全員が中級職になって、フィナも大成長、だけど相変わらす金欠だよ、実家が太い港区JKなのに
やっと全員が中級職になれたけど、相変わらず資金不足。そんな3人の前に現れたエルフ少女(28歳)のフィナがなんとLV21賢者に成長していた。男子三日会わざれば刮目して見よと言いますが、エルフ少女はそれ以上です。
シルヴィ「よお、ずいぶんスッキリした顔をしてるじゃないか。」
桜「あ、シルヴィ。魔法戦士になれたんだよ。Dクラスのダンジョンを攻略してLV23だ。」
翼「ありがとう、シルヴィ。ドラゴンスペシャル...すごく効いたよ...いろいろと。」
シルヴィ「おめでとう。エールをおごるぜ。フィナも世話になったしな。…………フィナ、おまえもこっちに来て飲みな。もう28歳なんだから遠慮するな。」
桜「え、その見た目で28歳なの?」
シルヴィ「エルフだからな。ちなみに私は38歳だ。寿命はだいたいヒューマンの倍だ。」
紬「あら、フィナちゃん、装備を調えたのね。似合ってるよ。」
フィナ「さっそくパーティに誘われて、あのあと3回もダンジョンに入りました。レベルも上がり、ジョブチェンジしてLV21賢者です。」
桜「成長が早いな。天性の素質ってやつか。」
シルヴィ「エルフは後衛職としての能力が高いからパーティに誘われやすいんだ。もっと上級のジョブになると弓もいける。」
桜「いいなあ...うちらも頑張らないと。」
シルヴィ「資金調達はうまくいってるか?この世界、けっこう金が溶ける。」
翼「ふつうにダンジョンに潜ってるだけだと厳しいかな。」
シルヴィ「金策ダンジョンって知ってるか?」
紬「何、その魅力的なワードは?」
シルヴィ「金策に特化したダンジョンで、クラスはKと呼称されていて、K1~K5と危険度が上がる。最低のK1でもクリアすると1万ゴールド以上になるぞ。ただしレベルは上がらない。」
桜「内容はどうなってるの?」
シルヴィ「私は最低のK1しか経験がないが、物理が通りにくいやつ、属性が効かないやつ、毒や麻痺や混乱を付与するやつ、要するにイヤな感じの敵が多い。アンデッド系、スライム系とか。」
翼「なるほど、誰でも喜んで飛びつくって感じではないわけか。」
シルヴィ「欲に目がくらんで死んでしまっては笑えないからな。」
桜「でも装備を調えるためにはチャレンジすべきなのか。シビアな世界だ。」
フィナ「私、お手伝いできますよ。範囲治癒のほかに範囲状態異常解除もできます。」
シルヴィ「そうなんだよ、こいつはそのスキルのおかげで引っ張りだこなのさ。行くなら私も保護者として同行するぜ。LV30の魔法剣士、頼りにしていいぞ。」
桜「じゃあ、さっそく明日チャレンジしよう、K1に。」
3人は武器防具屋のモデストで魔法剣士になった桜の装備を調えようと思ったが、23000ゴールドの資金では不安だったので、残ったフレグランス35個をすべて売り払うことにした。市場に店を開き、完売して得た17500ゴールドを足して4万500ゴールド。我慢すべきところは我慢して装備を調えるしかない。
店員「いらっしゃいませ。モデストへようこそ。」
桜「魔法剣士の装備を調えたい。」
店員「魔法剣士の武器はいろいろありますが、両手剣を選ぶお客様が多いようです。筋力にもよりますが、やはりアタッカーに求められるのは火力ですから。」
桜「ふむ...どんなのが人気なの?」
店員「ロングソード系は筋力でぶった切る感じでしょうか。獣人のお客様やヒューマンでもムキムキの男性はこれに魅力を感じられるようです。東洋の刀、これは軽いけれども力だけでは威力を発揮できません。取り回しの技術が必要です。剣術道場で修行すると良いでしょう。他には鞭があります。状態異常を付与する鞭を選ばれる女性冒険者もいらっしゃいますが、どうしても火力は出ません。ただし複数の敵にダメージを与えられるという利点はあります。」
