本能ベースの商売で金を稼ぎ、レベルも上げたけど、まさかの挫折、そしてかわいい少女が
古典的RPGのウィザードリーをプレイしたことがある人はわかりますよね、パラメーターがちょっと足りなくて上位職にチェンジできない悔しさ。
翼「ねえ桜、いまうちらゴールドはいくら持ってるの?」
桜「銀行に2万、手元に500。」
紬「痛い目に遭ったのに減ってる。」
桜「エミリー姐さんが豪快に飲んでくれたからね。」
翼「とりあえず明日はEクラスを受注して手元資金2000ゴールドを目指そう。」
紬「レベルも20に上がるかもしれないし。」
桜「翼の盾はしばらくボロボロで我慢してくれ。」
翼「ちょっと待って、忘れてた。うちらフレグランスの金策してないじゃん。」
紬「そうだった。明日の午前中に少し稼ごう。いくつ持ち込んだんだっけ?」
桜「100個だよ。」
翼「一度に放出するとレア度が下がるから、とりあえず30個売ろう。完売すれば15000ゴールドになる。」
紬「午前中は市場でフレグランスの店を開き、午後はダンジョンでEクラス、そしてそのままアーベントイアー。」
桜「なんだか希望が見えてきた。」
桜&翼&紬「いらっしゃーい!異世界の香り、フレグランスですよー!これを付ければ男も女もモテモテになっちゃいまーっす!」
桜「ふう、やっぱりすごい人気だった。あっという間に完売だ。」
紬「どこの世界でも人間に限らず生物はみなモテるために必死なのね。」
紬「それが子孫繁栄の本能だとはあまり気付かれない。」
桜「本能ベースの商売は強いな。」
翼「この勢いでダンジョンへ行こう。」
受付嬢「いらっしゃいませ。クエストの受注ですか?またDクラス?」
桜「いや、Eにしておく。」
翼「今の装備ではDは危険だもの。」
受付嬢「賢明な判断です。頭装備なしにDへ迂闊に入ってしまってお亡くなりになる冒険者さんがたくさんいらっしゃいます。」
紬「あのさ、だったらここに張り紙でも出しておきなよ。ヘルメットなしだと即死するぞって。」
受付嬢「そう言われてみればそうですね。ご指摘ありがとうございます。さっそく対応いたします。」
桜「それじゃこれ、登録料20ゴールド。」
Eクラスの敵にはもちろん楽勝だった。1本10ゴールドのロールを投げ続け、それが切れたら桜と翼で斬殺する。30分で一直線の洞窟の敵は全滅し、安いドロップ素材が地面に転がった。そして、うれしいことに3人のレベルが上がり、全員がLV20になった。
桜「よっしゃ、これで中級職にジョブチェンジできる。」
翼「どうせジョブチェンジにもゴールドをふんだくられるんだろうけど。」
紬「フレグランス資金があるから今は余裕だね。」
受付嬢「お帰りなさいませ。」
紬「鑑定頼むね。」
受付嬢「お待ちを …… 1800ゴールドです。」
桜「うちら、LV20になったので中級職にジョブチェンジしたいんだけど。」
受付嬢「ではこちらへ。LVだけではジョブチェンジできません。必要なパラメーターに到達できませんと中級職にはなれないのです。たとえばドワーフで賢者とかエルフがパラディンは非常に難しい。」
桜「じゃあさっそく計測を頼むよ。」
受付嬢「計測の料金は200ゴールドです。」
翼「計測の結果ジョブチェンジできないってなったら悔しい出費になるね。」
紬「天に祈ろう。」
受付「結果が出ました。紬さん、合格です。翼さん、合格です。桜さん、残念ながら不合格です。筋力があとわずかに足りません。」
桜「うぐっ....」
翼&紬「ドンマイ、桜!」
桜「めげていても仕方ないか...アーベントイアーへ行こう。」
桜「賑わってんなあ。」
翼「冒険者と言えば酒場だからね。」
紬「そしてみんなエールを飲んでる。」
桜「私、ワイン派なんだけど仕方がないか。」
翼「喉の渇きを癒やすという意味でエールなんだよ、きっと。」
エルフ娘「あら、新顔?」
翼「はい、やっとLV20になったばかりのひよっこです。」
エルフ娘「LV20はもう立派な冒険者のスタートよ。乾杯しましょ。私はシルヴィ。」
桜「お近づきの印にぜひおごらせてください。」
シルヴィ「えー、なんだかたかりに来たみたいだけど、でもせっかくだからいただくわね。」
紬「シルヴィさん、ジョブは何ですか?」
シルヴィ「私?私はこう見えても魔法剣士なのよ。エルフでは珍しいの。LV27よ。」
桜「私も魔法剣士志望なんです。さっき落第しました。筋力が足りないって。」
シルヴィ「私も種族がら筋力が伸び悩んで何度か落第したわ。あれは悔しいわね。」
桜「どうやって克服したんですか?」
シルヴィ「筋力を付けるのは一番簡単よ、筋トレすればいいだけ。町にあるわよ、スポーツジム。」
桜「情報ありがとうございます。筋トレ頑張ります。」
シルヴィ「あと、お肉をいっぱい食べてタンパク質を摂取することね。」
桜「なるほど、肉食ですか。それは好物なのでいっぱい...」
シルヴィ「ふふふ、あなた見所があるから特別に教えてあげる。宿屋の食堂でスタッフにこっそりドラゴンスペシャルって囁いてみて。すごく筋力が付く料理が来るわ。1000ゴールドもするけど。」
桜「ありがとうございます。今夜、がっつり食べてやります。」
シルヴィ「あのさ、あなたたち親切そうだからひとつ頼まれてくれない?」
翼「はい、何でしょう?できることでしたら...」
シルヴィ「里からひとりこっちに出てきてるの。後衛志望の女の子。Eクラスのダンジョンに連れて行ってレベル上げしてくれない?彼女、まだダンジョンに入ったことがない素人でLV1なの。このままだとパーティに入れないわ。」
桜「了解しました。明日、責任を持ってレベルを上げて見せましょう。」
シルヴィ「ホント?ありがとう。じゃあここに呼ぶわね。…… フィナ、こっちおいで!」
フィナ「よろしくお願いします。」
紬「うわあ、かわいい。私、ショタだけじゃなくてロリもいけるかも。」
翼「危ない発言はやめろ!」
桜「じゃあ明日、私たちとダンジョンを攻略しようね。後ろで見てるだけでいいからね。」
紬「いや、それでは練習にならないよ。LV1でも属性ロールは投げられるんだ。ギルドで魔力を計測して、マンソンジュで適性を調べて、ロールを投げてもらおう。」
かわいいエルフ少女を託された3人、17歳にしてお姉様ポジションで少女を育てることになりました。




