ。虎屋の羊羹です。」
中岡「これはかたじけない。うわあ、懐かしいなあ。家に帰って嫁と食べるよ。」
じゃないほうの中岡さんとまさかの再会。この志士は笑顔の写真を残した数少ない幕末人なので、それを元に挿絵を作りました。異世界で知り合った奥さん、どんな人なのでしょうね。