桜「うう...悩むなあ。」
翼「桜、日本人なら刀一択だよ。桜、押して参る!」
紬「私なら鞭を選んで、おーっほっほっほ、靴をお舐め、かな。」
桜「うん、紬の言葉で決心した。刀を選ぶ。変態は却下だ。」
店員「刀でございますか。お客様、運が良いですよ。一点ものがございます。銘刀桜花、15000ゴールドしますが、格が違います。」
桜「桜花...私のためにあるような武器だ。よし、これにする。」
ボロボロの双剣は1000ゴールドで引き取ってもらった。次は魔法屋マンソンジュだ。資金の残りは25000ゴールド。どうせすべては揃えられないだろう。紬はチートで資金MAXにしてヒャッホーしたゲームを思い出していた。
店員「魔法屋マンソンジュへようこそ。」
桜「魔法剣士の属性付与魔法、習得ロールはいくら?」
店員「ひとつ5000ゴールドです。エレメント4つと光と闇、全部揃えると3万ゴールドになります。」
桜「それはまた今度かな。」
翼「パラディンのプロヴォークとリジェネレートは?」
店員「プロヴォークは5000ゴールド、リジェネレートは10000ゴールドです。」
桜「それは防御の要で大事なので両方買おう。」
紬「後衛の範囲状態異常付与は?」
店員「毒、麻痺、混乱、睡眠、すべて5000ゴールドです。」
紬「うーん、これもまた今度かな。」
桜「これで残金は10000ゴールド。うちら....現実でも転移先でもこんなに金欠を味わったことがないよ。港区JK、現実の厳しさを骨の髄まで思い知らされた。」
翼「思えばバイトもしたことがなかった。」
紬「ペイペイはいつも10万円を維持。」
桜「いかに調子に乗っていたのか....頭を丸めるか。」
紬「それはやめな。」
桜「私、これから剣術道場で修行する。おまえたちは、申し訳ないけどバイトで小銭を稼いでくでくれ。」
翼「え、バイト?未成年の水商売とか?」
紬「ふ、風俗は無理ですぅ。だって処女なんだもの。」
桜「ばーか、違うよ。ダンジョンに行ってEクラスを2周してきて。3600ゴールドになるから。微妙に経験値ももらえるだろ。たぶんレベルは上がらないだろうけど。」
紬「お、ゲームでよくやる低レベル狩りでダルい金策。いいよ、2周でも3周でもしてきてやろうじゃない。」
桜「頼もー!」
師匠「よくいらした。修行をご所望か?」
桜「はい、今日初めて刀を入手しました。取り回しを学ばなければなりません。」
師匠「よかろう。費用は1000ゴールドじゃ。」
桜「はい、これでお願いします。」
師匠「ふむ...ん?その刀...かなりの銘刀じゃな。ちょいと見せてくれ。」
桜「はい、どうぞ。」
師匠「これは...銘刀桜花ではないか。こんなところでお目にかかるとは。」
桜「有名なのですか?」
師匠「ああ、切れ味もさることながら、刀格が高く魔力との相性が抜群だ。属性を付与すると恐ろしい火力が出る。魔法剣士垂涎の品だ。」
修行は夕刻まで続いた。最初は竹刀で、次に木刀で、怪我をしたらポーションで、かなり厳しい修行が続いた。
師匠「よし、かなり筋が良いぞ。では、桜花を抜けい!わしはこの鉄の模造刀で立ち会う。本気で殺すつもりでかかって参れ。ただし、容赦はせん!」
桜「一条桜、押して参る!」
そのころ翼と紬は、ダル戦闘を3周して稼いだ1万ゴールド以上を持って宿屋にたどり着いた。
翼「二宮翼...バイト終わったので退勤します。」
紬「うちら...3周もやったよ。」
偶然に手に入れた一品ものの銘刀桜花、桜が持つとキャラ的にぴったりはまりますね。修行は無事に終了したのでしょうか?




